ドラマの方は既に Season10 の放送が始まっていますが、昨年の『孤独のグルメ Season9』のサントラがようやく発売になりました。
スクリーントーンズ / 『孤独のグルメ Season9』O.S.T.
今までこんなに待たされたことはなかったのでもう出てこないんじゃないかと思ったほど。
ジャケットには昨年の大晦日スペシャルのワンシーンを模したイラストがあしらわれています。まるで漫画『孤独のグルメ』で描かれたことがありそうな絵だと思ったら、これを描いたのは谷口ジロー先生のアシスタントとして背景や料理などを描いてきた広木素数一氏によるものとのこと。フランス語で添えられたタイトルといい、過去のサントラにないほどの上質感が伝わってきます。ぶっちゃけスクリーントーンズっぽくない(笑
ピクチャーレーベルにもミニのイラストがプリントされているのがイイ。無国籍なスクリーントーンズの音楽じゃなくて、フレンチボサでも流れてきそうな雰囲気。
このサントラに収録されているのはドラマ『孤独のグルメ Season9』本編と、その前後の時期に放送された 2020・2021 大晦日スペシャル向けに作られた楽曲群です。特に昨年の大晦日 SP は「MINI のテーマ」をはじめロードムービー形式のドラマに合わせた新曲が多数作られていただけに、それらの多くが収録されているのは嬉しい。私のあのロードムービーを半分トレースするような形で聖地巡礼してきたので、楽曲を聴くだけであの景色が脳裏に甦ります。
ライナーノーツもいつになく力が入っています。COVID-19 の感染拡大を受けてレギュラードラマの放送がなかった 2020 年、そしてマスクをした井之頭五郎が登場した 2020 年の大晦日 SP から 2021 年のドラマがどういう体制と想いをもって作られていたかが記されています。『孤独のグルメ』は今やテレビ東京系列で何度となく再放送されるクラシックドラマになりましたが、数年後に改めて観たときにこの 2020~2022 年期の作品が時代の象徴として見えてくるに違いない。
ライナーノーツといえば、「ロケ時に雨が降ってたから雨宿りの曲を作ったよ」という話もあって驚きました。
そういえば Season9 から始まった「五郎の追加注文シーン」は撮影現場で松重さんが注文内容を選び、それに従う形でその場で脚本が書かれるという撮影スタイルが話題になっていましたが、まさか劇伴でもそういう現場の状況に合わせた作り方がされているとは。劇伴って普通はあらかじめ台本に合わせた楽曲が発注されて作られるものだと思うのですが、このドラマでは逆パターンもあるんですね。雨宿りの楽曲以外にも、昨年の大晦日 SP の朝霧高原の焼き芋シーンで富士山が曇りで見えなかったから『曇天富士』という曲が作られたり、その柔軟さがすごい。まさに「スクリーン(映像)にトーン(音楽)をつけるバンド」ですね。
今回も地底レコードの公式通販で購入したところ、いつものオマケ CD-R がついてきました。Blu-ray ダビングは今でもやるけど CD-R なんて最後に自分で焼いたのもう十年以上前ですよ(笑。
こちらは本編ディスクに収まりきらなかった楽曲が 9 曲収録。個人的にはこの CD-R があって初めて孤独のサントラが完成すると思っています。
オマケ CD-R の #5『庄助ギョウザ(適当)』って宇都宮回のギョウザのテーマですね。適当っていうからどんなふざけたのかと思ったら意外なほどカッコイイ。ちょっと砕けたジプシーキングスみたいな感じ。でもドラマでどんな風に使われてたっけ?と見返してみたら使われてませんでした(笑
私のほうは既にドラマ Season10 のリアルタイム巡礼を始めていますが、このサントラが聖地巡礼のよき供になってくれそうです。アーーーーー!ウォウウォウアーーーー!
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