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HG ガンダムシュバルゼッテ

「その高潔さが、傲慢さが!兄さんの罪だ!!」

HG 1/100 MDX-0003 ガンダムシュバルゼッテ

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』は先日完結しましたが、関連するガンプラのリリースはまだしばらく続いていくわけです。その中で今回はジェターク社製のガンダム「シュバルゼッテ」のキットを組み立てました。

これ、ガンダムなのにランナーが 3 枚(+クリアパーツの小型ランナー 1 枚)というめちゃくちゃシンプルなキットですね。主役機のエアリアル(&改)だけは特別扱いで色数も多いけど、それ以外のキットは最初からプラモ化を見据えて形状や色数の調整がなされているのでしょう。ダリルバルデもあんなにギミック満載なのに組み立てやすかったからなあ。

シュバルゼッテは Season2 の放送前からガンプラの登場が予告され、劇中でも何度かチラ見せされたのに出撃はごく終盤、それもストーリーの本筋にほとんど絡まない形での登場という不遇なモビルスーツでした。パイロットもグエルなのかラウダなのかスレッタなのかギリギリまで判らず、キャリバーン登場までの目眩ましに使われていたような印象もあります。そんなかわいそうなガンダムだけどアニメーションで動く姿がそれはもうカッコ良かった。当初から買うつもりでいたけどアニメを見て絶対買おうと思ったのでした。

あらゆるパーツの意匠がジェターク社製 MS、特にダリルバルデに似ているから開発元がどこだか判りやすい。水星の魔女に登場するモビルスーツは多くがそうですよね。でも、劇中でまだシェルユニットが装着されていないシュバルゼッテを見てこれを GUND-ARM だと言ったミオリネ、何を見てガンダムだと思ったのか(笑。

シェルユニットの発光はピンクと紫のツートン、という GUND-ARM としては珍しいパターン。取説にあった説明によると「ジェターク社がダリルバルデ後継として開発していた MS に GUND フォーマットを導入した」という設定になっています。ということはこの機体に搭載されているのは他の GUND フォーマットとは違い、意志拡張 AI と GUND フォーマットの併用型なのではないでしょうか。そうであれば、劇中でパーメットスコア 3(以上)に達したグエルがガンダムでの初の実戦にも関わらずさほど高負荷に見えなかったのにも納得です。

前腕に仕込まれたリボルバー型の飛び道具。劇中では散弾を発射していましたが、意外なところにトリックデバイスを仕込む開発思想は確かにダリルバルデの系譜。正統派な近接戦闘型だったデルスターやディランザからどうしてここまで方向転換した、という感じではありますが(笑

シュバルゼッテを特徴付けているのがこの多目的攻防プラットフォーム「ガーディアン」。エアリアルのエスカッシャンに相当する装備で、一見して大剣に見えつつもこれが分解してガンビット(ビットステイヴ)となり防御や遠隔操作武器としても扱える代物です。

エアリアルのガンビットが盾だったのに対してシュバルゼッテが剣というのが象徴的で、もしかして当初のプロットではシュバルゼッテはもっと別の形で登場する予定だったのではないかと勘繰りたくなります。おそらくジェターク社がこの MS を作るきっかけになったのは Season1 第 3 話のヴィム・ジェタークとプロスペラとの取引の結果で、ここまで引っ張った挙げ句ラウダが兄弟喧嘩のために持ち出すだけというのはちょっと不自然。本来は終盤にエアリアルと戦わせるつもりでデザイン発注したけど途中で脚本が変更され、でも玩具としては秀逸だから MS の企画だけ生き残った…というのが実態だったりするのではないでしょうか。真相は制作陣のみぞ知るところですが、周到にデザインされた割に使われ方が不自然だったなあ、と。アクションシーンは超カッコ良かったけど。

さておき、このガーディアンは様々な形で展開することができます。エアリアルと違って胸部のシェルユニットがインモールドパーツになっていない代わりに、このガーディアンの裏面にあるシェルユニット的なものが硬質のクリアシールで、展開するとものすごく映える。MS 本体は比較的地味だけど(プラモ発表当時の画像が彩色前の試作品だと勘違いしたほど)、ガーディアンを広げると全く別の MS かのように印象が変わる。

モビルスーツへの合体のさせ方次第で攻撃用、防御用、推進用、遠隔用と性格をガラッと変えるのがガーディアン。個人的にはこういう都合の良すぎる設定はあまり好きではないのですが(笑)プラモ的にはプレイバリューが高くて面白い。

ν ガンダムを意識したかのようにガーディアンを左右非対称に展開したモード。終盤の OP 映像にも使われたスタイルですが、マントあるいは片翼の天使にも見えて、中二心をくすぐります(笑。ぶっちゃけこのモードがカッコ良かったからシュバルゼッテを買おうと決心したと言っても過言ではない。

水星の魔女って大筋では伏線を綺麗に回収したように見えて、実際ディテールを見ていくと投げっぱなしになっている伏線とか意味がありそうなのに何の説明もない設定とかが散見されるのですが、シュバルゼッテはその最たるモノではないでしょうか。まあ妄想で補完する余地を残しておいてくれるのはある意味ではありがたいのですが。

ダリルバルデ→シュバルゼッテと作ってきたらこの勢いで一般用ディランザ(特にフェルシー機)も組みたくなってきちゃったなあ。アニメは完結してしまいましたが、私の水星関連ガンプラ製作はもう少しだけ続きます。

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