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F1 アメリカ GP 2023

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今シーズンの F1 も終盤戦に突入し、日本からのリアルタイム観戦が厳しい時間帯のアメリカ大陸シリーズが始まりました。
テキサス州オースティンで開催されたアメリカ GP は、結果だけ見ればスプリント/決勝ともにフェルスタッペン優勝という「いつも通り」のレースですが、内容的には接戦で今季一番面白いレースだったように思います。

■レッドブル

スプリントレースはフェルスタッペンがポールトゥウィン。スタートからしばらくはハミルトンがマックスの DRS 圏内に食らいつき、これまでのレースよりはレッドブルとの差が縮まってきたかと思わせました。でも最終的には 19 周のレースで 9 秒以上の差、平均してラップあたり 0.5 秒の差があったと考えるとまだまだ大きい。
決勝は予選 Q3 でトラックリミット違反によるタイム抹消を受けたマックスが 6 番手スタート、今のフェルスタッペンにはそれでも温いくらいのハンデかと思いましたが、マックスの RB19 がブレーキトラブルを抱えていたことで僅差のレースになりました。最終的にはタイヤ戦略の異なるマックスとハミルトンによるタイムレースの様相を呈し、まるで 2021 年のチャンピオン争い当時のようなヒリつく展開は久しぶりに興奮しましたね。しかし当初は 1 ストップ戦略を取ろうとしていたメルセデスが途中から 2 ストップに切り換えたことで最適なタイヤ配分にできなかったこともあり、マックスが何とか逃げ切り。今のフェルスタッペンにとっては完璧ではないマシンを与えておくくらいでちょうどいいのかもしれません…。

ペレスはあまり国際映像に抜かれることもなくスプリント 5 位、決勝 4 位。直近のライバルであるハミルトンが後述の決勝失格で大量ポイントを逃したことにより、今回でペレスとのポイント差は 30pt→39pt に広がりました。ペレス的にはドライバーズランク 2 位死守が少しだけ楽になったと言えます。とはいえ今の調子でハミルトンが残りの 4 レースで表彰台に上り続け、ペレスがずっと 6 位以下…みたいな展開は割とあり得るだけにまだ気は抜けません。個人的には、シーズン後半の内容だけを見たらハミルトンのほうが 2 位に相応しい仕事をしていると思ってしまいますが…。

■メルセデス

決勝でのハミルトン(とルクレール)はレース後にスキッドブロック違反で失格に。しかし実質的にはスプリント/決勝ともにハミルトンが 2 位を走っていました。ここ数戦はマクラーレンのほうが目立っていましたがメルセデスもずっと近い位置につけていて、脱ゼロポッド後のセッティング最適解を見つけたように見えます。今季はともかく来季は少なくとも現時点以上のスタートラインから始められるわけで、来年はレッドブル・メルセデス・マクラーレンによる三つ巴の戦いを期待して良さそう。ただ、ハミルトンの奮戦とは対照的に今季はラッセルがあまり目立つ成績を残せていないのが少し気になります。

■マクラーレン

前戦カタールのスプリント優勝でさらに期待の高まったピアストリ。今回はスプリントでは入賞圏外、決勝はスタート直後のオコンとの接触が原因でリタイヤと、カタールとは対照的にノーポイントの週末となりました。見ているこちらもルーキーであることを忘れそうになるのですが(笑)まだデビュー 1 年目の新人なわけで、浮き沈みがあるのはまあしょうがないですね…。
代わりに一貫性を見せているのがノリス。スプリント 4 位/決勝 2 位(ハミルトンの失格による繰り上げ)で、シンガポールから 4 戦連続の表彰台。新人のピアストリに初優勝を(スプリントとはいえ)先行されたことはさぞかし悔しかったでしょうが、それでもレースディスタンスとなると経験の差が出てきますね。

