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東京都武蔵野市吉祥寺の塩サバと惣菜盛り合わせ定食

「よし、大浪。頭からかぶろう」

きっちん大浪

『それぞれの孤独のグルメ』第 11 話の舞台となったのは吉祥寺でした。吉祥寺は久住さんの活動拠点の一つみたいな街だけど、『孤独のグルメ』シリーズで取り上げられるのは Season1 のナポリタン回以来。

今回のゲスト主人公は漫画編集者の西崎栞(演:平祐奈)でしたが、登場したお店は本人役で出演された漫画家の江口寿史先生の行きつけの店だそうです。先週発売の週刊誌「SPA!」に江口先生による孤独のグルメのトリビュート漫画が掲載されていて(年明けに単行本も発売予定)、その中でも同じ店が取り上げられていました。
江口先生は漫画の仕事をして夜遅くなったら決まってこの店に食べに来るとのこと。確かに 21 時過ぎまで食いっぱぐれてたけど牛丼チェーンは寂しいし、かといって飲み屋って気分でもない…というシチュエーションは私も時々あります。そういうときに使える店、貴重ですよね。

きっちん大浪

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カウンターとテーブル二つのこぢんまりとした渋い店。マスターがワンオペで切り盛りしているようで、放送前に訪問したところ「ウチ、一人でやってるんで定食出すのにも時間かかるんですけどいいですか」とのこと。きっと常連さんを大事にしながら営業している店なのでしょう。
いかにも定食屋っぽい構えでありながらもカウンターにさりげなくラフロイグやボウモアが並んでいるあたり、只者ではない感が漂っています。

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予告編が出る前に食べに行ったから結果的にですが、通されたのはゴロー席でした。壁際にふと目を遣ったところ、まさにその江口先生の漫画が掲載された SPA! が置かれていました。江口先生の展示会のポスターも掲示してあったし、本当に常連さんなんでしょうね。思わず他の席のお客さんが江口先生じゃないかチェックしてしまいました(違った)。

また着席後ほどなくして提供されるおしぼりを受け取った際、爽やかな香りが鼻をつきました。ほのかにミントの香りづけしたおしぼり…こういうちょっとした一手間を惜しまない店ならば料理も間違いないと思えます。

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定常メニューはこんな感じ。鯖、銀鮭、金目、銀鱈…どれも定番ながら好物ばかりで悩ましい。一方で肉系は冬季は豚キムチだけですか。その下にカレーが三種類もあるのがソソるし、こういう品揃えの中で唯一ある麺が酸辣湯麺というのが面白い。ラインアップ的には鶏そばとか昔ながらの中華そばとかが入ってきそうなところに、酸辣湯麺。これは何を頼むべきか…。

きっちん大浪

日替わりは黒板に。黒むつ塩焼に赤魚の粕漬焼…これもまた惹かれる。何回か通っていろいろ食べたい気がしてきた。

ちなみに劇中で食べていたチキンてりやきは日替わりメニューで、お店の SNS で履歴を見てみたところ登場頻度は週に一回あるかないか、という感じ。翌日の日替わりの予告はしないようなので、劇中メニューが食べたい場合は運頼みということになりそうです。

きっちん大浪

定食だけ食べて帰ってもいいけどお店の雰囲気的にはちょっとだけ飲みたい感じなんだよなあ…と思ってクラシックラガーを注文。生ビールがない代わりにグラスをしっかり冷やしておいてくれるのがありがたい。

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そして定食についてくる惣菜。おばんざい的なものが頼みたくなる店構えだと思ったら、頼むまでもなく盛り合わせで提供してくれるなんて。
この惣菜も日替わり、かつ一日の中でも料理の残り具合によって変わってくるようですが(苦手な食材がないか確認した上で提供してもらえる)、この日の私がいただいたのは「卯の花」「酢たまご」「ブロッコリー」「ひじき煮」「アスパラのオーロラソース」「里芋の煮っ転がし」、あと一品ニンジンとピーマンの和え物っぽいのは何でしょうね。
この一皿で「おばんざい盛り合わせ ¥1,000」とか言われてもおかしくないのに、定食の一環として出てくるんだから恐れ入ります。

