小説「ススキノ探偵シリーズ」に登場する、欠かせないアイテムのひとつはお酒。第一作のタイトルが『探偵はバーにいる』なわけですから、お酒がらみのエピソードが常に出てくるのは当然です。酒好きとしては、読んでいる作品に登場するお酒を飲みたくなってしまうのが人情というやつで、最近自宅で飲むウィスキーはもっぱらジャック・ダニエルになってしまったりしています(さすがに 12 オンス・タンブラァになみなみとはいきませんが)。
で、先日『駆けてきた少女』を読んだら、久しぶりにカクテルを作りたくなってきたので、買ってきました。
『駆けてきた少女』に登場するカクテル「サウダージ」。東直己氏のオリジナルカクテルで、マティーニの亜種のようなジン・ベースのレシピです。レシピは作中に明確には書かれていませんが、ドライ・マティーニのベルモットをシェリー(銘柄はティオ・ペペが指名されている)に置き換え、シェイクした後にアンゴスチュラ・ビターズを振る、というもの。
私は学生時代にバー通いやカクテルを趣味の一つにしていて、自宅にも一式揃えていました。一時は大抵のカクテルなら作れるほどの品揃えがあったんですが、次第にワインに移行したのと、スピリッツ系でもジンやスコッチのロックとかギムレットといったシンプルな飲み方に好みが変わってきて、次第にフェードアウトしていました。でも最近は自宅飲みといってもビールかハイボール、ウィスキーかジンロック…というワンパターンにも飽きてきたので、久しぶりに振ってみようかとシェーカーから買い直し(笑。
ジンは作中にときどき登場するボンベイ・サファイア。シェリーはティオ・ペペ。ここまでは、ちょっといいスーパー程度でも普通に手に入ります。でもアンゴスチュラ・ビターズだけがどこにも売ってない!まあ元々カクテルくらいしか用途がないお酒ではあるけど、昔はもう少し入手が容易だったような…。仕方がないので、これだけ通販を利用しました。
シェーカーに氷を入れ、ジンを 45mL、ティオ・ペペを 15mL 注ぎます。メジャーカップを使うのも実に久しぶり。
そしてシェイク!十ウン年振りに振ったから、自分がイメージしている振り方ほど美しく振れていない自覚があります(;´Д`)。
短時間のうちに素早くシェイクしないと水っぽくなって美味しくないので、簡単そうに見えて難しいんですよね。
ちなみにマティーニはミキシンググラスで作るのに対して、サウダージはマティーニの亜流といってもシェイクで作るから、飲んだときの口当たりからしてけっこう違います。
振り終わったらロックグラスに注ぎ、アンゴスチュラ・ビターズを 1 ダッシュ落として完成。本来のレシピならばロックグラスにはランプ・オブ・アイス(氷の塊をアイスピックで丸く削ったもの)を一つ入れておくのが正統ですが、面倒なのでコンビニのロックアイスで代用(笑
味は、イメージしていたのとちょっと違う。口に含んだ瞬間は爽やかだけど、後口にしっかりした苦みが残る感じ。マティーニの亜流、という割には苦味と香りが強くて、マティーニよりもさらに渋い大人の味。これはたぶん使うジンの銘柄にも引っ張られるところがあるので、ボンベイ・サファイアよりもタンカレーやゴードンで作った方がシンプルだったかもしれません。あと、最後に振るアンゴスチュラ・ビターズの香りがマティーニとは性格を変えている要因の一つかも。
「サウダージ」というとポルトガル語なので、むしろラムあたりをベースにしてそうなイメージが合ったんですが、まあこれはこれで「俺」が好んで飲むカクテルっぽくて、アリ。個人的な好みはやっぱりギムレットとか、本来のジンの味わいを活かしたカクテルだけど、「ススキノ探偵シリーズ」を夜中に読むときには、また作って飲みたいと思います。
コメント
>> 久しぶりに振ってみようか
ちょっとここ痺れましたよ(^○^)
カクテルはまったく飲み付けないんですが、サウダージ美味しそうですね。機会があったら振ってもらおうww
ジャック・ダニエルも美味しい季節になりましたね。私も最近チビチビ飲んでます。
カクテルもちょっとやってみると楽しいものですよ!
なんかの機会に大口通商店街にあるバーとか紹介してください(笑。