以前から狙っていたマウントアダプターを購入しました。
ソニー純正 A-E マウントアダプターの五代目モデルです。この世代でついに「モーター非内蔵 A マウントレンズでも E マウントボディの像面位相差 AF が使用可能」になりました。モーター(SSM/SAM)内蔵レンズであれば LA-EA3 でも使えていたのですが、私が一番使いたかったレンズはモーター非内蔵なのです。
左から順に LA-EA3(モーター内蔵レンズのみ AF 対応)、LA-EA4(トランスルーセントミラー搭載)、LA-EA5(モーター非内蔵レンズでも AF 可能)。フルサイズセンサー対応のマウントアダプターにトランスルーセントミラーを搭載してしまった LA-EA4 は出てきた当時は驚いたものでしたが、E マウントボディ側の AF スペックがどんどん上がっていくと LA-EA4 は AF 測距点が少なすぎて使いにくく感じるようになってしまいました。
現在は最新の E マウントボディと LA-EA5 の組み合わせが最強なのですが、LA-EA4 が使えるボディでは LA-EA5 が使えず LA-EA5 が使えるボディでは LA-EA4 が使えないという制約があるので私のように世代またぎで複数ボディを併用している人は注意が必要です。まあ私は LA-EA5 が使えない α7C(初代)では A マウントレンズを使う予定はないから問題ありません。
ちなみに LA-EA3/4 を売却したら追い金なしで LA-EA5 が買えてしまいました。こんなことならもっと早く買い換えておくべきだった。
マウントアダプターに AF 駆動用のモーターが内蔵されていて、(レンズ側にモーターがない場合)このカプラー経由でレンズを駆動します。LA-EA3/4 にあったような三脚座を兼ねた出っ張りがないスッキリしたリング形状なのにモーター内蔵というのはちょっとすごい。
DC モーターだから動作時にはジコジコ言いますが、それでも旧型マウントアダプターや A マウントボディの内蔵モーターよりは静かだと思います。
このアダプターを介してでも使いたかったレンズは Planar T* 85mm F1.4 ZA。これが使いたかったから A マウント時代の α に手を出したと言っても過言ではないレンズで、改めてこれが現行 E マウントボディの AF で使えるというのは感無量なわけです。
ちなみにこのレンズの末裔的な位置づけで先日 FE 85mm F1.4 GM II がリリースされたところ。画質も AF 性能も含め全ての面で最新レンズの方が良いことは分かっていますが、Planar のそこそこ大きめの収差とか絞り開放だと暴れ気味なボケとか、そういう描写が逆に愛おしい。
もともと太くて短いカタマリ感のあるレンズだったのがアダプターを介すことで間延びして見えてしまうのは致し方ないところ。それよりも 2006 年発売のこのレンズで α7 IV の 759 点の位相差 AF に対応し、さらにリアルタイムトラッキングまで使えてしまうことの方が素晴らしい。
AF スピードはまあそれなり程度ですが、軽いインナーフォーカシング群を複数のリニアモーターで動かす最新のレンズと違ってこのレンズは重たい前群レンズを一本のカプラー経由で移動させているわけで、それを考えればむしろモーター音すら健気に聞こえてきます。
とりあえず試し撮り。カミソリのように薄いピント、とろけるような後ボケ、逆にやや暴れ気味の前ボケ…そう、これこそが A マウントの P85/1.4 の描写。近年は 85mm というとネイティブ E マウントな Batis 85/1.4 ばかり使ってきたけど、同じツァイス銘の 85mm レンズでも全然別モノだと感じます。
せっかくだから A マウントの他の名レンズも収集し直してみたい気もしますが、Sonnar 135/1.8 とか買っても重すぎて持ち出さないだろうしなあ。LA-EA5 は実質的に P85/1.4 専用アダプターになりそうです。まあいくら撮っても飽きの来ないレンズだし、このレンズを改めて楽しんでいくこととします。
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