「海外もしばらく行ってないな。メニューがちっとも分からないような外国メシ、したいなあ」
今季も『孤独のグルメ Season9』の聖地巡礼を続けていますが、今日は先ほど放送されたばかりの第 3 話の巡礼レポートです。今回のエリアは港区東麻布。東京タワーからほど近いこのエリアでギリシャ料理とは、まさに東京オリンピックの開会式当日というタイミングを狙ったかのような組み合わせ。ギリシャ料理って意識して食べたことがないからどんなものか事前に想像もつかなかったのですが、それ故に楽しみでもありました。今まで食べたことがないものを食べるって、なんかワクワクしますよね。
環状三号線の大通りからちょっと外れたあたりにある、周囲とはちょっと違う雰囲気の店がこちら。
麻布の街中で半地下のテラス席。このご時世のソーシャルディスタンスを狙ったのかどうか分からないけど、開放的になるこの季節に外で食事っていうのも悪くないかなと思わせる。
そこで食べているのが外国人のお客さんっていうのもまた、この店の異国情緒を高めています。
ではギリシャ、入国。
白い壁と青いカウンター。おおお、確かにギリシャっぽい。東京にいながらにしてちょっとした異国感。
ちなみに私が訪れたのは放送前で、既に他にも聖地巡礼のお客さんがちらほら来ているようでしたが、孤独のグルメとは関係なく元から人気店のようで、予約だけで満席に近い状況でした。予約しておいて正解。
カラマタにザジキ、メリザノ、ドルマーデス、ハルミ、スパナコピタ…見たことのない単語のオンパレード。
メニューには一応日本語の解説もつけられているけど、それを読んでなお想像がつきません。
日本なのに、右も左も分からない。どうしたものか。
いや…俺は、異国でも知らないメニューは胸を張って頼む。
暑いのでとりあえず飲み物から。メニューを見た感じではワインと合いそうな料理がたくさん並んでいたけど、緊急事態宣言中はアルコールは出せないとのことでノンアル。
この「マスティクア」というのはギリシャの木から採れる樹液でフレーバーをつけた炭酸水とのこと。
これは…確かに、炭酸水なのに木の香り。なんだか檜風呂のソーダ割りを飲んでいるかのようだ。
ちょっと奇妙な感じはあるけど…爽やかで落ち着く。慣れてくるとクセになりそうだ。
料理はいきなりドルマーデスから。
見た目は確かにロールキャベツ的、だけどコンソメじゃなくてオリーブオイルに浸ってる。
これは食べてみないことには味が想像つかないぞ、どれどれ。
うんうん、あ~、こういう感じ!
ブドウの葉に包まれた肉のうまみが逃げ出さず米に移って、これはうまい。
ブドウの葉って初めて食べたけど、確かに桜の葉の塩漬けに似たうまみが感じられて、桜餅的。
日本人の舌に馴染むわけだ。
続いてザジキとピタパン、それにメリザノサラダまで一緒に出てきました。
本当はゴローちゃんが頼んでいた前菜盛り合わせとどちらにするか迷ったけど、単品で頼んだのがこんな感じ。
このナンのようなピタパンに、いろいろ載せたりディップしたりして食べるのが正しいに違いない。
ザジキ。ギリシャヨーグルトということだけど、我々が食べ慣れているヨーグルトとはちょっと違う。フレッシュチーズ的でもあるけどヨーグルトでもある。
単品で食べてみると爽やかな酸味があって、これは白ワインが欲しくなる味。
ピタパンにつけて食べるとパンの甘みが引き立ち、ザジキはちょっとチーズ的な立ち位置に。
あー、やっぱりこれ酒飲み的には食事として食べるというよりはワインと合わせるべきやつだ。
問題の焼きナス、いや、メリザノ。
日本の食卓で散々食べ慣れてるナスが、こんなにおめかししちゃって、しかもオリーブオイルやらオリーブの実やらまで纏っちゃって。
一口食べてみると…あ、確かに焼きナス。でも日本の焼きナスとは全然別料理。
まるで留学から帰ってきた幼馴染みに再会したような、奇妙な感覚。
ナスって、ギリシャではこんな一面を見せてるんだ。
ムサカについてくるパンが先に出てきたので、さっきのザジキやメリザノをピタパンじゃなくてこっちのパンにつけて食べてみるのもアリ。
パンの種類が違うだけで、これら前菜の異なる味が引き出される。
ムサカさんのお出ましだ。
確かにラザニアちっく、だけどこの時点ではまだ放送を見ていないのでどんな料理かよく分かっていません。
でも、上にチーズがたっぷりかかったアツアツの何か、というのが分かる見た目だけでもう合格点。
お~、こういう!うん、好き好き。
じゃがいも、挽肉、チーズ、で、ナス。
ラザニアっぽいんだけど味の感覚がちょっと違う。スパイスなのかなんなのか…。
トマトにチーズにオリーブ、地中海だから基本はイタリアに近いんだけど、味と香りが大分違う。知ってる味を想像して口に入れると戸惑うけど、食べているうちにおいしさが分かってくる感じ。これ面白い。
ピタパンとパンがたくさんあるので、なんでもかけたり浸けたりして食べるわけですが、これがまた楽しい。
特にムサカとピタパンの組み合わせ、絶対うまいだろうと思ったらその通り。
いろんな組み合わせで無限に味が広がっていくこの感じ。
テーブルの上は、パルテノン神殿だ。
そしてこれがサガナキ。海老、ゴロゴロ。
実はこれ、予告映像を見て絶対中華回のエビチリだろうと思っていたんですよね。そしたらまさかのギリシャ料理だったという(笑。
中華じゃないからエビチリとは違うと分かっていても、見た目からエビチリの味を意識しながら食べてしまうので、一口目が何とも言えない。
麦茶と間違えてめんつゆを飲んでしまったときのような、予想外の味が口に入ってきて脳がバグる感覚。
でも、味覚がだんだんこの味を理解し始めると…うまい!
日本とも中華ともイタリアスペインとも違うこの海老料理、こういうものか。トマトに隠されたチーズが効いてる。これは気に入りました。
デザートはチーズケーキ。見た目は完全にプリンだけど、古代ギリシャのレシピから考案されたチーズケーキらしい。
これもまた脳がプリン味を待ち受けながら食べてしまうから一口目の理解が難しいけど、確かにチーズケーキ。
オレンジが添えられているのが爽やかでいい。これもちょっと気に入っちゃったなあ。
それからチョコレートムース。
これもおいしいんだけど、良い意味で見た目を裏切る味の料理が続いたこともあって、オーソドックスなのが来られると逆に物足りないような(笑。
ゴローちゃんが食べていたバクラヴァはスルーしてしまったので、それは次回の宿題にしよう。
いやあ、期待以上においしかったし楽しかった。
過去にないくらい、想像を超えた味の料理が揃っていた。今日の俺はまさに驚きの連続だ。
世の中には、まだまだ未知の料理がたくさんあるんだなあ…。
そういえば、ギリシャはオリンピック発祥の地。
この店を選んだ俺、金メダルだ。
しばらくはこの味を思い出し、アテネに思いを馳せながら東京の選手たちを応援していきたい。
ごちそうさまでした。
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