「そのシンプルなぶっきらぼうさが、メキシコって感じもする」
JAL や ANA の機内エンタテインメントシステムでは決まって『孤独のグルメ』と『深夜食堂』が各一話配信されています。私も海外出張時には毎度入眠用 BGV 代わりに繰り返し再生するのですが、眠くなるどころか腹が減って「早く機内食来ないかなぁ 飛行機といったら機内食だろうが」という気分になりがち(ぉ
先日の北米出張時に JAL 機内で観られたのは Season7 第 3 話のメキシコ料理回で、到着前から俺の腹は完全にメキシコ腹。そして偶然にも現地での食事はメキシコやラテン系料理の割合が高かったのですが、そのどれもが量マシマシ味濃いめ辛め野菜少なめ油多め…という感じで残念な気持ちに。
でも『孤独のグルメ』のメキシコ料理はもっと繊細な味付けだったはず。このメキシコ料理にうんざりした気分のまま年を越したくない、年内に改めてあの味を食べて締めたい、と思って数年ぶりに広尾方面へ。
久しぶりのこちらのお店。今回はランチタイムに来てみましたが、休日ともなるとランチでも席の多くは埋まっているんですね。
店内装飾、赤白緑でクリスマスっぽい。でもこれがクリスマスだからなのか、単にメキシコカラーだからなのかはちょっと判りません(笑
ランチメニューはエンチラーダかブリトー、あるいはメキシカンステーキからの選択制。
これに加えて休日ランチだけ(と思われる)はグランドメニューからも注文できるようです。
せっかくだからいろいろ食べたい、ここは何を頼むべきか。
ランチメニューを注文したところ、まずはセットに含まれるスープから出てきました。
詳細は分からないけどこのポタージュスープ、口あたりがフワトロでとてもおいしい。スープというよりエスプーマ的な。おかわりが欲しくなるほどでした。
こちらは単品注文したタマリンドジュース。
これ井之頭五郎もどこかで飲んでたよな…と調べてみたら、この店ではなく Season4 の蒲田ベトナム料理回でした。メキシコとベトナム、確かに緯度的には近いけど太平洋のあっちとこっちで同じものを原料としたジュースがあるとは。
タマリンド、フルーツかと思ったら豆の一種とのこと。そのジュースは酸っぱくてほんのり甘い、あまり飲んだことのない味。でも酸味先行型だから意外と料理ともイケる。
セット品の前に別途注文したチョリソのケソ フンディードがご登場。
大量のとろけたチーズの上に溶け出しているチョリソのうまみ。前回来たときにすっかり気に入ってしまって、また食べたいと思っていたんだ。
は~、幸せ。ソンブレロかぶって叫びたいほどうまし。
ランチメニューの「エンチラーダとタコ」。
名前だけだとどんなものか想像がつかないけれど、そういうものにこそ挑戦してみたい。
出てきたのはいろんなメキシコ料理がちょっとずつ載ったカラフルなワンプレートでした。
これがエンチラーダ。具材をトルティーヤで巻いてトマトソース等をかけて焼いたもの、らしい。
ほぼトマトソースに埋もれて見えませんが、この中にチキンを巻いたトルティーヤが隠れています。タマネギとカッテージチーズの白がいいアクセント。
アメリカンな TEX-MEX とは一線を画す、あっさりめで素材のおいしさが活きた味。そうそうそう、こういうものがずっと食べたかった。
付け合わせ的な感じでライス、トマトとタマネギのマリネ的なもの、それにトルティーヤチップスが添えられた豆のペースト。これ、中南米の豆ペースト系料理ってことはペルーのフレホーレスとルーツを同じくするものだと思われる。でも全然辛くなくて、どちらかというと甘くないあんこ、という感じ。それにカッテージチーズと、チップスがナイスだ。
タコ、ってこれか。タコスだけど単数しかないから「タコ」。八本足のアイツじゃなかった。
このタコの具は日替わりのようですが、この日はミニサイズのサイコロステーキが挟まれてました。ちっちゃいけど肉肉しくてうまい。このワイルドな感じ、好き。
こちらは別のランチセット、チキンブリート。
ブリート(ブリトー)っていうとコンビニで買える軽食のイメージが強いけど、ここのはコンビニの三倍くらいのサイズ!でも本来はこれくらいのボリューム感があるものなんでしょうね。
カットしてみると中からはチキンをはじめとした具材がゴロゴロと。
これ、味付けもちょうどいいし、何より食べ応えがすごい!でもどんどん続きを食べたくなるうまさ。
今、俺の中のブリート観が根底からひっくり返った。
付け合わせはエンチラーダと同じような感じだけど、このトマトのマリネやクリームチーズ、アボカドディップを使ってブリートをちょっとずつ味変しながら楽しめってことだな。
濃い味一辺倒じゃなく、こうやって目先を変えながら味わえるメキシコ料理、楽しい。
食後のデザートはメキシコ風プリン(別料金)とランチセットに含まれるアイスコーヒーで。
このプリン、どの辺りがメキシコ風なのかは分からないけれど、ちょっと固めで濃厚な味わいがとても良い。オレンジやミント、生クリームが添えられているのも良き。
ああ、おいしかったおいしかった。
そうそう、私が食べたかったメキシコ料理は力押しの一手よりも、こういう繊細な味のグラデーションを感じられる料理たちですよ。
この店のおかげで「メキシコ料理はおいしいもの」という記憶とともに年を越せるというものです。
ランチセットも気軽にいろんな味が楽しめて良かったけど、改めてソペスとかケサディーヤとか、よく知らない名前の料理を注文して楽しみたい気もする。改めてそのうち、複数人で食べに来たいところです。
ごちそうさまでした。
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