フランス決勝:ハミルトン圧勝! ガスリーは1周目の接触でリタイア
2008 年以来、10 年ぶりの開催となったフランス GP。しかし 1991~2008 年はマニクールサーキットで開催されていたので、ここポールリカールでの開催は 1990 年以来なんと 28 年ぶり。最後のウィナーがアラン・プロスト(フェラーリ)なわけで懐かしさしかありません。しかも 1990 年当時とは異なるレイアウトとなり、全く新しいサーキットに来た感覚。
カナダではフェラーリが完勝しましたが、今回はメルセデスが満を持して新型 PU を持ち込み、ハミルトンがまさに「復活」。スタート直後の接触でボッタスとヴェッテルが後退し、ハミルトン的には楽なレースにはなりましたが、それでもメルセデスとフェラーリ/レッドブルとのタイム差を見る限りはヴェッテルが沈んでいなくてもハミルトン完勝のレースだったことでしょう。ハミルトンはほぼずっと後続とのギャップをキープするだけで、あとはボッタスとヴェッテルがどの位置まで戻ってくるか、ライコネンとレッドブルの 2 台がどう競うかのレースだったと言えます。いったんは最後尾まで落ちたヴェッテルが 5 位、ボッタスが 7 位でフィニッシュするあたりが三強とその他で力の差が歴然としている現在の F1 を象徴しています。
個人的に注目していたのはザウバーのルクレール。今季デビューの新人ながらアゼルバイジャンで 6 位、スペインで 10 位と序盤戦から印象的な走りを続けていましたが、今回は初の予選 Q3 進出で 8 番グリッド獲得、決勝でも安定したペースを見せて 10 位フィニッシュ。チームメイトのマーカス・エリクソンを完全に上回る成績を残しており、フェラーリ育成ドライバーとして来季のフェラーリ昇格はほぼ確実、早ければシーズン中の移籍もあるのでは?と言われ始めています。しかしフェラーリの契約が今年で切れるライコネンも今季は悪くなく、ルクレールに刺激されたのか(?)ここフランスでも終盤にリカルドを攻略して 3 位表彰台。チームの格差的にこの二人の直接対決はあり得ませんが、来季のシートを賭けた静かな戦いからしばらく目が離せそうもありません。
前戦カナダで新 PU のパフォーマンスの片鱗を見せ、またレッドブルとの来季契約も決まったことで期待が高まるホンダ。カナダではガスリーの PU にトラブルが発生しましたが、フランスではハートレーの PU に問題が発生してユニット交換、最後尾スタートとなります。パフォーマンスを追求すると信頼性に影響が出るのはレーシングマシンの常ですが、ホンダの新スペック PU はしばらく信頼性の確立に時間を要しそうな気配。
決勝ではガスリーが 14 番手から上位を狙っていきますが、スタート直後にオコンと接触してレース終了。リプレイを見る限りオコンは後方が見えていなかったしガスリーも突っ込みすぎに見えましたが、あまりにももったいない。しかも二人ともホームレースだったわけで、残念としか言いようがありません。
残ったハートレーはタイムを見ていても全くペースが上がらず、二台揃って Q1 落ちだったマクラーレンにさえついていけない始末。タイヤはウルトラソフトを長く履かせすぎだし、セットアップもちゃんと決まっていないように見えましたが、必要なところであまりにもプッシュできなさすぎる…。今回はガスリーの脱落で新 PU のデータ採りを一台でする必要があったという側面もあるのかもしれませんが。
まあ、気を取り直していきましょう。この後はスパ→シルバーストンと続く今季唯一の三連戦。ホンダの新 PU の真価が試される高速サーキットが続きます。信頼性の不安はあるものの、一日も早いダブル入賞の達成に期待しています。
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