あまりにも突然で驚いたニュース。国内の三脚メーカーであるベルボンが同業のハクバに事業譲渡する(した)とのことです。
ベルボン側の事業は既に終了しており、本日付でハクバ側がベルボン製品の修理・サポート受付を開始しているとのこと。
ハクバは写真周辺用品の総合メーカーであり、従来から三脚も販売していますが三脚ではあまり存在感がありませんでした。確か三脚の一部製品はベルボンの OEM だったと記憶しています。そういう関係性もあって事業の受け入れ先に決まったんでしょうか。
一昔前までなら三脚市場はベルボンとスリックという国内二大メーカーかマンフロット/ジッツオという海外勢か、という感じで寡占されていましたが、この十年で中国メーカーの存在感が高まり、VANGUARD・BENRO・K&F Concept・SIRUI・Leofoto という多数の中華三脚を量販店でも目にします。高価格帯をヴァイテックグループ(マンフロ/ジッツオ)に押さえられ、低価格品を中国メーカーに取られて苦しかったであろうことは想像に難くありません。加えて近年のスマホ普及によって三脚穴のあるカメラを持つ人が減り、さらにはカメラの高性能化で手持ち撮影可能な範囲が増え…ポジティブな要素が思い浮かびませんね…。
サイカ先生によるとベルボンは BCN データで数量シェア国内トップらしいですが、金額でヴァイテックに負けているあたり利益率の厳しさが読み取れます。
一応、BCNデータだと国内シェア1位なんですが(https://t.co/eTbcK04NTA)金額シェアだとヴァイテックが一位のようです。https://t.co/hLQP4W5XgR
— SAIKA KAZUHIKO (@SAIKA) August 2, 2020
私は長年のマンフロットユーザーですが、国内メーカーではベルボンの三脚・一脚はけっこう好きでした。以前仕事用に買ったビデオ三脚は必要十分という感じで使いやすかったし、超コンパクトに折りたためる一脚 Ultra Stick Super 8 はかなり重宝しています。
他にも ULTREK シリーズはマンフロットやジッツオのトラベル三脚以上に携行性が良く、何度か具体的に購入を検討したほど。高級なイメージこそないけど独自性のある商品開発に一定以上の魅力を感じていただけに、企業体としてはこれで退場となってしまうのが何とも惜しい。
今後ハクバがベルボンブランドを受け継ぐことになるようですが、現行ラインアップがどの程度受け継がれるのか、そして人員がどうなるのか。COVID-19 の影響で全世界的に雇用が冷え込んでいる中でもあり、他人事ながら気になってしまいます。
既に事業譲渡してしまった後ではありますが、国内メーカー応援の意味も込めて以前から欲しかった ULTREK の一番軽いやつ、ひとつ買っておこうかなあ…。
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