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キヤノン純正 EOS Webcam Utility 登場

私が EOS を Windows PC の Web カメラとして使えるようにするソフトウェアを紹介し、それとほぼ時を同じくしてサイカ先生がその Mac 版と言えるエントリーを公開したところで、なんとキヤノンから EOS を Web カメラ化する公式ユーティリティが公開されました。

Canon U.S.A., Inc. | EOS Webcam Utility

日本ではなく米国のキヤノンがリリースしたもので、現時点では日本語環境を正式にサポートするわけではありません。また対象 OS も今のところ Windows 10 のみ。おそらく現地法人にいるソフトウェアエンジニアが自分たちで使うためにとりあえず作ってみたものを、ニーズがありそうだから一般公開してみたという感じなんですかね。国内だと品証部の承認などのプロセスを経る必要があって時間がかかりがちなことが想像されるので、アメリカから出てきたのは納得感のある話ではあります。

そもそもがまだベータ版という位置づけのため正式なサポートが受けられるものではなく、さらに日本国内で使うとなれば二重の意味で保証外になるわけですが、サードパーティアプリを使って Web カメラ化しようとしていた私としては試してみざるを得ません。早速インストールしてみました。

EOS Webcam Utility Beta

インストール後、Windows のプログラムリストの中に表示されなかったのでもしかしてインストールに失敗したのか?と疑ったのですが、Zoom を起動してみたらカメラの選択肢に「EOS Webcam Utility Beta」が追加されていました。どうやら現時点では単体アプリとしての実体はなく、USB 接続した EOS をビデオチャットアプリ上から利用できるようにするだけのシンプルなユーティリティという形になっているようです。
先日試した SparkoCam はユーティリティ上で EOS 側の設定を細かくいじることができましたが、EOS Webcam Utility Beta では EOS の設定を一切変更することができません。さらには EOS 本体側も PC と接続してしまうと何か操作しようとしても「Busy」と表示されていじることができないため、ホワイトバランスや ISO 感度、絞り値、フォーカスなどの設定を予め決めた上で PC に繋ぐ必要があります。このあたりは「取り急ぎ基本機能だけ実装してみたベータ版」という印象ですが、このスピード感ならば今後のアップデートで設定変更のための UI が追加されたりするのではないでしょうか。とりあえず作ってみたアプリにしては多少はデザインしたかのようなロゴが用意されているあたり、それなりのやる気で開発しているアプリのように見えます。

ちなみに Canon U.S.A. のダウンロードサイトには対象機種として比較的新しめの EOS しか掲載されていませんが、対象外になっている EOS 5D Mark III を繋いでみたところ問題なく使うことができました。基本的に EOS のテザー撮影機能を応用しているだけのソフトウェアなので、テザー撮影が使える機種であればほぼ動作するものと思われます。

特にウォーターマークが入ることもなく無償で使えるため、今後 Windows 環境で EOS を Web カメラ化したい人は SparkoCam よりもまずこれを試してみるべきでしょう。ただ(SparkoCam にも言えることですが)EOS から取り込めるのは映像のみで音声は拾えないため、ビデオチャットに使うのであれば別途マイクが必要になります。ノート PC であればマイク内蔵であることも多いでしょうが、映像のクオリティが高いのに音声は PC のファン音やキータイプ音を拾いがちな内蔵マイクというのもなんなので、それなりの性能の外部マイクが欲しいところです。

コメント

  1. piyo より:

    当方、EOS7Dにて 「 SparkoCam 」、「EOS Webcam Utility Beta」(非対応機種ですが・・・)
    問題なく使用することができました。貴重な情報を有難うございました。

    • B より:

      コメントありがとうございます!
      たぶんちょっと古めの機種でも使えるだろうと思っていましたが、良かったです。

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