2020 年 F1 最終戦アブダビ GP。COVID-19 に観戦して先週のサクヒールを欠場したハミルトンが早くも戦線復帰しました。しかしインタビュー時や表彰台で咳き込む姿も目立っていて、もう少し静養してて良かったんやでメルセデスを駆るラッセルももう少し見たいし…とは思いました(笑。しかし今季のチャンピオンを確定していても病気を押してまで出走するというのは、ハミルトンは本当に F1 が好きなんだなあと改めて感じます。
予選は 0.1 秒の間にトップ 3 が並ぶ超接戦をフェルスタッペンが制します。ようやく獲得した今季初 PP で、抜きにくいアブダビでは理想的なスターティンググリッド。メルセデスの二台は MGU-K の信頼性に不安があり出力を制限していたという話ですが、それでも最終戦まで規定台数内のパワーユニットでシーズンを戦い抜いた上で最終戦でメルセデスを上回るパワーを披露してみせたホンダを誉めるべきでしょう。、今シーズン唯一パワーユニット交換ペナルティを受けなかったサプライヤーというホンダの状況は、2015~2018 年のペナルティの多さから考えれば信じられない進歩です。
フェルスタッペンは決勝もスタートからメルセデスに脅かされることなく、ピット戦略で出し抜かれることもなく、まるで今までのメルセデスのような横綱相撲で完勝。また僚友アルボンもフェルスタッペンにはついていけなかったもののメルセデスと遜色ないペースで(終盤にはハミルトンを追い上げる場面すら見せて)4 位フィニッシュ。メルセデスに奇策を採らせないポジションに居続けたことがフェルスタッペンのレースをさらにラクにしました。これにはもちろんアルボンの頑張りもありますが、今回の RB16・ホンダは本当に早くて安定していました。シーズン序盤からマシンがこれくらい決まっていたらレッドブルはもっと戦えていただろうし、アルボンに対する評価も違っていたでしょうね…。
しかし、これだけハミルトン&メルセデスが席巻したシーズンであっても、ホンダ PU としてはアルファタウリを含め今季 3 勝で昨年と同等の勝利を挙げていることになりますし、レース数が少なかった分勝率は今年の方が上。さらにはトラブルやアクシデントで落としたレースが少なくないことを考えると、あと 3~4 勝できるポテンシャルはあったと言えます。いずれにせよチャンピオンにはなれなかったでしょうが、メルセデスとの差は見た目ほど開いていないのかもしれません。今シーズンの最終戦をこういう形で締めくくったら来季への期待も高まりますが、メルセデスはもう随分前に今季マシンの開発を凍結してとっくに来季にフォーカスしています。先行開発を進めたメルセデスが速いのか、レッドブルの今季の蓄積が花開くのか…こればかりは来年の開幕戦までは判りません。
そしてこのシーズンオフは例年になくドライバーの入れ替えが多い。最も大きいのはヴェッテル(レーシングポイント改めアストンマーチン)→サインツ(フェラーリ)→リカルド(マクラーレン)→アロンソ(ルノー改めアルピーヌ)の玉突き移籍ですが、ハースのグロジャンとマグヌッセンが F1 を離脱して代わりにミック・シューマッハー(ミハエルの長男)とニキータ・マゼピンが加入。しかもマゼピンは F1 昇格を前にしてスキャンダルを起こし、代わりに F2 からアイロットかシュワルツマンが来ることになるのでは?という噂も上がっています。そして我らが角田裕毅はクビアトに代わってアルファタウリのシートを得ることはもう確定事項とみられ、残すはレッドブルのセカンドシートのみ。アルボンが残留するのか、それともレーシングポイントを弾き出されたペレスが収まるのか。個人的にはレッドブル・ホンダが来シーズン本気でチャンピオンを狙いに行くならペレスの安定感が必要だと思っているのですが…。
ともかく、7 月に始まって半年足らずという凝縮されたシーズンが終わってしまいました。そして来年の開幕はもう 3 ヶ月と 1 週間後に迫っています。来年のレッドブルとアルファタウリがどこまでやれるか楽しみで仕方ないのですが、その前に今季はほぼ毎週末の夜が F1 で埋まっていて見る方も忙しかったので、しばしの間ゆっくり過ごそうと思います。
コメント