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F1 アブダビ GP 2022

フェルスタッペン優勝でシーズン閉幕。引退レースのベッテルは入賞で花道飾る……角田裕毅は11番手|F1アブダビGP

F1 2022 シーズン最終戦アブダビ GP。レースは予選・決勝ともにフェルスタッペンが完全に支配し、今シーズンを象徴するような内容で一年を締めくくりました。

■レッドブル

予選から決勝まで誰にも脅かされず楽勝だったフェルスタッペンが年間最多勝記録を「15」に伸ばしました。予選に至っては Q3 で僚友ペレスにトウ(スリップストリーム)を与えながら走ってもなお 0.2 秒差をつけて PP、という圧倒的な速さ。決勝はその勢いのままに逃げ切りました。決勝の序盤はペレスを引っ張ってドライバーズランク 2 位に協力するように走っていたように見えましたが、徐々にペレスがついていけなくなった時点でマックスにできるサポートはなくなってしまいました。
ペレスは 2 ストップ作戦で 1 ストップのルクレールを逆転する戦略に賭けましたが、ルクレールがタイヤを労りながらギャップを守り切って終戦。フェルスタッペンならルクレールに追いついていただろうと考えると、残念ながらペレスはチャンピオンシップ 2 位には実力的に相応しくなかったんだろうと思います。鈴鹿でこそいい仕事をしたものの、年間を通してフェルスタッペンとルクレールの戦いに絡んでいけないことのほうが多かったし。レッドブル・ホンダ(HRC)のチャンピオンシップ 1-2 というのは見たかったですけどね。

■フェラーリ

久しぶり(日本グランプリ以来)にメルセデスより上位でチェッカーを受けたフェラーリ。とはいえ今回特別に速くなったというよりはメルセデスが相対的に沈んだことでフェラーリが浮上した、という印象が強かったです。それでもルクレールは 1 ストップ作戦を遂行し、ペレスが 2 回目のタイヤ交換を行ってからはずっとプッシュし続ける走りをやり遂げたのは流石。ドライバーとしてペレスよりも格上なことを見せつけたと言えます。今回は珍しくチームのミスもなかったし、こういう戦い方が年間を通じてできていればチャンピオンシップはもっと盛り上がったんだろうけどなあ。

■メルセデス

アメリカ大陸三連戦で完全復活したかと思われたメルセデスは今回大失速。結局 W13 はサーキットとの相性による浮き沈みが激しかったことが改めて浮き彫りになりました。ドライバーは二人とも気を吐いていましたが、最終的にハミルトン車はトラブルでリタイヤ。まあシーズン序盤は予選 Q1 落ちさえあったことを考えると、最終的にフェラーリと僅差でコンストラクターズ 3 位につけたことは驚異的と言えます。
ドライバー二人の作戦遂行能力も抜きん出ているし、来季のマシン開発に失敗しなければフェラーリに代わってレッドブルとチャンピオン争いを繰り広げてくれるんじゃないでしょうか。

■アルファタウリ

クルマは速くない、決勝に向けて何故かハードとミディアムタイヤを各 1 セットしか残してない、というレースが始まる前から敗色濃厚だったアルファタウリ。それでも角田が 11 番グリッドから入賞を賭けたレースを見せてくれましたが、最後ソフトタイヤで 20 周近く走らなくてはいけなくなった時点でその可能性も潰えてしまいました。クルマが遅いなりにドライバー二人は奮闘していたように見えたんですけどね。今シーズンのクルマは結局コンストラクターズ 9 位が妥当、というくらい残念なものでした。
角田は年間入賞回数 4 回、ドライバーズランク 17 位。去年よりもランキングが下がるという残念な結果でしたが、年間を通して週末の組み立てやレース内容は悪くなかった。本人のミスもいくつかはあったけど、去年とは見違えるほど成長したと思います。来年はレッドブル RB18 から継承するパーツも多いからクルマのポテンシャルが上がることに期待。
アルファタウリとしての最終レースとなったガスリーはずっと入賞圏外でした。走りながら「やっとこの遅いクルマと酷いストラテジーにおさらばできる」と思っていたかどうかは定かではありませんが、来季は開発能力もレース運営能力もはるかに高いアルピーヌでがんばってほしい。まあアルピーヌでもオコンとの関係性とか頼りない首脳陣とか、悩みは尽きないと思いますが。

■セバスチャン・ヴェッテル

Danke Seb

そして何より、アブダビ GP はこれが引退レースとなったヴェッテルのためのグランプリだったと言えるでしょう。木曜日には現役ドライバー全員が集まる送別食事会が開催されたというし、予選も決勝も国際映像はヴェッテルを捉えている時間がすごく長かった。さらにはチェッカー後のトップ 3 インタビューの後にヴェッテルへの特別インタビューも実施。これほど多くの人に慕われ、惜しまれて引退した F1 ドライバーは史上初めてなのではないでしょうか?チームメイトと直接険悪な関係になったことも一度(ウェバー)くらいしかないし、キャリアを通じて多くの人に愛され、リスペクトされる偉大なドライバーだったと思います。
最終戦はチームのタイヤ戦略が失敗して 10 位入賞がやっとという結果でしたが、それでも入賞して締めくくることができて本当に良かった。Danke Seb、長い間ほんとうにお疲れさまでした。

というわけで長かった 2022 年シーズンもこれにて閉幕。去年のシーズン終了とは全然違う感慨のグランプリでした。来年はさらに 2 レース増えて観る方も大変になりますが、ドライバーのシャッフルもあるし、今から楽しみにしています。

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