きっちん大浪

お皿の上がメリーゴーランドだ。
見た目に楽しいだけでなく、それぞれがちゃんとおいしい。例えばアスパラのオーロラソースなんてすごくシンプルなもののように見えて、オーロラソースからピーナッツのような香りを感じる。他の惣菜も同様に工夫されていて、やっぱりこの店、どんなものにも一手間かかってる。

和風、洋風、変幻自在な野菜のおいしさ再発見。
定食にこんなうまい惣菜を従えさせるなんて、大将、何者なんだ。

きっちん大浪

私が注文したのは「塩サバ定食」と「豚キムチ単品」だったのですが、豚キムチ単品と定食のご飯・味噌汁セットが先に出てきました。結果として「豚キムチ定食」と「塩サバ単品」を頼んだような格好になってしまった。

うわあ…これはいい眺め。というか、これも運ばれてきた瞬間に漂ってくる普通の豚キムチとはちょっと違う香り。どういうこと?

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豚キムチ、一般的な白菜キムチだけでなくカクテキも入ってる!豚肉、白菜キムチ、カクテキそれぞれに異なる食感が楽しい。白胡麻が振ってあるのも良い感じだ。

でも、それよりもこのうまみは何だろう?豚キムチに対して期待する味以上のうまみが隠されている気がする。これはキムチというよりも何かの中華醤みたいな深みのある味。

今まで豚キムチって自分の中では「どこで食べてもそれほどハズレはない代わりに大当たりもない無難な選択肢」という位置づけだったのが、この豚キムチは全然違う。自分の豚キムチ観を根底から覆すうまさ。これ、毎日でも食べたいんですけど。

きっちん大浪

この味噌汁がまた。白菜、豆腐、油揚げがたっぷり入った味噌汁が、お椀ギリギリいっぱいまで入ってる!こぼさずに飲むには最初にちょっと具を食べないといけないくらい。しかも熱々。
でもこんな具だくさん味噌汁をたっぷり飲める…というか食べられるの、嬉しい。たくさん食べてほしいという大将の心遣いを感じる。

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そして塩サバ。脂乗りの良いサバの焼きたて、うまい。こういう焼魚が食べたかった。

何というか豚キムチのインパクトに心を奪われてたけど、日常の夕餉としてなら惣菜盛り合わせにこの塩サバと味噌汁があって、あとはちょっと一杯飲めれば人は十分に幸せなんじゃないだろうか。

きっちん大浪

ああ、どれも残らずおいしかった。「丁寧な仕事」というのはきっとこういうことを言うんだろう。
吉祥寺にもこんなこぢんまりしたおいしい食堂があるんだなあ。

夜ちょっと遅くなった日に何か温かい料理を食べたい、というときにこれ以上嬉しい店はないんじゃないでしょうか。近所にあったらきっと通っちゃうだろうし、通える場所にある江口先生が羨ましい。ただ、基本的には常連さん主体で廻っているお店だと思うので、ドラマの放送を機に常連さんが入りにくくなるようなことがあったら悲しいなあ。私はまた行くとしてもちょっと間を空けることにしようと思います。

おいしくて落ち着けるひとときをありがとうございました。
ごちそうさまでした。

『孤独のグルメ』聖地巡礼 全店レポート Season1~10&原作
ドラマ&漫画『孤独のグルメ』の聖地を実際に巡礼してきた本人によるまとめです。(※2017 年大晦日スペシャルの広島編、2019 年大晦日スペシャルの釜山編、2023 年大晦日スペシャルの台湾編、および原作の病院、パリのみ未巡礼)。ドラマ『孤...

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