というわけで出張で北米に行ってきました。まだまだ海外に出るのは不安のほうが強かったのですが業務上やむを得ず。実際、入国後はマスクをしている人はほとんど見かけず COVID-19 に対する日本との意識の明らかな差を見せつけられましたね(どっちが良い悪いという話ではなく)。
とはいえこういう状況につき日本と米国それぞれの出入国には従来とは異なる手続きが必要なわけです。日本側の水際対策は来週 9/7(水)から緩和されるということで、出張があと一週間ずれていればもっと楽だったのに!と思いつつ、ある意味良い経験になったので記録という意味でエントリーに残しておきます。
まずは日本からの出国。今回は JAL を利用して成田からダラス・フォートワース国際空港(DFW)へのフライトでした。
JAL の場合は「VeriFLY」というスマホアプリに各種書類をあらかじめ登録しておくことで手続きを簡略化できます。
デジタル証明書アプリ「VeriFLY」 – 日本航空 (JAL)
このアプリ、oneworld アライアンス系航空会社が共通で提供しているようですね。ANA など別系統の航空会社の場合はまた事情が違うものと思われます。
初めて使うアプリなので若干手探りながらも、アプリ自体が比較的シンプルなのであまり迷うことはありません。
「予約番号からフライトを登録する」から JAL の予約番号を登録していきます。
表示される手順に従ってフライト情報や顔写真(スマホ自撮りで OK)、宣誓書(ワクチン接種済みであること or 接種できない正当な理由があることの宣誓)を登録していきます。日本語で表示されるフォームに入力していくだけなので難しくありません。英語の宣誓書をプリントアウトして手書きするつもりでいたので若干拍子抜け。
そしてワクチン接種証明書を登録。VeriFLY アプリのワークフロー上から証明書の画像をアップロードします。
接種証明書アプリを利用している場合は、最新の海外用証明書画面の一番下に「この証明書を画像として保存」するのが正式だと思いますが、アプリ画面のスクリーンショットでも行けました。たぶん QR コードが読み込める状態であれば OK なのだと思います。
思っていたよりもサクッと登録完了してしまいました。
VeriFLY アプリに登録した情報はパスポート番号に紐付けて出入国管理側で確認できるのか、日本からの出国時にチェックインカンターで一度 VeriFLY アプリを提示した程度で米国への入国時にパスポート以外の提示を求められることはありませんでした。
ちなみに久しぶりに成田空港を利用したら顔認証システムの導入が進んでいて、以前よりも手続きに人が介在することが減っていることに気づきました。
でも少しキョロキョロしているだけで近くにいるスタッフが声をかけに来てくれるから困ることはありません。全体として、COVID-19 以前よりも出国手続がスムーズになった感覚。これも一種の DX ですかね。
アメリカへの入国時にもパスポート以外の書類提示を求められることは一切なく、入国審査だけのワンストップで入国完了。審査待ちの行列でちょっと待った程度であっさり入国できてしまったのには少し驚きました。
一方、帰路。アメリカから日本への帰国時には、VeriFLY ではなく厚労省が提供する「MySOS」アプリに各種情報を登録します。
入国手続用の本アプリに加えて、帰国後のトラッキング用に接触確認アプリ(COCOA)のインストールと有効化が必要になります。
アプリを起動したら、左下の「検疫手続事前登録」アイコンをタップします。
アプリの体裁を取っていますが事前登録は基本的にアプリから表示させる Web フォームから行います。
やることは質問票(渡航先等の登録)と誓約書、ワクチン接種証明書、渡航先の出国 72 時間以内の検査証明書登録なので VeriFLY での登録内容と大差ありません。検査証明書だけが追加になっている格好ですね。
ワクチン接種証明書は VeriFLY 同様に証明書アプリのスクリーンショットを登録すれば OK でした。
ちなみに質問票と誓約書、ワクチン接種証明書までは日本を出国する前に登録しておくことができます。
この三つを登録し、事務局側での接種証明書の確認が完了すると、真っ赤だったアプリの背景が
黄色に変化します。ここまでは出国前にあらかじめ済ませておいた方が安心でしょう。
で、最後のチェックポイントが出国 72 時間前の検査証明書。
現地の医療機関で検査を受けると厚労省の指定外の方式で検査されたり証明書への記載内容が間違っていたりして後々トラブルになる場合があるという話を聞いていたので、私は DFW 空港近くに日本人が経営するクリニックを探してそこで検査してもらいました。事前にメールで予約し、当日はクリニックの駐車場にてドライブスルー方式で検査。鼻腔ぬぐい液による NEAR 法で検査し、証明書の発行まで 30 分ほどで完了しました。
検査結果は無事陰性でひと安心。
しかしこの検査料が $200、高い…。
で、受け取った証明書(紙)をスマホで撮影して MySOS のフォームから送信します。
送信完了すると事前登録が審査中ステータスになりました。
この裏側には人が動いているんだろうし、数時間かかるんだろうと思って気長に待っていたら、
なんと 30 分足らずで審査完了!
スマホ画面に真っ赤な通知ウィンドウが表示されてかなり驚いたんですけど(;´Д`)。もっと穏当な表示で良いのでは…。
しかしこれ日本時間の朝 8 時台でこの速さということは、厚労省側では 24 時間即応できる体制を作っているということですよね。それにはさすがに頭が下がります。
全ての登録が完了すると MySOS アプリの背景がブルーに切り替わります。
あとは出国時に空港のチェックインカウンターで検査証明書(紙)と MySOS アプリの提示を求められただけで、こちらもすんなり出国手続完了。日本への入国時は飛行機を降りた後に係員さんが多数いて国籍や MySOS アプリの状態に応じた待機列を案内してくれました。ブルーの場合はファストトラックでの入国となり、審査時に MySOS のアプリ画面を見せた以外は通常の入国審査と変わらずにチェック完了。日本でも米国でも空港側の設備が以前よりデジタル化されていて、COVID 関連の確認が増えているわりに三年前の海外出張よりスムーズだったようにさえ感じました。
なお帰国後も MySOS アプリからの健康状態報告(アプリからのプッシュ通知が来る)が数日間必要になるようで、現在ちまちま対応中です。
日本の水際対策についてはいろいろな意見があるようですが、実際に体験してみて想像以上にスムーズだったことに驚きました。例外的ケースに該当するとトラブルもありそうですが、それでもシステム的・人的に最大限の対応をされている方々には頭の下がる思いです。
9/7(水)の 0:00 以降の入国では検査証明が不要になり、ワクチン接種証明だけあれば良いということになるため上記内容の一部は間もなく必要なくなりますが、それ以外の手続きはまだ当面継続されます。また今回は行き先が北米でしたが、国によってはまだまだ面倒な手続きが必要なようですね。一日も早く自由に渡航できる状態が戻ってくることを願っています。
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