フェルスタッペン、セーフティカー&ペナルティ連続の大波乱レースも盤石V。ノリス黄旗無視で下位転落……角田裕毅13位|F1カタールGP決勝
今シーズン最後のスプリントレースが行われたカタール GP。昨年は耐久性の問題でタイヤの使用周回数上限が設けられ、本レースがずっとスプリントみたいな状況でしたが、今年はレース開催時刻が見直されて少し落ち着いたグランプリとなりました。
事前の予想ではマクラーレンが圧勝するだろうと思っており、実際にスプリントレースはその通りの結果でした。が、決勝は序盤こそ番狂わせのない退屈なレース…と思わせておいて中盤以降にアクシデントやペナルティーが連発する荒れたレースに。それを制したのは前週に四度目のチャンピオンを確定させたばかりのフェルスタッペンでした。
■レッドブル
フェルスタッペンのチャンピオンらしい盤石なレースを久しぶりに見ることができました。クルマの速さは圧倒的とは言わないまでもマクラーレンと拮抗するレベルにあり、予選を見事に決めて PP 獲得。その後謎の「1 グリッドダウンペナルティー」を受けて 2 番手スタートとなるものの、きっちりホールショットを決めてそのまま逃げ切り。これだけ余裕のある勝利は半年前の中国以来ではないでしょうか。たまたまコースコンディションとクルマの相性が良かったのか、それともチームがセットアップに関して何か見つけたのかは不明ですが、マックス自身がチャンピオンを確定させて何か憑き物が落ちたような走りにも見えました。
対照的だったのはペレスで、スプリント予選は SQ1 敗退、スプリントレースではピットスタートのはずがスタートシグナルを見落として出遅れ、決勝は 9 位スタートからレース終盤の SC 走行中に単独スピンを喫してリタイヤ。噂では既に今シーズン限りでの更迭が決まっていてモチベーションが落ちているという話もありますが、この散漫さではさもありなん、という感想しか出てきません。
■コンストラクターズチャンピオン争い(マクラーレン vs フェラーリ)
もしかするとスプリントとレースでマクラーレンが圧勝し、このグランプリでコンストラクターズチャンピオンを決めてしまうのではと思っていました。が、蓋を開けてみればスプリントこそ 1-2 フィニッシュだったものの、決勝ではノリスが終盤まで 2 位をキープしていたにも関わらず黄旗無視に対する 10 秒ストップ&ゴーペナルティーを科せられて 10 位に転落。フェラーリが 2-6 位(合計 26pt)だったのに対してマクラーレンは 3-10 位+ファステストラップポイント(合計 17pt)で逆に点差が縮まってしまいました。これでコンストラクターズポイントは 21pt 差、簡単には逆転できないけどマクラーレンの一台がリタイヤでもすればひっくり返ってしまう状況に。
ちなみにドライバーズランキングも 2 位ノリスと 3 位ルクレールが気づけば 8pt 差で逆転の可能性が十分にあります。コンストラクターズ/ドライバーズともに他の順位はほぼ勝負あった形になっていますが、最終戦まで見どころが二つ残っているのはありがたいところ。
■RB
昨年に続き今年もクルマとサーキットの相性が最悪で期待のできないレースではありました。でも決勝は角田が 14 位スタートから一気に 9 番手までジャンプアップ。このままできるだけポジションを守って 1 点でも持ち帰ってこれれば…と期待したのですが、クルマの性能差はいかんともしがたく次々と抜かれていくだけのレースでした。終盤にソフトタイヤを投入する奇策も不発で二台揃ってノーポイント。コンストラクターズでのライバルであるアルピーヌとハースが揃ってポイントを稼いだことで RB のコンスト 6 位獲得はもう絶望的になってしまいました。まあ今シーズンは序盤こそ良かったけど中盤以降はずっと 8~9 番手のクルマという感じだったので、むしろ角田はチームのポテンシャル以上の仕事をしてきたと思います。
最終戦は角田が得意とするアブダビ。ペレスが離脱した後のレッドブルのシートはほぼ角田とローソンに絞られたという報道もあるし、角田にはここでしっかり結果を残してトップチームの座を掴んでくれることを願っています。
コメント
アルボンが落としたミラーは、なぜすぐにSCを出して回収しなかったんでしょうね。
あれで余計な混乱が起きたと思います。