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トライアングルストラテジー 全ルートクリア

3 月から継続的にプレイしていた『トライアングルストラテジー』の全ルートをクリアしました。

トライアングルストラテジー

エンディングは全部で 4 パターンあって、全てのルートを網羅するには 4 周プレイする必要があるのですが、私は途中でルート選択ミスや回収漏れがあったので全部で 6 周しました(´д`)。シナリオパートは基本的にスキップできる仕様だから既読シナリオは飛ばせばいいんですが、とにかくシナリオが長いからスキップしていくのも大変。周回プレイが前提のゲームなんだからアドベンチャーゲームのように「次の選択肢 or バトルまで全部スキップ」という機能が必要だったんじゃないでしょうか。

また、為政者としてジレンマに囚われながらも難しい選択を迫られ続けるシナリオがなかなか秀逸…と一周目プレイ時には感じていたのですが、実際は結末に影響する選択肢はごく終盤だけで途中の選択肢は何を選んでもあまり影響がないことに二周目以降で気がつき、少し萎えてしまいました。グリンブルク王国の首都奪還戦で街に極力被害が出ないような作戦を採ったとしても、被害が最大になる作戦を選んだときと(少なくともグラフィックと脚本上は)被害量が変わらなく見えるのにはガッカリしましたね…。
あとは敵味方ともにユニットのレベル上限が 50 で、万遍なく育成していた私は二周目の序盤で上がりきってしまい、戦闘に対するインセンティブが失われてしまったのも残念でした。

そんなわけで二周目以降はちょっとしんどくて、一度通ったシナリオやバトルは半ば作業と化していました。未読のシナリオは一周目の内容に対する「if」の展開だから面白かったんですけどね。スクエニ浅野チームのタイトルって周回プレイや同じダンジョンの複数回攻略が強いられるわりにそこが苦痛、というのが多いように思います…。

なんやかんやあって 3 通りのエンディングを見て 4 周目以降のプレイで必要なルートを経由すると、17 章の最後の選択の場面で「別の道が必ずある!」という新たな選択肢が現れます。それまでは「信念の天秤」という名の多数決システムに頼り、自分自身の意志をハッキリと示さなかった(その割にメンバーの懐柔はしてた)主人公がここに来て覚醒。真エンディングへのルートが開放されます。

最初の 3 つのエンディングは表面的には問題が解決されたものの別の火種を孕んだある種のバッドエンドでしたが、真エンドはこのノゼリアが抱えた複数の問題を一度に解決するルート。現実の世界だと状況はもっと複雑でそんな簡単にはいかないと思うけど、ゲームの世界くらいはそういう希望の持てる未来があったっていい。現実世界だとどうしてもベネディクトのような究極のリアリスト的選択が正しいのでしょうが…。

真ルートに突入したところで最後の味方ユニットが加入。エスフロスト公国のアヴローラ将軍が母国を離反して志願してきます。敵としてはここまでで最強、何度も苦戦させられたユニットだけに、パーティに加わると本当に頼もしい。物理攻撃特化で敵を撃破してもピンチになってもステータスアップする特性の持ち主。単純攻撃だけでも強くてある意味 FFT におけるオルランドゥ枠(本作だとマクスウェルもオルランドゥ枠っぽいけど)。

基本性能だけでも十分強力なアヴローラですが、さらに奥義「ブラッディクロス」が強い。十字方向の範囲攻撃かつノックバックつき、他ユニットの奥義のようにチャージターン不要で即発動、しかも TP4 で使える。もったいぶらずにどんどん使っていける奥義で、演出の派手さも含め爽快感のある技です。これは最後の最後まで味方にならないわけだわ…。

と思ったのも束の間、終盤のシナリオは三面同時作戦。総勢 30 名のユニットを三つのグループに分割し、それぞれで作戦行動に当たります。ここまで来たからには通常ほとんどのユニットが最大レベルに達しているはずですが、それでもユニットによって使いやすい/使いにくいはあるはずなので、このパーティ分けはかなり悩ましい。物理攻撃・魔法攻撃・回復・支援のバランスも取りたいけどこのユニットはこちらのチームに入れたらバトル中に個別会話が発生しそうだ…とか考え始めると決まりません(汗

この三面同時作戦が本ゲーム中で最も難易度が高かったのではないでしょうか。ある程度慣れてくると扱いやすいユニットばかり使ってユニットの性能でゴリ押ししがちだったので、戦力が分散された状態でそれまで以上に難易度の高い戦闘をこなさなくてはならないのはキツかったです。それでも戦闘不能≠ユニットロストというゲームシステムのおかげでそこまでシビアではありませんでした。もしノーデス縛りだったとしたら相当厳しかったでしょう。

というわけでラストバトル。ここでは全ユニットが集結して最強チームを選んで出撃できるからだいぶ楽です。最後は半ばイベントバトルだったと言って良いですかね…。

「王とは、民の願いを注ぐ器」…フル・フロンタルかな?(違

このロランというキャラクター、一周目の中盤くらいまでは主人公の親友枠として私も大事に思っていましたが、周回プレイを繰り返すほどに目の前の責任から逃れるために安易な選択をしようとするダメ男ぶりが目立って、自分の中での評価がどんどん落ちていきましたね…やはり私はベネディクト派なんだと思います。

真エンドに到達。それまでの全ての問題は解決して新しい世界が開かれた!という感じでしたが、まあどんな世界になったとしても新しい形で持てる者と持たざる者が分かれるのが人間社会だし、それをシビアに描いてきたのが『トライアングルストラテジー』という物語だったと思うので、なんだかんだでセレノアたちも以後新たな社会問題に直面していくと想像せざるを得ませんが…まあ一応の大団円。個人的には一周目のベネディクトルートで完結、あとは蛇足という印象は受けました。周回プレイは見方を変えれば「自分が望む未来に辿り着くまで世界をやり直すループもの」みたいで面白かったですけどね。

真エンディングを見終わるとタイトル画面に戻るわけですが、このタイトル画面が真クリア前とは映像・音楽ともに一変。音楽はテーマ曲をそのまま歌付きにした『Song of TRIANGLE STRATEGY』が流れます。三人の女性歌手が歌うオペラアリアにアレンジされていて、これが素晴らしい!ある意味この新オープニングが真の真エンディングと言えるのかもしれません。
それにしても本作は音楽が素晴らしかった。日本の現代音楽の大家・千住明氏が手がける楽曲はどれも壮大で、この音楽によって作品のスケールがさらに大きくなっているような感覚をもちました。『オクトパストラベラー』の西木康智氏の楽曲もコンサートを聴きに行くくらい良かったですが、それとは少し方向性の違う良さがあります。これもまたサントラ買う価値があるなあ。

良いところも今ひとつなところもある作品でしたが、それでも久しぶりに高低差の概念がある SRPG をプレイできて楽しかったです。そういえばタクティクスオウガが HD-2D でリメイクされるかもという噂も出てきているみたいですし、そっちの動きにも注目です。

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