二子玉で回らない鮨を食べてきました。
高島屋の裏手にある老舗の寿司店です。すぐ近くには焼鳥の名店「酉たか」もありますね。
私がこの店の存在を知ったのは一年ほど前の「アド街ック天国」でした。鮨そのものやお店の雰囲気の良さもさることながら、店名に今年金婚式を迎えた私の両親の名前が一字ずつ入っていることに運命を感じ、一度行ってみたいと思っていたのでした。久しぶりに二子玉方面に用事ができたので意を決して訪店してみました。
夜だとかなりいい値段しそうだったから小手調べ的にランチに利用。休日の開店直後に行ったら特に並ばずに座れました。
カウンターでは大将が独りで鮨を握り、女将さんが甲斐甲斐しくそのサポートをするという体制。お客さんは常連中心、かつ大将はすごく話し好きな人のようでいろんな会話をしながらテキパキと鮨を仕上げていきます。
大将の語り口は江戸口調で、どこか落語を聞いているようなリズムの良さを感じる。カウンターの端っこで会話を耳にしているだけで心地良い。
お酒はもちろん日本酒中心の品揃え。それも田酒以外はどれも北陸というところにこだわりを感じる。仲でも一番人気は銀盤の純米大吟醸というから、富山人としては嬉しいわけです。私の実家も常備酒は銀盤の普通酒でした。
そういう日本酒メニューを見たら当然銀盤を頼むしかありません。昼酒の背徳感、ビール以上に日本酒が強い。
スッキリしつつも柔らかい飲み口で米のうまさを感じられるのが銀盤。よく知っている味だけど、最近はもう帰省したときくらいしか飲まないからとても懐かしい。
ガリと一緒に提供されたのはお新香とイカの煮物。これはランチの前菜的位置付けなのか、それともお酒のお通しという意味合いなのか。
このイカの煮物が超王道の味付けで、イカに煮汁がよ~~~く浸みててうまい。まるで実家で食べるような「ちょうどいい」煮物の味が、銀盤にもよく合います。
ランチタイムのメニューは握りかバラちらし、あるいは握りとバラちらしのハーフセットの三択。私はハーフセットを注文したところ、大将から「ボリュームありますよ!」との一言。望むところです。
そしたらバラちらしはハーフとは思えないしっかりした丼で出てきて驚きました。しかも見た目が華やか!これはおいしそう。
ネギトロを軸に赤身、甘エビなど様々な具材をふんだんに使ったバラちらし。甘めのタレが多めにかかっていて食欲をそそります。
しかも魚介がどれもうまい!これ、バラちらしランチだけでも十分満足できるんじゃないだろうか。
ここから握りの提供が始まります。まずは甘エビとスミイカ。
バラちらしにも入っていた具材ではあるけど、単体で握りとして食べるとそれぞれの味が立って感じられてなおおいしい。
ちなみにこの店のにぎりは醤油を適量塗った状態で提供されるので、わざわざつけて食べる必要がありません。
続いてヒラメ、マグロ、イワシ。身の味の濃さ的に手前から順に食べるのがセオリーでしょう。
ヒラメは普段はエンガワをよく食べるけど本身のほうはあまり食べないんですよね。でもあっさりした中にも旨味があって、この握りコースに丁度良い抑揚を生み出している。安定の赤身は醤油が塗られてくると少し「漬け」っぽい感覚。そしてイワシ、脂乗りが良く舌の上でとろける感覚がたまらない。
ちなみにこの後アナゴ、トロ、アジの三貫が出てきたのですがあまりにおいしくて写真撮る前に食べてしまいました…それくらいうまかった。
ここで味噌汁が提供されました。
具体的に何が入っているのかよく分からないけどいろんな魚介の旨味を感じる味噌汁。カニかエビのような風味も感じる。握りの流れにあって、鮨に負けない存在感のある味噌汁。めっちゃうまい。
ラストはコハダを単貫で。よく締まっていてこれもまた良い。
コハダを食べる習慣のない北陸で生まれ育ったから、こういう形で出てくると「江戸前ってそうだったな」と思います。
食後はみかんゼリー。
魚介と酢飯の感覚になっていた口の中が清涼感ある甘酸っぱさでスッキリリセットされます。
いやー、うまかったなあ…。
大将が「ボリュームありますよ!」と言っていたとおり、お腹いっぱいになりました。バラちらしの存在感も強かったけど握りも一貫一貫がそれぞれしっかりしてたなあ。
期待に違わぬ名店でした。お高くとまった二子玉川という街にあって、古き良き江戸の人情みたいなものを感じられるのがまた良いですね。
ここは一度夜にも食べに来てみたいなあ。決して安い店ではないからその予算と覚悟をもった上で。
ごちそうさまでした。














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