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F1 サンパウロ GP 2021

F1サンパウロGP 決勝:ハミルトンが王者の貫禄を見せつける101勝目! フェルスタッペン後塵拝す。角田裕毅は15位

命名権の関係で今年から「サンパウロ GP」と改称されたブラジル GP。下馬評ではレッドブル有利と言われていたこのグランプリで勝利を収め、チャンピオンシップに王手をかけたかったフェルスタッペンでしたが、結果は「完敗」。予選ではリヤウィングの規定違反でリザルトを抹消され、スプリント予選の結果に対しても PU 交換ペナルティを受けて予選+スプリントの合計で 24 グリッドダウンだったはずのハミルトンに逆転負けを喫してしまいました。

■マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

とにかくスプリント予選のあるグランプリとの相性が良くないフェルスタッペン。スプリント予選を 2 位で終えて 2pt を獲得し、決勝も 2 番手スタートからあっさりボッタスを交わしてレース終盤まで首位を堅持しましたが、フレッシュエンジンで追い上げてくるハミルトンの前に為す術なし。勝つための戦略を練りに練り、それを見事に遂行したメルセデス&ハミルトンに「完敗」したのはスペイン GP以来ではないでしょうか。スタートからずっとデッドヒートだったならまだしも 10 位スタートのハミルトンに完敗したことは精神的ダメージが非常に大きく、レッドブルは残り 3 レースもう勝てないのでは…と悲観的にすらなってきます。まあメルセデスもレースを重ねるごとに PU の出力が落ちていくはずだし、同様にハミルトンが PU 交換から追い上げたトルコ GP では表彰台圏内まで上がってくることはなかったし、このままずっと劣勢ということはないとは思いますが。ただ、残り 3 レースはいずれもストレートが長いメルセデス向きのサーキットなんですよね…。

また少し気になったのがフェルスタッペンのハミルトンへのブロックがなりふり構わない格好になってきたこと。一度軽く接触して二台ともコースオフしたのは仕方ないと思いますが、その後ストレートを蛇行してディフェンスしたのはさすがにいただけません。チャンピオンシップが佳境に入り、フェルスタッペンのデビュー当時の悪い癖が再び顔を出し始めているのかもしれません。ここは改めて冷静にならないと…まあ対するハミルトンも常に冷静ではなくなっていて、ここに来てチャンピオン候補者二人の本性が剥き出しになるのが面白いのも確かなのですが。必要以上に熱くなった方が負けると思っているので、フェルスタッペンには落ち着いてほしいところです。

■セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)

レース序盤はレッドブル 1-2 体勢を築いていてとてもいい形だと思っていたのですが…中盤の VSC 導入のタイミングがボッタスに味方し、結局ボッタスの後ろにあたる 4 位。ファイナルラップで FL を記録してハミルトンから 1pt をもぎ取る仕事はしたものの、スプリント予選(対サインツ)でも決勝(対ボッタス)でもオーバーテイクする機会はありませんでした。オーバーテイク力のなさが昔からのペレスの課題なんだよなあ…セカンドドライバーの働きが両チャンピオンシップの行方を握っていると言って良い現状では、コース上での勝負強さが重要になってきます。

■ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)

予選 5 位、スプリント予選ではコースコンディションとタイヤが合わずにポジションを落としたものの、決勝では見事に 7 位入賞。多少苦しいレースだったからこそガスリーのいつもの安定性が光るグランプリでした。目下のライバルたるアルピーヌがダブル入賞を果たしたもののガスリー一人でその二人分のポイントを獲得して、コンストラクターズは再びアルピーヌと同点。スプリント予選でもう少しまともに走れていれば逆転できていたことを考えると残念ですが、それにしても相変わらずガスリーは素晴らしい。

■角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

メキシコ GP に続いてクラッシュ、リタイヤでノーポイントのレースになりました。ストロールと接触した瞬間にはチームラジオで「ストロールがミラーを全然見てなかった!」と言っていましたが、ストロールは以前からずっとそういうドライバー(笑)。残念ながらストロール相手に強引な仕掛けを行った角田のミスと言わざるを得ません。メキシコでのクラッシュも含め「こういう状況やポジションで起こり得るリスク」を注意深く察知してアクシデントを回避するスキルが必要だと思います。アロンソほどの危機回避能力を身につけるには相当の経験が必要ですが、それでも去年の F2 シーズン終盤の角田はレース全体を俯瞰して危ない奴は注意深く攻略することをできていたので、F1 でもそれができない理由はありません。その能力を再び発揮できれば、安定してポイント獲得できるドライバーになれるはず。

というわけで、ホンダサポーターとしてはかなり落胆したレースでした。これは本当に最終戦までチャンピオンは決まらなさそうですね…。マシンや PU だけでなくドライバー、チーム、週末全体を通したストラテジー、セカンドドライバー、全てをひっくるめた総力戦の様相を改めて呈してきました。またサーキットとの相性や他のクルマとの位置関係、SC 導入タイミングなどの運にも左右され、予想するのが本当に難しい。勢いがあるとかないとかいう話でもなく、個々の判断や事象を積み上げた結果としてチャンピオンが決まる。そういう結末になりそうな気がしています。
とりあえずもう今週末は次のカタール GP。アメリカ大陸の三連戦に比べればまだマトモな時間帯のレースになるので、体力的には少しラクになります(汗。あとはもう、祈りながらレースを見守るのみ。

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