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駒田蒸留所へようこそ @TOHO シネマズ日比谷

こちらの映画を観てきました。

駒田蒸留所へようこそ

駒田蒸留所へようこそ

ウイスキー蒸溜所を舞台としたお仕事アニメです。あまり話題になっていないようですが、今年余市蒸溜所を見学してきたばかりの私としては気になったので映画館へ足を運んでみました。

出版社に転職したてでまだ仕事も覚束ない主人公・高橋光太郎がウイスキー蒸溜所の特集を担当することになり、長野にある蒸溜所の若き女社長・駒田琉生とともになんやかんやありながら幻のウイスキーの復活を目指す、というストーリー。テーマがお酒だけに内容も大人向けですが、それだけに心にじんわりくる作風になっています。

地方の小規模な蒸溜所である駒田蒸留所は、先代の時代に震災で設備と原酒のほとんどを失ってしまう。家出した兄に代わって家業を継いだ琉生は、クラフトウイスキーの販売で経営を支えながら幻のウイスキー「KOMA」の復活を目指している。雑誌の取材を通じて琉生と出会った光太郎は、当初は無知からトラブルを引き起こすものの琉生のひたむきさに共感し、編集者の立場を超えて駒田蒸留所を支え始める。ざっくり言うとそういうお話です。序盤は光太郎がいかに駆け出しの編集者で何も知らないからって仕事舐めすぎだろ!それと途中で気持ちを入れ替えたからって急に有能になりすぎだろ!!と突っ込みたくなりましたが、それ以降は登場人物の誰もが自分の仕事に愛と誇りを持ち、真摯に向き合う姿が印象的でした。
ちなみにたまたまその日の都合でちょうど良かった日比谷の TOHO で観たら光太郎が勤める出版社がもろに有楽町で、期せずして聖地のひとつで鑑賞したことに。

この駒田蒸留所のモデルになったのは、長野ではなく富山県砺波市にある「三郎丸蒸留所」とのこと。アニメーションを制作した P.A.WORKS とは富山繋がりということですね。

三郎丸蒸留所 | 富山で、守り続ける。 富山から、変えてゆく。
若鶴酒造「三郎丸蒸留所」は、守り続けてきた伝統に革新を重ねて、 富山の地ならではのウイスキーを日本全国へ、世界へ、発信していきます。

恥ずかしながらこの蒸溜所、私は今まで知りませんでした。が、富山の地酒である若鶴酒造が所有する蒸溜所なんですね。富山人なのに若鶴がウイスキー作ってることも初めて知った。
それにしてもなぜ舞台を長野にしたんでしょうね。まあ北陸だと日本酒のイメージが強すぎるし、山林主体の県の方がウイスキーっぽさはあるか。

なお本作に登場するウイスキー「KOMA」と「わかば」を再現したクラフトウイスキーを実際に作ってしまおうというクラウドファンディングが今まさに支援を募集しています。

劇場アニメ「駒田蒸留所へようこそ」 幻のウイスキー「KOMA」復活プロジェクト
劇場アニメ「駒田蒸留所へようこそ」にて“幻のウイスキー”として登場する、「KOMA」の再現に挑戦するプロジェクトです。※シナリオに触れる文章が含まれます。ご注意ください。

駒田蒸留所のモデルになった実在の蒸溜所で、創業者の子孫にあたるマスターブレンダーが劇中酒の再現をクラウドファンディング…って作中のストーリーとシンクロしていて胸熱。私もちょっと支援してみたくなったのですが、ピート香の強いウイスキー、ちょっと苦手なんだよなあ(笑。シングルモルトを飲み慣れてない私はブレンデッドで十分です…。

めちゃくちゃ盛り上がってカタルシスがある映画というわけではありませんが、仕事や家族、それとお酒について思いを馳せさせてくれる佳い作品でした。90 分という見やすい長さだったのも良かったです。キャスト陣も小野賢章、早見沙織、中村悠一ほか主役級が揃っていていい芝居を聞かせてもらいました。
映画を観て私も久しぶりにじっくりウイスキーを飲みたくなりました。余市でお土産に買ってきたボトルをまだ開けてないので、いい機会だから手をつけようかな。

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