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箱根 湯本富士屋ホテル

箱根での宿泊先は湯本の富士屋ホテルでした。

湯本富士屋ホテル

本当は温泉宿に行くならホテルよりも旅館で、夕食は和室に御膳を運んでもらえるところに泊まりたい気持ちもあったのですが、子どもが和室・和食苦手なこともありホテルにしました。せっかく久しぶりの家族旅行に行くならみんなが楽しめる方が良いですからね。
箱根で宿といえば創業 140 年を超える宮ノ下の富士屋ホテルがその代名詞的存在ですが、さすがに予算オーバーなので同グループの湯本富士屋ホテルを選択。こちらは同じ富士屋ホテルでも比較的リーズナブルに宿泊できます。でももし Go To キャンペーンが都民対象外になっていなければこの機会に本家のほうに泊まったかもしれません。

立地は箱根湯本駅のすぐ近く。ロマンスカーのホームからも建物が見えるほどの距離です。駅を出て橋を渡ったらもうホテルという立地の良さが魅力。外は温泉街だし、東京からサクッと来て温泉気分に浸るには理想的なロケーション。
ただ湯本は箱根の玄関口的な場所なので、二泊三日以上の滞在で箱根観光の拠点にするならば強羅や桃源台に泊まった方が動きやすいとは思います。

ホテルの前を流れる早川。徒歩の場合はこの川にかかっているあじさい橋を渡ってホテルに到着します。こういう川のそばの宿に泊まると、温泉地に来た実感が湧いていいですよね。

建物の内部(ロビー)。広々としつつ程良く高級感のある内装と、丁寧な接客。さすが老舗です。
一人旅だと宿はビジネスホテルで安く上げて外食にバジェットを振り向けがちなので、久々の家族旅行でのリゾートホテルは気分が上がります。

宿泊したのは本館の和洋室。一日歩き回った足を畳の上で伸ばしつつ、寝るときはふかふかのベッドで広々寝られます。各種設備は新しくは見えないけれどキレイに整えられていて気持ちが良い。

ベッドのサイドテーブルには USB 充電器が備え付けられていました。Type-A×3 に加えて Type-C×1 までついていて驚きます。4 ポート合計で最大 4.8A だから充電速度は期待できませんが寝てる間に充電するのには十分。Type-C どころかそもそも USB 充電器があると思っていなかったのでいつものマルチポート充電器を持ってきていましたが、これならケーブルだけ持ってきても良かったかも。

夕食は 1F のレストランで。湯本富士屋には和食「桂」、中華「桃華樓」、フレンチ「ヴァンヴェール」の三つのレストランがありますが、現在は桂と桃華樓は営業を休止していてヴァンヴェールで和・中・仏それぞれのコースを提供しているとのこと。客数減と感染対策の効率化のためやむを得ない措置でしょう。
私は最初からフレンチにするつもりだったので無問題。宮ノ下の富士屋ホテルのフレンチレストランが有名なので、それと同レベルではないだろうけど湯本富士屋のほうも期待してしまうわけです。

十分にソーシャルディスタンスが確保されたテーブル配置に加えて、各テーブルにはマスクケースが用意され、食事中のマスクの一時保管にも配慮されています。

夏休み期間にも関わらず宿泊客数はやはり多くないのかディナータイムにも関わらず空席も少なくなく、ゆったりと食事を楽しむことができました。

久しぶりの非日常。特にこの半年はほぼ家の中にしかいなかったので、できる限りこの非日常を楽しみたい。
というわけで、ディナーは奮発してシャンパンから始めるわけです。

アミューズは生ハムマンゴーと玉蜀黍(とうもろこし)のフォンダンジュレ。

生ハムを巻いたフルーツってメロンを代表格に桃、洋梨、イチジクくらいまでは食べたことがあったけどマンゴーは初めて。でもマンゴーの甘酸っぱくてツルッとした食感に生ハムのしょっぱさが合う!これはシャンパンが進む味。玉蜀黍のフォンダンジュレも、玉蜀黍のやさしくて甘い香りを爽やかな食感で食べられるのが新鮮。いずれも旬の食材をうまく使った夏らしい一品で、すごくイイ。

