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東京都武蔵野市吉祥寺のカラスガレイ煮付と惣菜盛り合わせ定食

「この季節は、煮付けが恋しい」

藤井書店

スクリーントーンズのライヴのためにせっかく吉祥寺に行ったからには、『それぞれの孤独のグルメ』第 11 話のロケ地も少し巡ってきました。

ドラマでは編集者の西崎(平祐奈)が江口寿史先生を探してあちこちを彷徨い歩くシーンがあり、↑の写真は西崎がゴローとニアミスした古書の「藤井書店」。レジ後ろに久住先生のデビュー作『かっこいいスキヤキ』の初版本(久住さんの個人所有物とのこと)が飾られていたのが映像上のこだわりを感じるポイントでしたが、特に重要なのがここで五郎が買った絵画。劇中では「谷口ジロー先生の原画」を買ったことになっていましたが、これがおそらく劇映画の冒頭でパリに届けた絵画という形で繋がっているのでしょう。ちなみにその絵画は実際に谷口ジロー先生の『歩くひと』のイラストだったと記憶しています。

ハモニカ横丁

劇中で江口先生を探し回っていたのがこのハモニカ横町。吉祥寺を象徴する飲み屋街です。昭和がそのまま動態保存されているかのようなレトロなお店と現代のお洒落なお店が同列に並んでいるのがこのエリアの面白いところ。どっちもあるからこそ独特の雰囲気が醸されているのだと思います。
ていうか、どの店もおいしそうで歩いているうちにそれぞれのお店に吸い込まれていきそうになる。

美舟

ハモニカ横丁の中でも特に歴史を感じるのがこの居酒屋「美舟」。劇中では「漫画家が飲んでる」と聞いて西崎がお店に踏み込んでみたら江口先生ではなく久住先生(とスクリーントーンズの皆さん)が飲んでた、という一幕がありました。もしかすると、実際にスクリーントーンズのライヴの打ち上げがここで行われていたりするのかもしれません。

さて、ひとしきり巡ったら…腹が、減った。
店に向かおう。

きっちん大浪

きっちん大浪

もちろんその第 11 話に登場した「きっちん大浪」さんで夕食をいただくわけです。ここは初めて食べに来た際に感動しました。何度でも訪れる価値のあるお店だと思います。
今回は事前に X(Twitter)で予約しての訪店。通されたのはカウンター、ドラマにご本人役で出演されていた江口寿史先生の席でした。

きっちん大浪

この日のメニューがこちら。チキンてりやきはこの日もなし!残念。でもこればっかりは巡り合わせだから仕方ない。

チキンがないとなれば…大浪だから、魚だろう。
五郎’s セレクションだったカラスガレイの煮付(こちらは定常メニュー)を注文しました。

きっちん大浪

まずは瓶ビールから。この後スターパインズカフェでもライヴを聴きながらちょっと飲むのでここでは中瓶で抑えとこう。
ちゃんと冷やしたグラスを出してくれるのが嬉しいんだよなあ。本当に細かいところまで気配りが行き届いたいい店だ。

きっちん大浪

続いて提供されるのが日替わりの惣菜盛り合わせ。もしかするとメイン料理以上にこの惣菜メリーゴーランドが楽しみでここに来てるまである。
この日は上から時計回りに卯の花、砂肝・蒟蒻・牛蒡の煮物、聖護院大根の漬物、無農薬みかんのサラダ、酢たまご、ほうれん草の胡麻和え、ひじき煮、小松菜のおひたし。どれも一見どこにでもありそうな副菜に見えて、一つ一つが丁寧に作られたおいしい一品。

卯の花なんて出汁のうまみだかなんだかが、ジワジワ出てくる。こんなにもみずみずしい卯の花、他の店で食べたことない。
一見煮玉子に見える酢たまご、この店に来るまで食べたことがなかったけど酸味のある煮玉子がこんなにおいしいとは。何度食べても目から鱗が剥がれ落ちそう。
そしてみかんのサラダってのにも驚いたけど、今回のクリティカルヒットは大根の漬物。酸っぱいかと思わせて酸っぱくない。いやちょっとだけ酸味はあるんだけど、それ以上に出汁っぽいうまみが感じられて「何これ!?」となりました。めちゃくちゃうまい。

なんかもう、盛り合わせじゃなくてそれぞれ小鉢にもらってしっかり食べたいくらい。

きっちん大浪

そして五郎が食べていたカラスガレイの煮付。

子どもの頃、夕食にカレイの煮付けが出てくると「今日のおかずは地味だな」と思ってしまったものでした。が、この店の煮付けとくれば話が違う。五郎が舌鼓を打っていたとおり、絶対うまいに違いない。
では、いただきます。

きっちん大浪

うん、清く正しくまっすぐな煮付けだ!こういう煮付けが食べたかった。

口に入れると、ほとんど噛まなくてもほどけるように身が崩れ、とろけていく感覚。甘めの煮汁を一身に受け止めたカレイのうまさ。食感も味付けも全部、やさしくておいしい。そしてこの煮汁をおかずにご飯が食べられる。

きっちん大浪

前回も驚いた、大きめのお椀にギリギリいっぱいの味噌汁。

味噌も具もたっぷり入って、味噌汁がごちそうだ。惣菜セットにメイン料理にこの味噌汁、ご飯が進むおかずがたくさんある。
は~、心が満たされるなあ。日本の夕餉。

きっちん大浪

そしてご飯がまたうまいんだ。
見た感じ羽釜とか土鍋とかじゃなくて普通の炊飯器で炊いてるだけっぽいのに、妙にうまい。きっと炊飯にもコツやこだわりがあるんだろうなあ。

きっちん大浪

せっかくだからもっといろいろ食べたい…と思い、定食に追加で大浪ドライカレーを頼むという暴挙に出てしまいました(笑。

ドライカレー、という響きから想像されるものを上回るのが出てきた。
中心に卵黄を戴き、脇に卵白を従えた盛りのいいドライカレー。しかも下は鉄板でジュウジュウいってる。これはうまそうだ。

きっちん大浪

けっこうしっかり濃い味のドライカレー。でも辛すぎず、ジワジワ旨味が引き出されてくるのが他の料理にも通じるこの店らしさ。
よく煮込まれてほぐれてくるチキンがまたおいしい。卵黄と混ぜて食べるのもおいしいけど、卵白も無駄にしてないあたりもいい。

これ、カレーを主力にしても勝負できるんじゃないの?といううまさ。いやあ恐れ入りました。しかもドライの他に和風、ドリア、夏場はスープカレーまであるというからカレー好きとしては全種コンプしたくなってきたな。

きっちん大浪

ああ、全部おいしかった!大満足。やっぱりこの店、素晴らしい。
本当はデザートに大浪ぜんざいまで行きたかったけど、ドライカレーでお腹パンパンになって行き着けませんでした。次回改めてということで。

吉祥寺ってそんなに頻繁に来る街じゃないけど、ここは夜にこの近辺にいたらわざわざ食べに来る価値のある店だ。とりあえずスクリーントーンズのライヴの日にはまずここに寄ってから、を定番にしたい。

きっとまた食べに来ます。次回はチキンてりやきに巡り合えたらいいな。
ごちそうさまでした。

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