今週末ホンダウエルカムプラザ青山にて開催された Honda Racing 2024 SEASON FINALE に行ってきました。
ホンダ系のレーシングドライバー/ライダーが一堂に会するイベントで、例年であればもてぎで開催されていたサンクスデーの代替イベントだと思われます。土曜が二輪メイン、日曜が四輪メインの日で私は日曜のトークショーの多くに応募していたのですが残念なことに全落(泣)。でもとりあえず展示だけでも見ようと青山まで足を運びました。
※写真は全て α7C+FE28-60 にて撮影。
ウエルカムプラザのエントランス前にはレッドブル RB20・RB VCARB01(いずれもショーカー)とティレル 020 が展示されていました。レッドブルと VCARB のショーカーはもう何度となく見ているのでこのエントリー的には割愛。個人的にはティレル 020 の実車展示の方が胸熱でした。
ティレル 020・ホンダ。1991 年に中嶋悟とステファノ・モデナが搭乗したクルマです。展示されていたのはもちろんカーナンバー 3 の中嶋車。中嶋悟が F1 で最後に乗ったクルマでもあります。鈴鹿ラストランがクラッシュに終わったときは泣いたなあ。
当時の日本はバブル経済の真っ最中だったこともあり、日本企業のスポンサーが多かったのも印象的でした。ホンダにはじまりエプソン、PIAA、日本信販、カルビー…角田裕毅にもこれくらい日本の大手企業スポンサーがついてくれればと思ってしまいます。
白赤のマクラーレンとはまた違う、黒白のシャープなリバリーが好きだったなあ。
ティレル 020(正確には前年型の 019 から)の最大の特徴はこのフロントウイング。「逆ガル型」とも呼ばれるアンヘドラルウイングで、当時としては斬新でした。これをベネトンがシンプルな吊り下げ式として取り入れ、そこから全チームに波及して F1 のスタンダードになるわけです。2022 年からの現行レギュレーションで禁止されるまで 30 年にわたって標準仕様でありつづけたわけですからすごいことです。
この斬新なフロントウイングと前年のマクラーレンに搭載されていたのと同型のホンダ V10 エンジンを擁しながらもシャシーの非力さでポテンシャルを活かすことができず、成績的にはあまりパッとしなかったのは残念でした。
個人的には中嶋悟の愛機だったこともあり滅茶苦茶好きなクルマでした。タミヤ製のプラモも全塗装で組み立てた記憶があります。現代の F1 マシンよりも低重心で太いタイヤを細いサスペンションで支え、路面にへばりつくように走る姿がカッコいいんだよなあ。
当時のマクラーレンのクルマはこの手のイベントでよく展示されるけど、ティレルは滅多に出てこないから貴重なものを見せていただきました。
今年はアイルトン・セナ没後 30 年ということでセナ関連の展示も充実していました。車両展示としてはマクラーレン MP4/6、これも幾度となく展示されているクルマだから詳細は割愛。リアルタイムで観ていた時代という点で私は MP4/5B~4/7 あたりがなんだかんだ言って好きですね。
車両と比べて展示される機会が少ないセナのレーシングスーツも置かれていました。
スポンサーロゴがプリントで済まされてしまう現代のスーツに見慣れると、当時の全部刺繍で表現されているスーツは特別感がありますね。むしろ工芸品的な美しさすら感じます。
そしてセナのヘルメットも展示。汚れ具合からいって実際にレースで使用されたものでしょう。
バイザーの HONDA ロゴが現代のとは違って太く存在感あるのがいいんですよね。
カナリアイエローを主体としたブラジル国旗カラーのヘルメット。
現代の複雑なペイントのヘルメットの感覚からすると当時のヘルメットデザインはシンプルすぎて物足りないと感じることが多いのですが、セナのこのデザインだけは今見ても古びない。思い入れ補正がかかりすぎている自覚はあります(笑
ウエルカムプラザの 2F には 2023 年のコンストラクターズチャンピオントロフィーが展示されていました。昨年のものとはいえレッドブルから借りてこれたというのはすごい。
側面に歴代のチャンピオンチームのエンブレムが貼り付けられているのが圧巻です。近代以降だとレッドブル、メルセデス、フェラーリ、マクラーレン、ウィリアムズのエンブレムが多数見られますが、下の方にロータス、BRM、クーパー(!)といった F1 黎明期のコンストラクターが並んでいるところにも歴史を感じます。
その隣には今年のドライバーズチャンピオンであるマックス・フェルスタッペンのヘルメットも展示。
これは通常カラーだから今年の鈴鹿でも着用していたものですね。マックスはこれ以外にもオレンジ、濃紺、ゴールドなどのヘルメットを被ることも多いですが、通常モデルのトリコロール(オランダ国旗カラー)はスポーティーな雰囲気が出るのが良いですよね。
今年のグッドウッド・フェスティバルで角田がホンダ RA272 をデモランしたときに着用したヘルメット・グローブ・スーツも展示されていました。
特にスポンサーロゴも入っていないシンプルなギア、ヘルメットに至っては 1960 年代風のジェット型ではあるのですが、RA272 を走らせた後にこの格好のまま急遽レッドブル RB18 を走らせたこと(つまり現行レギュレーション下のレッドブル車での初走行)で特別な意味をもつギアになりました。
二つ隣の POLA ビルでも物販コーナーと角田裕毅関連の展示が行われていました。角田が今シーズン着用したレーシングスーツとヘルメット三種。スーツと日本グランプリ仕様のヘルメットは渋谷パルコで展示されていたものと同じですが、角田のスーツは目の当たりにするとまるでキッズサイズかと思うくらいに小さい(笑)。
こちらは国内初展示(?)となったイタリア GP 仕様のヘルメット。日本 GP 同様に VERDY 氏デザインのヘルメットで、イラストがアップデートされているのに加えてイタリア国旗風の配色になっているのがポイントです。
もう来シーズンは VERDY コラボヘルメットを常用してほしいくらい私は気に入っているし、角田裕毅らしさが表現されているのが良いじゃないですか。
てっぺんに描かれてるイラストがまたカワイイ。
日本グランプリ仕様かこのイタリア仕様の 1/5 ヘルメット出してくれたら買います。1/2 の日本 GP ヘルメットは発売されてるけど高いしちょっと大きすぎるので…。
打って変わってこの押しの強いデザインはシンガポール GP 仕様。華僑の文化が色濃いシンガポールの雰囲気がよく出ています。
何がすごいってシンガポールを代表するホテルのマリーナベイ・サンズが角田のパーソナルスポンサーについていることなんですよね。日本企業だって角田を応援してくれる会社は少ないというのに、もうシンガポールに行ったらマリーナベイに泊まりたいくらいです(高くて無理)。
というわけで、トークイベントに参加できなかったからざっと展示を見てきただけですが、堪能しました。
ホンダ本社ビルは建て替えに向けて来春には取り壊しが始まるということなので、もしかするとレース関連のイベントはこれが最後=これで今のウエルカムプラザ青山も見納めということになりますかね。
長い間ありがとうございました。建て替え期間中はどこでイベントするのか分かりませんが、また可能な限り参加しようと思います。
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