前菜は鶏もも肉と砂肝のテリーヌ。味付けはロゼワインジュレとわさび風味のクリームという凝ったもの。
みっちりしたテリーヌの中に砂肝とピスタチオという食感の異なるものが混ざっていて噛み応えが楽しい。酸味のあるジュレでさっぱりと食べてもいいし、わさび風味クリームはツンとくる感じが一切なくて爽やかな香り。これまたシャンパンに合いまくります。

おかわり自由のパンはプレーンタイプと香草パンの二択。香草パンはとても香りが良くて、オリーブオイルに浸ければもうそれだけでワインが進んじゃいますね。

メイン前には玉蜀黍とトマトのスープ。またしても夏野菜の競演。
コーンポタージュ系の甘い味かと思ったら、むしろトマトが前面に出たスッキリ系の味付けでびっくり。確かにこの真夏にまったりとしたコンポタよりは、こういう酸味系のほうが喉に心地良い。まさに目の覚めるようなスープでした。

続いて魚介料理、伊勢海老とまとう鯛のポワレ。
伊勢海老はオリーブとアーモンドのバターで味付けされていて、鯛はバルサミコソースをつけていただきます。付け合わせはエンドウ豆のソースを使ったパスタ。

濃厚な味付けの伊勢海老がとてもおいしい。対照的にスッキリと味わえる鯛。この二つの味を行ったり来たりするのに、エンドウ豆がいい緩衝材になってくれる。ここまで全体的に夏らしさを爽やかに味わえる素材と味付けで、旬のものをベストな状態で食べさせてもらっている感覚がとても嬉しい。

口直しは檸檬のグラニテ はちみつ風味。肉料理の前に口の中をリセットするためのものですが、酸っぱすぎず甘すぎず、ちょうどいい「はちみつレモン」の味。アルコールで少し火照った口の中がひんやり冷やされます。

メインは牛フィレステーキ ポルト酒風味バター添え。柔らかいフィレステーキに、ポルト酒(ポートワイン)で濃厚にしたバターの風味がたまらなくおいしい。
ここまでの他の料理も確実においしかったけど、この重厚感はさすがにメインを張るに相応しい。

デザートはガトーショコラ いちごソルベ添え。これもまた甘さ控えめで大人のおいしさ。コーヒーと一緒に、楽しかった旅行一日目を振り返りながらしみじみとした時間を過ごします。

食事の後は大浴場へ。やはり夏休み期間としては空いているのか、混み合うことなくゆったりとお湯に浸かれました。
男性用浴場は通常のメイン浴槽とジャグジーバス、露天は岩風呂と檜風呂、それにサウナという非常にオーソドックスな構成。でもそれぞれの浴槽が十分に広いため、温泉そのものを楽しみながらじっくりと温まります。

温泉とベッドで一日の疲れを癒やしたら、翌朝はまたホテルの朝食。

朝食も感染拡大防止に配慮した営業形態になっています。通常ならばビュッフェスタイルで提供しているところ、現在はグランドコンベンションホールにて和定食/アメリカン/中華粥/サラダのセットメニューを選択してサーブしてもらう方式で営業中。本来の厨房ではない場所で、ビュッフェスタイルよりも遙かに手間と人手のかかる形態での運営はとても大変そうだなと感じると同時に、ここまでしてでも顧客満足と感染拡大防止を両立しようとする姿勢に自然と感謝の念が湧いてきます。

私は温泉宿に来たら朝にはやっぱり和食をいただきたいので、和定食を注文。朝からこんなにたくさんのおかずやご飯の友がついてくるのが嬉しいじゃないですか!かまぼこやわさび漬けという地のものが入っているのも良い。日本人としては朝からこういう食事がいただけることは本当に幸せ。

ほんの一泊の滞在ながら、十分堪能しました。箱根って東京から日帰りできてしまう場所だけに、私は実は今まで温泉に入ったことも泊まったこともなかったという。初めての箱根での宿泊ならば富士屋グループに泊まってみたい思いもあったので、それが叶えられて満足です。温泉も食事も客室も人も良かったので、今度箱根に来る機会があったらまた泊まりたいですね。でも今度は温泉宿らしい旅館に泊まりたい気持ちもあるので、これはまた何度か来るしかないか。東京都民対象の Go To キャンペーンが早く開始されることを祈ってます。

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