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日常が非日常に写るオールドレンズマジック

またしても新しいオールドレンズ本を電子で購入。

澤村徹 / Cameraholics Beginners 日常が非日常に写るオールドレンズマジック

例によって澤村徹さんの新刊です。最近玄光社からホビージャパンに主戦場を移した(?)澤村さんですが、ほんの二ヶ月前に『オールドレンズ解体新書』を出版したばかり。ちょっと上梓ペース速すぎやしないですかね(汗

今回も「カメラホリック」シリーズの一種ですが、やや玄人向けだった前作とは対照的に今回は間口を広げた「ビギナーズ」という位置づけ。でも紹介されているレンズが揃いも揃ってクセ玉というのはどういうことですか(笑。

レンズ構成から入っていた前作『解体新書』とは打って変わって、本作はレンズの描写傾向を切り口としています。同様のカテゴライズをしたオールドレンズ本はこれまでもありましたが、選ばれるレンズや作例が過去にないくらいクセが強い(笑。ビギナーにとってはこれくらい分かりやすいほうがとっかかりが良いでしょうが、このレンズチョイスはむしろマニアが唸るのではないでしょうか。

まずはフレアやゴースト、という一般的な切り口から入っていきます。

フレアやゴーストというと現代のレンズではとかく悪者とされがちで、象徴的なところではシグマのレンズ開発部門には通称「ゴーストバスターズ」と呼ばれるゴースト対策の専門チームがいたりします。しかし映画などでは陽射しの強さを表現するのにわざとゴーストを写し込む映像演出が一般的だし、アニメでもあえてゴーストを描き込むことさえある。それくらい、フレアやゴーストって映像に印象を付与する役割を担っています。自分でもわざとゴーストが出るように撮ったりするし。
ゴーストが出やすいレンズや特徴的なゴーストを持つレンズを使って意図してゴーストを撮ることができれば写真や動画はもっと面白くなります。ただ同じような傾向のゴーストばかり多用するのも面白くないので、様々なゴーストの出るレンズを複数揃えて…という沼。

第 3 章「暴れるボケ」から。この正方形のボケちょっとすごくないですか。写真なのにレトロゲームのドット絵的というか、まるで自分が Mincraft 世界の住人になった錯覚というか。
ロシアの MC Zenicat-ME1 50/1.7(M42 マウント)なのですが、こういう角張ったボケが撮れてしまうのがさすがロシアレンズ。他にもボケが六芒星になるレンズもありますよね。

このレンズ、ちょっとどう使うのかイメージができないんですが(笑)、でもこのインパクトの強さで本書イチ欲しくなりました。

こちらはオールドニッコール。ピント面は滲んでいるのに玉ボケの輪郭がクッキリ、という本末転倒さが素晴らしい(笑。これほどイルミネーション向きのレンズもないのではないでしょうか。

本書、レンズの選択もいいけど使われる作例がどれも強い。

GR Lens 21mm。この強烈な周辺光量落ちがカッコイイ。
私は CONTAX G 用の Biogon 21mm を使っていますが、これもまた周辺光量落ちが印象的なレンズ。レンジファインダー用の広角レンズにはヴィネットの強いレンズが多いように思います。

Biogon の描写も気に入っているけど、この GR Lens 21mm もいつか手に入れたいレンズの一つなんですよね。現代まで連綿と続くリコー GR の源流だし。同じ 21mm で描写の違いを Biogon と比べてみたいところです。

クセ玉といっても描写だけにとどまらず、外観的なクセ玉も紹介されています。この水陸両用レンズはマウントアダプターまで含めて寸胴型の鏡筒に、両脇のツマミがイイ。どことなーくガンダムに登場した水陸両用モビルスーツ的な局地戦の美学を感じます(何。
これ、描写はともかくとして一度使ってみたいなあ。

一昔前までなら、オールドレンズというのは主に「往年のあの銘レンズをデジタルで使いたい」という欲求から始まっていたと思います。私も最初は憧れのツァイスレンズをデジタル(当時は EOS くらいしかなかった)で使いたかったから Y/C マウントや M42 マウントに手を出したのが始まり。その後、出たばかりの E マウントのレンズラインアップの弱さを補う目的で CONTAX G レンズに手を出してから本格的に沼に足を突っ込みました。だから、私の場合はどちらかというとオールドレンズでも端正な描写をするほうに興味が強かったと言えます。
しかし今やオールドレンズは「クセの強さを楽しむもの」に変わってきました。ほとんどのケースでスマホ写真のクオリティーに不満がなくなり、むしろ描写のレトロさで「写ルンです」が人気という昨今の流行からしても、まるでタイムスリップしたかのように写るオールドレンズには現代のカメラとは違った魅力があるのでしょう。
私もこういう趣味を持った以上はそっちの世界に足を踏み入れないのはもったいないのかもしれません。そろそろ少し冒険してみようかな…。

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