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SIGMA SD1 正式発表

昨日の Twitter の私のタイムラインはこの話題一色でした。

シグマ、「SD1」を正式発表。実売70万円 – デジカメWatch

おー、やっと正式発表か→価格が目に入って思わず二度見→いやいや値段 typo してるでしょインプレスさん(笑)→複数のニュースサイトでこの価格表記になっていて衝撃、という流れでショックを受けました。

SD1 は昨年末のものフェローズイベントで山木社長から直接説明を受け、CP+ でも試作機に触れてモノの良さは認識していました。個人的にはこれ以上マウントを増やすのは厳しい、けど価格次第では手を出してみたいカメラではあるなあ・・・とは思っていたのですが、その夢は見事に打ち砕かれたことに。事前のインタビュー等で(私が参加したモノフェローズイベントでも話が出ていましたが)「他社の中級機と比較して非常識ではない価格で」と言及されていたので、多くの人はせいぜい 20~30 万円クラスを想定していたのではないでしょうか。

だから高すぎる!駄目だ!という話ではなくて、当時の話しぶりから考えても、シグマとしてもそのくらいの価格帯で出したかったし出せる見込みだったけど、最終的にそこまでいけなかった、という話なのだと思います。価格というのは基本的に原価と需給バランスの関係で決まってくるものなので、これをもってシグマをボッタクリだ!という批判は的を射ていません。が、「中級機として非常識ではない価格」という発言に、SD1 を期待して待ち続けていたカメラファンにとっては、いささか以上に悔しい発表だったのは間違いないでしょう。
価格の原因は東日本大震災の影響(シグマは福島県の会津若松工場で全製品の生産を行っている)がないわけではないとは思いますが、その大半はおそらく Foveon X3 センサでしょう。SD1 用の新センサの製造がうまくいっておらず、歩留まりを反映したセンサコストが尋常でなく高いのだと思われます(SD1 はおそらくメカや光学的には他社の中級機とさほど大きなコストの違いはないと思われるので、違うとすればイメージセンサと画像処理エンジン周りくらい)。あとは、センサの玉数に応じて本体の生産台数が少なくなると、製品 1 台あたりにかかってくる研究開発費や金型コストが増大するのも、本体の価格上昇の要因であるとは思いますが、いずれにしてもセンサコストがほとんどでしょう。あの画質を得るセンサの製造はそれだけ難しいのだということだとは思いますが、それにしても残念。
いや、言葉ではうまく表現できないのですが、ベイヤー型センサとは明らかに違う種類の写真を記録してくれる素子なので、払える人にはそれだけの価値があるものだとは思いますが、シグマとて SD1 を「プロや金持ちなど、お金を出せる人向けのカメラ」として開発したはずではないはずです。

いちユーザーとしてはあとはもうシグマにできるだけセンサの歩留まりを向上させ、開発コストを回収した上で手の届く範囲まで価格を下げてくれることを祈るしかありません。なんか噂レベルではソニー富士フイルムなどが Foveon ライクな三層構造のセンサを開発しているという話も出ていたりするので、Foveon が優位性を保っていられる時間は思ったほど長くないかもしれませんし。シグマは個人的には元気でいてほしいカメラ/レンズメーカーのひとつなので、がんばってほしいところではあります。

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