何やら変わった名前の定食屋があるということで、恵比寿まで行ってきました。
恵比寿駅西口のロータリーからちょっと入ったところにある雑居ビルの 2F。飲食店としてはあまり入りやすくはない店構えですが、入口に大きめの看板が掲げられていて見つけるのは難しくない。
竈…炭…治郎…ウッ頭が(ぉ
名前先行で出オチ感ある店名ですが(笑)、竈炊きのごはんと炭火焼で食べる定食というのは気になっていました。以前行った「挽肉と米」のように絶品おかずでこだわりの白飯おかわり自由、という業態の飲食店が増えてきているところですし。アルコールを出すのが難しい今、こういう形態の店の方が経営しやすいということなのでしょう。
独りだったのでカウンター席に通されました。
厨房には竈にセットされた大ぶりの羽釜。奥に見える白木のおひつも含め、これだけで期待が高まってきます。
ランチメニューはその名も「無限定食」。無限に白飯をおかわりしたくなる定食、という自負が込められているのを感じます。半年くらい後にしれっと「遊郭セット」とか追加されていそうだけど(笑
主菜は九種類からの選択制。牛鍋的なおかずをうまいうまい叫びながら無限に食べたかったところだけどそういうのはないので(ぉ)、ここはやはり店名に冠している炭火焼で攻めたい。
ちなみに夜のメニューはこちら。昼と同じ定食(昼とは値段が変わる)もありつつ、おかずを単品注文できるのが良い。せっかくだからいろいろ食べたいじゃないですか。
「肴」のパートに並ぶおつまみメニューも日本酒が進みそうな品揃えで、文字列を眺めているだけで涎が出てきます。いぶりがっこチーズ食べたい…。
そうか、夜は定食もいいけどおかずと肴でしっぽり独り飲みしつつ、〆に白飯ってのもいいなあ。
注文後ほどなくして無限定食の基本セットが運ばれてきました。
茶碗に汁物、それと副菜八品。この多彩な小皿を眺めているだけで幸せな気分になってきます。場合によっては副菜だけでも十分満足してしまいそう。
この白いのは「お米ヨーグルト」とのこと。食前に飲むことで消化を助ける働きがあるそうです。
ヨーグルトのようでヨーグルトでない少し不思議な味で口の中と食道をすっきりさせたら、いただきます。
白飯はおひつで出てきて、自分でよそって食べる方式。
食べたいだけ食べられるのも良いし、適量だけよそうことで残りが冷めたり乾燥したりしないから茶碗に大盛りで出てくるより良い。こうやって出してくれる店、好きなんですよね。
このキラキラしたお米。粒立ちがよく、同時にもっちりしているのが見た目からわかる。間違いなくおいしいご飯。
このご飯があることで、ここに並んだ大量のおかずがすべておかずとして立ち上がってくる。
副菜はそれぞれ方向性が異なり、ご飯と交互に食べることで飽きずに味を楽しめそうな品揃え。
左側の四品は順に温泉卵の黄身だけを漬けっぽくしたもの、ほうれん草の胡麻和え、お新香、里芋の煮物。
右側の四品はとろろ(+オクラととんぶり)、鮭フレーク、辛子明太子に味噌。
どれもご飯の供としては間違いない品々。
それぞれ単体で食べても組み合わせて食べても良いし、ご飯に載せても良い。好きなように好きなだけご飯を楽しめます。
汁は味噌汁じゃなくてすまし汁。
味が濃いめの副菜でご飯を食べる合間なら、すまし汁で味覚をスッキリさせるのが正解でしょう。
しばらくして主菜のご登場。
迷った挙げ句、トロ鯖糠漬けの炭火焼を選びました。やはりこういうご飯のおかずの王道は鯖でしょう。シンプルな塩焼きでさえおいしいのに、トロ鯖の糠漬けを炭火焼にしたものなら絶対うまいに違いない。
裏返すと程良く脂の乗った鯖。
いかにも炭火で焼かれた煤の色味と良い香りがたまりません。
切り身としてはちょっと小ぶりだけど、味は期待以上のうまさ。思わず笑みがこぼれます。
この鯖とこの白飯があれば、日本人なら他に何が必要だろうか。
ご飯の上に鯖と明太子、味噌を載っけてみたりして。
「うまい!うまい!うまい!うまい!」と快哉を叫びながら無限に食べ続けたい気持ちに包まれます。
いや、本当においしい。
あっという間にお櫃が空になってしまったのでおかわり。今度は半分ほどにしておきました。
普段は炭水化物を食べ過ぎないように気をつけているから、これだけの白米を食べるのなんていつぶりだろう。
引き続き好きなようにご飯とおかずを食べた後で、最後は TKG。この液体と固体のちょうど中間になった黄身、トロッとして濃くてめちゃくちゃうまい。
鯖の身の残りとともにかっ込んで、見事完食。
ああ、おいしかった。
名前先行のネタ店だったらどうしようと少し不安だったけど、中身は実に真面目なおいしいお店でした。これならネーミングに頼らなくても人気店になったんじゃないですかね。
この店だったら他のおかずも絶対おいしいに違いない。サワラとか唐揚げとかであの白飯を食べるのも良さそう。
恵比寿周辺でおいしいご飯が食べたくなったらまた来ようと思います。
ごちそうさまでした。
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