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プロジェクターでローカルディミングが可能に?

先週の記事ですが、個人的にめちゃくちゃ面白かった話。

【西川善司の大画面☆マニア】激変プロジェクタに100型級テレビ、向こうが見えちゃう3Dモニタ。まだあるよ新技術-AV Watch

元ネタは先月の CES の話題ですが、こっち方面のニュースはノーマークだったから新鮮でした。

ビデオプロジェクターというと数年前に 4K が一般化してから目立った進化がなく(せいぜい Android TV 搭載が当たり前になったことくらいか)、停滞している印象がありました。4K といっても主流は DLP の時分割シフト機能を使った疑似 4K。私が使っている BenQ HT3550 もそうですが、疑似といっても表示はちゃんと 4K だから十分に解像感は得られています。

加えてここ 1~2 年で超短焦点プロジェクターがジワジワ増えてきて、プロジェクターにつきものの設置性の問題がクリアされ始めました。この辺はあまり追っかけていなかったのですがレンズの製造技術と映像のデジタル補整技術の賜物ですかね。この超短焦点の波が来たのは私がプロジェクターを買い換えたちょっと後のことだったので、早まったかな…と思ってはいたのでした。
この超短焦点プロジェクターの流行に合わせるようにスクリーンも進化してきたというのがまず面白い。スクリーンは以前から設置環境や環境光などによって拡散型(マット)/回帰型(ビーズ)/反射型(パール)などの種類がありました。それが今はスクリーンに対して入射角の浅い超短焦点プロジェクターに合わせてフレネル/レンチキュラー/プリズムなどの光学素子をスクリーンに組み込み、プロジェクターの光を効率良く視聴者に届けようというのはもはや発明の領域ですね。これなら超短焦点プロジェクターも画質的に十分使い物になる可能性が高い。2016 年に登場していた Life Space UX はやっぱり世に出るのが早すぎたか…。

DLP

もう一つ面白いのが中国ハイセンスが開発したというプロジェクター向けのローカルディミング(エリア駆動)技術。今でこそ液晶テレビの上位モデルではバックライトのローカルディミング機能は一般的になりましたが、光源が分割されていないプロジェクターでローカルディミングを実現する方法があったとは。当然光源を分割するという話ではなく、液晶や LCOS などの表示デバイス技術を応用して光を屈折させることで単一光源から面内の明暗差を作り出す技術、ということのようです。説明されればなんとなく理解できるような気もするけど、映像に合わせてリアルタイムに回折格子を生成するのはめちゃくちゃ演算能力を必要としそうだし、そもそも表示用に加えてローカルディミング用の表示デバイスが必要だからコスト高。当面はハイエンドモデル専用の機能になるでしょうが、これでどの程度コントラスト比が稼げるものか見てみたくはあります。

でもプロジェクターでいくらコントラストを上げられるといってもスクリーンの反射光を見るのと直視型ディスプレイの発光を見るのとでは感じられる明るさが全然違うからなあ。真の意味で HDR 映像を楽しむならプロジェクターよりもテレビが正解だと思っています。我が家の場合はスクリーンは 80inch が限度なので、もし次のテレビ買い換えで 65inch 級を導入することになったらプロジェクターの使用頻度は今以上に下がる予感。映画好きとしては自宅にプロジェクターを入れるのは夢でしたが、50~60inch クラスのテレビが(スペックを問わなければ)さほど苦労せずに買えるようになった今、もうプロジェクターっていう時代でもないんだろうなあ…という気がしています。

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