現在劇場公開中の映画を、先日の出張時に JAL の機内エンタテインメントシステムにて鑑賞。
私は気になる映画は上映開始直後に映画館に行ってまうため飛行機に乗っても観たい映画ないなあ…となる方なのですが、これはあらかじめ JAL のラインアップにあるのを確認して劇場に行くのをガマンしていました(笑。
ベン・アフレック主演ということで気になっていた作品です。が、あまり話題になっていない…。
娘を誘拐で失った刑事ダニー・ローク(ベン・アフレック)はそのことによる心神喪失が原因で妻と別離し、カウンセリングを受けていた。ある日銀行強盗の現場を監視していた際、その関係者と娘の誘拐犯との関係に気づく。強盗犯が狙っていた貸金庫から見つけた娘の写真と「デルレインを探せ」という謎のメッセージ。そこから始まる不可解な体験と、謎の幻術士の組織――ダニーは果たして愛する娘に再会することができるのか?というストーリー。
邦題の『ドミノ』は劇中に登場する単語からとったものですが、原題は『Hypnotic(幻術;催眠)』。邦題はちょっと抽象的すぎる気もします。
幻術士によってあらゆる登場人物が操られ、味方と思っていた人物がいつ敵になるか分からないハラハラ感がずっと続きます。そして中盤からは幻術の秘密が明かされ、その瞬間からまるで世界がひっくり返ったかのように物事が逆転して見える。そういう構造のトリックが面白い映画です。二重三重のどんでん返しが仕込まれていて引き込まれました。
映像はそれほど派手さはないけれど、認知の歪みを表現した映像演出がどこかクリストファー・ノーランの『インセプション』っぽい。ただしちょっと二番煎じ感が強いかなあ。
またシナリオも何度もひっくり返した割に最後のオチが組織の内部抗争みたいなスケールの小さな話に落ち着いてしまって、そういう意味でも尻すぼみ感はありました。終盤をもっと盛り上げていれば名作になっていたかもしれないのにもったいない。
しかし「組織」のトップであるデルレイン役のウィリアム・フィクナーが異様なまでの存在感を放っていて、主演のベン・アフレックを食ってしまっている印象さえありました。今後彼の出演作品は要チェックですね…。
ラストは続編が作れそうな引きを持った終幕でしたが、この感じだと本作以上に面白い映画にはならなさそうな気がします。途中までは面白かったけど最後は残念だったという点で、映画館ではなく機内エンタテインメントで観ることにしてちょうど良かったのかもしれません。
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