■アルファタウリ

角田裕毅、予選は 14/1,000 秒差で Q3 進出を逃し 11 番手。いつものことながら壁が厚い…と思うと同時に、10 番手のペレスと 0.014 秒差なんだったらこれもう角田をレッドブルに乗せた方が速いよね!?と思ってしまいます。ただし今回アップデートを施した AT04 には速さがあるように見え、決勝への期待がかかります。
土曜のスプリントシュートアウトは SQ1 の最終アタックに出すタイミングをチームが見誤り、時間切れで 19 番手。またしてもチームに足を引っ張られましたが、スプリントで入賞(8 位以上)に入る望みはもともと薄かったからタイヤをセーブできたのは逆に良かった。そしてスプリントレースの角田は 19 位スタートからオーバーテイクを繰り返して 14 位フィニッシュ、すごいじゃないですか。

そして決勝。

角田裕毅

レース序盤にオコンとピアストリが相次いで退場したことにより角田は安定して 9 番手を走行。前を行くガスリーに追いつくのは難しいけど後続に脅かされることもなく、順当に行けば入賞は確実。
…と思っていたところ、マシンアップデートの不発で旧仕様に戻しピットレーンからスタートしていたアストンマーティンの二台が終盤に猛追してきます。ドラッグが大きくストレートが遅い AT04 では為す術なく、角田はアロンソとストロールに相次いで交わされ 11 位に。レッドブル/メルセデス/マクラーレン/フェラーリ/アルピーヌ/アストンの 6 チームはアルファタウリよりも明確に速いから上位が二台潰れたくらいでは入賞が難しいのは事実で、またしても角田は 11 位なのか…と諦めかけた瞬間アロンソ車にトラブル発生、ズルズルとポジションを落としていきます。もはやレースは最終盤、後続とのギャップは大きいからこのままクルマをチェッカーまで運べば久しぶりの 10 位入賞。と思ったら、なんか角田がピットインしてるじゃないですか!
もしかしてここにきてマシントラブル発生か、と一瞬心底落胆したけどどうやらタイヤ交換らしい。後続とのギャップが 20 秒以上あることを利用して新品ソフトに履き替え、ファステストラップ 1pt をもぎ取りに行くらしい!?でもこういうときにピットミスをやらかすのがアルファタウリだし、よしんばタイヤ交換に成功したとて最終ラップのアタック中にトラックリミットでタイム抹消だってあり得る、なんたって今回のスチュワードは相性最悪なワーウィックだし…というジェットコースター感情を味わいながら見守りました。結果どこにもミスはなく、最終ラップでファステスト!それも中嶋悟、小林可夢偉に続く日本人 F1 ドライバー史上三人目の記録。

ここまでほとんど入賞できなかった角田&アルファタウリにとって 10 位 1pt+ファステストラップ 1pt は本当に大きい、と喜んでいたら、レース後にハミルトンとルクレールの失格で繰り上がり 8 位に。ポイントにして合計 5pt 獲得ですよ。アルファタウリのコンスト最下位は変わらないもののアルファロメオに 2pt 差まで迫り、角田個人としては周冠宇を抜いて 16 位に。
今季の角田はずっと悔しいレースが続いていましたが、腐らずにいい走りを続けていればいつか報われる日が来る、と信じて応援し続けてきて良かった。ここ最近のレース後に虚無の表情を見せることが多かった角田が、久しぶりにこんなに良い顔を見せてくれました。

オランダ GP での事故以来のレース復帰となったリカルドはチームの戦略ミス(というか、1 ストップ戦略がうまくいかないと判っても切り換えられないのがアルファタウリの致命的弱点だと思う)で後方に沈んでしまいました。が、終盤に 1 ストップを諦めてソフトタイヤを履いてみたらその時点でのファステストを記録したことが、ファイナルラップでの角田のチャレンジに繋がったと言えます。これ(リカルドのソフトタイヤ)が狙ってやったものか偶然かは分かりませんが、とにかくそれも含めて全てが噛み合ったのが今回の角田でした。
個人的にもレース後に晴れやかな気分になれたのは久しぶり。ベルギー以来だからかれこれ三ヶ月ぶりですよ。

この後はこのまま連戦でメキシコ→ブラジルへと渡ります。いずれも今回のオースティンとは全然キャラクターの違うコースだけど、メキシコはともかく最高速の低いブラジルは AT04 との相性は悪くないはず。入賞が簡単ではないことには変わりありませんが、少しずつでもポイントを積み重ねていけることを期待しています。今の角田にならドライバーズランクでボッタスを上回る(14 位)資格は十分にあると思うのです。

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