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ウエスト・サイド・ストーリー @チネチッタ

本日封切りの映画をさっそく観に行ってきました。

ウエスト・サイド・ストーリー

ミュージカルの古典中の古典、『ウエスト・サイド・ストーリー』の映画版です。1961 年にも一度映画化されているのが今回 60 年ぶりに再映画化。しかも監督はスピルバーグで、既に完成された脚本と音楽に対して実績のあるスタッフとお金を使って作った映画ならば間違いはないわけです。これは映画化の報を聞いたときから楽しみにしていました。

こういうミュージカル映画ならば音が良いチネチッタで…と思ったのですが、意外なことに LIVE ZOUND での上映ではありませんでした。でもここは普通の 7.1ch サラウンドでもそこらの映画館よりは音が良いからまあいいか。

本作は『ロミオとジュリエット』を 1950 年代のニューヨークを舞台に書き換えたものなので、ストーリー的には言わずもがな。楽曲もあらゆるところで引用されてきた馴染みのあるものばかり。個人的にはこの古典の音楽・歌・ダンスを現代映画のフォーマットでどのように表現するかに興味がありました。
ミュージカルシーンは映画というよりもかなり舞台寄りの作りになっていて、みんなガッツリ踊ります。それも群で踊るシーンが多いから本当に見応えがある。これは映画館の大画面と音響で観る価値ありますね。それでいて光の使い方は映画的。シーンによって舞台を観ているようだったり映画を観ているようだったり、舞台と映画のいいとこ取りでミュージカル映画好きとしては幸せ。

『ウエスト・サイド・ストーリー』といえば主題歌的位置づけの楽曲 “Tonight”。ヒロインのマリアを演じるレイチェル・ゼグラーのコロコロと煌びやかに響く歌声が素晴らしい。でも私自身は集団で歌い踊る “Jet Song” や “America” がミュージカルらしさや群像劇っぽさが出ていて好きです。しかしそれ以上にクライマックス前でかかる “Tonight (Quintet)” がとにかく良い。こういう群像劇ミュージカルで立場や思惑が異なる登場人物たちがそれぞれの思いを別々の旋律で歌っているのに、途中からそれらが絡み合って一つのコーラスとなってクライマックスに向かっていく構成の曲、大好きなんですよね。これはサントラを買わざるを得ない。

ロミジュリがベースだから最終的には悲劇なんですが、とにかくはじめから最後まで全部良かった。60 年前の映画も今観ても色褪せない良さがあるのですが、本作は映像・音・演出がアップデートされてさらにパワーが増した感じ。不朽の名作を未来に残すに値するリメイクで、個人的にはこれまでのスピルバーグ映画で一番良かった、まであるかもしれません。2.5 時間超えの長い映画だけど、時間を見つけてあと 1~2 回は映画館に観に行ってもいいと思えます。

いやー素晴らしかった。ミュージカル好きならば間違いなくお勧めです。

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