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中村佳穂 / NIA

先週から『竜とそばかすの姫』が Prime Video と Hulu の定額ラインアップに追加されたようですね。私も劇場公開以来久しぶりに観てみました。
映画館でも感じたとおり、脚本には特に見どころはないけど映像と音楽は素晴らしい。むしろ音楽が映像に勝っているんじゃないかと思うほどです。楽曲自体も良いのですが、ベル=すずを演じる中村佳穂の歌唱が素晴らしい。歌が映像に力を与えていると感じます。

中村佳穂の本人名義での歌は以前ラジオ(松重豊の「深夜の音楽食堂」)で聴いたことがあったのですが、改めて調べたところ今年の 3 月にニューアルバムがリリースされていたのですね。というわけで、改めて新作(と前作にあたる『AINOU』)を聴き込んでみました。

中村佳穂 / NIA

『竜そば』とは違って自身による作詞作曲だから雰囲気は随分違うのですが…何なんでしょうねこの感覚?サウンドはブラックミュージックというかファンク/ソウル寄りなのがよく分かるけど、全体像としてはなんか捉えどころがないというか。特定のジャンルに固執しない感じというか。でもアルバム全体を通して統一された色彩があり、まさに「中村佳穂というジャンル」として成り立っているとさえ思えます。でも基本的な音作りとかループの使い方とかが R&B 系だから、私の琴線にすごく触れる。そして何より圧倒的な歌唱力。声の力で押してくるというのとも違うし、歌唱テクニックで聴かせるというのとも違う、もっと根源的な何かを感じます。曲の感情がそのまま歌声として表現されている、とでもいうのか。

本作で最もキャッチーなのが #2『さよならクレール』ですが、星野源の『不思議』を彷彿とさせるイントロからしっとりした楽曲が始まるのかな?と思ったら、意外なほどの疾走感。勢いのあるドラム&ベースと一人多重録音による不思議な歌声で妙に中毒性がある。

これは #3『アイミル』と #10『Hank』のメドレー MV ですが、この映像が中村佳穂のすごさを端的に表していると思います。まるで話しかけるかのように歌っているのに、ちょっとした笑い声や歓声さえもメロディに聞こえる。歌のうまいアーティストは他にもたくさんいるけど、こういう方向性で歌唱力に圧倒される経験は今までしたことがありません。聴いてるだけで打ちのめされる感覚とでもいうんですかね。

こちらは本作ではなく『竜そば』の楽曲の弾き語り MV ですが、サントラで聴き慣れた楽曲だからこそ生歌でこれなのか!という驚きがあります。なんかもう歌唱力というよりも生まれ持った何かが違う、としか言いようがない。こういう映像を見ると音源で聴くのも良いけどコンサートではもっとすごいんだろうと思います。

たぶんすごいんだろうとは思っていたのですが、ちゃんと聴いてみると想像していたよりも数倍すごかったです。これはちょっと急所を撃ち抜かれました…。
でもまだ自分の中で明確に言語化できていないので、もうちょっと聴き込んで自分なりに消化してみようと思います。当面のヘビロテは確定ですね。

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