映画館で心を震わされた音がどうしても脳みそから離れず、サントラを購入しました。
Original Motion Picture Soundtrack: The Greatest Showman
映画自体は、シナリオはちょっと説明不足感があったけど、映像と音は素晴らしいの一言。サントラを聴くとあのキラキラした映像とたたみ掛けてくる音響が蘇ってきます。
ストーリーは 19 世紀の話ながら、音楽はロック感ある楽曲を中心とした現代ミュージカルの体系。ノスタルジーではなく現代の我々が共感し、感動できることに軸足を置いて作られた作品であることが音楽を通じて理解できます。たぶん当時のリアリティを追求したら差別についてはもっと生々しい描写になってミュージカルとしてのテンポは削がれただろうし、(日本人的な解釈かもしれませんが)差別の話をするよりも個性の話をしてみんなもっと自己肯定感を持って生きようよ!的なノリの方がこの映像にはあっているんでしょうね。
楽曲は映画の流れと同じく幕開けの #1『The Greatest Show』の高いテンションに始まり、それぞれの登場人物の夢を描いた #2『A Million Dreams』、サーカスの最初のショーを飾った #4『Come Alive』など劇中に登場した歌曲満載。どの曲も素晴らしいですが、個人的にはやっぱりバーナムとカーライルが駆け引きを演じる #5『The Other Side』とリンドが伸び伸びと歌い上げる #6『Never Enough』がとても好き。自己肯定の具現化みたいな #7『This Is Me』や身分違いの恋を描いた #8『Rewrite The Stars』も良いし、本当に捨て曲がひとつもありません。
楽曲を聴きながら改めて反芻すると、この映画は脚本ではあまり多くを語っていないけれど音楽が補完、いやむしろ音楽自体がストーリーを織りなす重要なピースを担っていると感じます。歌詞や編曲の一つ一つが登場人物の心境を表現しながら物語が進んでいたのか。そう考えながら観るとまた少し違った感想が出てきそうです。
ミュージカル映画のサントラとしてだけでなく、一枚のアルバムとしても素晴らしい作品だと思いますが、残念なのは本日時点で配信が圧縮音源のみであるところ。せっかくの名曲たちなんだからハイレゾ音源で聴きたいところですが、映画館での音に圧倒された感覚からすると、圧縮音源のカタマリ感と音圧のある音質も案外悪くない。まあ、ハイレゾが出たら買い直したい気もしていますが(笑。
劇場でこの映画が気に入ったなら、買って損はしないアルバムだと思います。
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