「腹へったな、早めの昼飯にはピッタンコの時間だ」
この夏は結局帰省しなかったから、魚介類を食べる機会があまりありませんでした。この物足りない感覚はもしかしたら美味しい魚を食べてないからかもしれないなあ…と思い、先日渋谷に行った際に、久しぶりに孤独のグルメ(原作)に登場した「魚力」でお昼ご飯を食べてきました。
渋谷駅から東急本店を越えてさらに先、NHK の裏手。前回ここに来たのは五年前ですが、その後この界隈が「裏渋」あるいは「奥渋」と呼ばれ渋谷駅周辺とは異なる大人の街として注目を浴びるようになり、周辺にも小洒落た店が増えたように思います。その結果、この店の暖簾にも「奥渋」の文字が追加されているじゃありませんか(笑。
鮮魚店の脇にあるドアから店内に入り、入口にかかっている食券代わりの札を一枚取ってカウンターに着席。
メニューはどれにするか迷いました。まだまだ暑いからひんやりと刺身やなめろうを食べたい気分もあったけど、前回来たときに次はこの店の名物であるさばみそを食べてみたいとも思っていたし、悩ましい。すると札の中に「さばみそ煮・刺盛り定食」というまさに私の迷いに答えるような一枚が!もうこれしかない。
ほどなくして運ばれてきた私のさばみそ煮・刺盛り定食。
ハーフ&ハーフだからサイズ的にはそれほどガツンとした見た目ではないけれど、今の気分はどちらも食べたかったから無問題。
この刺盛り。いかにも鮮魚店の食堂って感じにいろいろ入れてくれているのがイイ。
中でもマグロ赤身の分厚さが神々しい。おろし生姜がたっぷりめに入ってるのも嬉しい。
刺身食べるの、なにげに随分久しぶり。
生魚と醤油の味で白飯を食べると、自分はやっぱり日本人なんだなあと思える。
そして、さばみそ。
このトロトロしたみそダレの見た目だけで、まちがいなくウマイことがわかる。
ちなみにこの店の通常のさばみそ煮定食は、頭寄りの「カミ」と尻尾寄りの「シモ」で部位が選べるようです。さらにこのハーフ&ハーフよりも分量が多く、みそダレもたっぷり入っていてこれだけでご飯が進みそう。このハーフは「シモ」だけど、次来る機会があったら「カミ」でさばみそ煮定食を食べてみたいなあ。
さばみそ、うまい!やはり期待を裏切らないおいしさ。
脂乗りの良い鯖に、ほんのり甘みを感じるコク深いみそダレ。このみそ味は、そんじょそこらの店では出せないに違いない。さばみそ食べるんならこういうのが食べたかった、という思いに答えてくれる味。
この味と刺身、それにシジミの味噌汁があれば、日本人なら他に何も要らない。そう感じさせてくれる昼食でした。
これは確かに渋谷の中心じゃ食べられない、はるばる奥渋まで歩いてくる価値のある食事だ。
ごちそうさまでした。
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