昨日発売された M1 iPad Pro の実機を見にビックカメラに行ってきました。
筐体デザインが 2020 年モデルからほぼ変わっていないので見た目の印象はほぼ変わらないだろうなと思っていたのですが、12.9inch モデルには新発売されたホワイトの Magic Keyboard が装着されていて随分雰囲気が変わったように感じます。この清潔感、すごくイイですね。
新しい iPad は Mac と全く同じ M1 プロセッサーが搭載されたことが最大の進化点ですが、12.9inch モデルには iPad として初めてミニ LED バックライトを採用した「Liquid Retina XDR」ディスプレイが搭載されました。筐体デザインが変わらず、SoC の性能向上は店頭で触ってみた程度では判別できないので、最も興味があったのがこのミニ LED の画質がどの程度のものか。少なくとも iPadOS のホーム画面を見た限りでは、隣に並んでいる 11inch モデル(通常の液晶ディスプレイ)と大きな画質差は感じません。
YouTube で HDR 動画を再生してみたところ。言われてみればコントラストや暗部階調が優れているように見えなくもないけど、単品で見ている限りではそれほどすごいという印象は受けず。HDR ディスプレイというと家電量販店のテレビ売場でゴリゴリの HDR 映像をデモしているのを見慣れているせいか、やや地味な印象すら受けます。YouTube ではなく Netflix などの VOD サービスの HDR コンテンツを視聴するとまた違うのかもしれませんが。
隣の 11inch モデルでも同じ映像を流して比較してみると、やはり 12.9inch モデルのほうが暗部階調の表現に長けていることが分かります。
他にもいくつかのコンテンツで比べてみたのですが、動画よりもむしろ静止画(デモ機にプリセットされているサンプル写真)のほうが違いが分かりやすいですね。またハイライトよりも黒の締まりと暗部階調で差を感じました。このあたりは部分駆動できるミニ LED ディスプレイの得意分野ですからね。
なんだかテレビやスマホで LCD→OLED に変わったときほどの驚きはないなあ…と思っていたのですが、しばらく 12.9inch モデルの画面を見た後に 11inch モデルの画面を見ると妙に低コントラストで平板な表示だと感じるようになってしまいました。そういう意味では確かに差はあるし、一度ミニ LED を見慣れてしまうともう通常の液晶には戻れないのかもしれません。
Magic Keyboard。「純白」と言いたくなる白さがとても良い。
旧型からキータッチが変わったとも言われていますが、私は Magic Keyboard ユーザーではないので差はよく分かりません。でも 12.9inch ともなるとキーピッチがフルサイズになって打ちやすい。まあ Magic Keyboard は重いし高価いので、もし私が iPad Pro を買ったとしても別のキーボードを持ち歩くと思いますが…。
また店頭ではチェックのしようがなかった性能面については、既に Geekbench 5 のベンチマークスコアが登録され始めているので Geekbench Browser に掲載されているスコアを引用して比較してみました。
「旧 iPad Pro より 50% 高速」と言われる M1 の性能は伊達ではないですね。シングル/マルチとも本当に旧型の 1.5 倍速い。また従来は iPad Pro でも iPad Air でも実効性能に大きな差はない(場合によっては Air の方が速い)と言われていましたが、M1 iPad Pro では名実ともに iPad のフラッグシップとしての性能を手に入れたことになります。まあ、大抵の用途には A12 Bionic クラスの性能でも特に不満を感じる場面はありませんが、映像系の処理をすると M1 のパフォーマンスが効いてくることでしょう。
今までは次に iPad を買うならカラバリが多彩な Air かなあ、と思っていたのですが、ここまで違うとなるとやはり Pro ですかね。Air はストレージが 64GB/256GB という極端な二択なのがちょっと買いづらい。Air 256GB モデルに ¥82,280 を払うくらいなら、11inch Pro 128GB モデルに ¥94,800 を払った方が総合的な満足度は高そうです。
うーむ、欲しくなってきてしまいました。
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