F1ロシアGP決勝:ハミルトン、ボッタスの”サポート”で今季8勝目。ベッテル、タイトル争い崖っぷち|motorsport.com日本版
今シーズンもいよいよ佳境を迎えたロシア GP。ここにきてメルセデスが本当に強い!フロントロウ独占からの 1-2 フィニッシュで三連勝を飾り、ハミルトンがヴェッテルとのポイント差を 50 にまで広げました。
予選は Q1 からメルセデスが圧倒的に速く、「マシン性能ではフェラーリの方が上」という今季の評判を完全に覆すほどの差。Q3 はボッタスが僅差でハミルトンを抑えて PP を獲得。ボッタスは昨年メルセデスでの初優勝をここロシアで挙げるなど得意とするサーキットで、今季初優勝も期待できます。
決勝はスタート直後にハミルトンとの競り合いがあったものの守り切り、中盤までは実質的なトップをキープ。しかしピットストップのタイミングでヴェッテルがハミルトンに対してオーバーカットを成功させたことでシナリオが崩れます。その後ハミルトンはコース上でヴェッテルをオーバーテイクしポジションを戻したものの、ハミルトンとヴェッテルのポイント差を確実に広げたいトト・ウォルフがチームオーダーを発令。ボッタスとハミルトンの順位を入れ換え、ボッタスをヴェッテルに対する壁として使います。
レースはこの状態で膠着し、終盤に再度ハミルトンとボッタスのポジションを入れ換えるオーダーが出ることもなく、ハミルトン首位のままフィニッシュ。ボッタスは実力的には勝てていたレースを譲り、ハミルトンはヴェッテルに対してレース 2 勝分のポイント差をつけることに成功しました。
メルセデスは今季ドイツ GP でハミルトンとボッタスのバトルをやめさせるチームオーダーを発令し、その次のハンガリーではトト・ウォルフがボッタスのことを「ウィングマン(補佐役)」と発言、イタリア GP でもボッタスにライコネンを抑え込ませてハミルトン逆転の地ならしをさせるなど、チーム戦略が徹底しています。だからこそフェラーリにこれだけの差をつけていられるのでしょうが、今回ばかりはちょっと冷徹すぎるんじゃないの…とも思います。ハミルトンの戴冠を確実にすることも重要ですが、勝てることを証明する機会を与えないとボッタスも自信を失っていくだろうし、長期的に見てこれが正しいのかどうか。今のメルセデスにはシューマッハー全盛期のフェラーリに似たものを感じますね…。
対するフェラーリは 3-4 位フィニッシュがやっと。予選で完敗し、レースではピット戦略を成功させていったんハミルトンの前に出たところまでは良かったですが、コース上で抜かれてはどうしようもない。珍しく失策がなかったのに勝てないというのが、メルセデスとの差が歴然としてしまったことを表しています。残り 5 レースで 50pt を巻き返すのは困難と言わざるを得ず、趨勢は決した感がありますね。
5-6 位はいつも通りレッドブルの二台。といっても彼らは PU とギヤボックス交換ペナルティでほぼ最後尾からスタートしていたわけで、そこから簡単にこのポジションに戻ってくるあたり、中団以下のチームとはもはや別カテゴリくらいの差があることを痛感します。それでもフェルスタッペンがソフトタイヤスタートでタイヤ交換を引っ張り、中盤まで暫定トップを守り続けたのには驚きましたが。
トロロッソ・ホンダは土曜日に PU を旧型に再交換し、それでも悪くないペースで走れていたことから期待していましたが、スタート直後にブレーキトラブルが発覚して二台ともに早々のリタイア。もうその瞬間にレースを見る気が半分くらい失せてしまったのですが(´д`)、とにかく残念です。新型 PU はかなりポテンシャルが高そうで、さらなる調整を加えて迎える鈴鹿でどんなパフォーマンスを見せてくれるか楽しみではありますが、もう今週末に迫った日本 GP までに今回のブレーキトラブルを根治できるのか?いくらなんでも不安になってきました。過去 4 年のホンダ F1 の中で最も結果が出せそうな状況だけに、チームには頑張ってもらいたいところ。
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