ジャストシステム、「一太郎/花子」訴訟で逆転勝訴 (PC Watch)
最初のニュース以来、個人的にもかなり気になっていた訴訟問題の顛末。一旦は敗訴したジャストでしたが、結果的に控訴審で勝訴。これについてはジャストシステム側の肩を持つ意見が多かっただけに、ようやく収まるところに収まった感があります。
第三者的なポイントとしては、
- ヘルプアイコンの手法自体がさして新規性のある考え方とは言えず、特許の有効性そのものが疑わしいこと
- 影響力の強い米国企業と成長著しいアジア企業の狭間で協力し合い、強みを見せていかなくてはならない日本企業間での訴訟であること
- 独占的な力を持つ MS にひるまず支持される、国内の(さして大きくない)いち地方企業であること
あたりがジャストを応援する声が大きかったところではないでしょうか(日本人ならではの判官贔屓という風土もあるだろうけど)。
訴訟には至っていないものの、それに近い騒動になった最近の事例といえば、エイベックスの「のまネコ」問題。こちらも、ユーザーの反発にあった結果該当の Flash 収録を中止、商標出願も取り下げという結末に至りましたが、そのリリース文には誠意が感じられないばかりか、ユーザーを馬鹿にしたような文章。2ちゃねらーでない私が読んですら嫌悪感をおぼえるこの物言い、どうなのよ・・・。
最近、いろんな企業が「ユーザーニーズ」とか「顧客視点」という言葉を使うようになりましたが、果たして「顧客視点」という言葉を本当の意味で理解している企業がどの程度あるのか、疑問に思っています。「顧客」「顧客」とひとくくりに捉えるばかりで、逆に「顧客が何を欲しがっているか解らない」と見当違いの施策を行う企業のなんと多いことか。その「顧客」が裏を返せば自分自身のことであることに、どうして気づかないのか?自分が欲しいものづくりを求めて B2B 企業の端からコンシューマ企業の端へと移った自分には、それがどうもおかしいような気がしてなりません。松下にしろ、エイベックスにしろ、会社の権益を守るためにすべきことは他にあるだろう、と思うのですが。
資本主義社会では、企業は「株主の利益」を第一に企業活動を行うものではありますが、果たしてそれだけでいいのでしょうか。企業内の自分たち自身や、株主すら、最終的にはあらゆるコンシューマ企業のユーザーなのだ、という視点に立てば、「お客様は神様です」という日本的な商売の原点は、ある意味欧米的な経営には欠けた企業活動の本質があるはずなのに、というのは言い過ぎでしょうか。
コメント
赤ペン先生。記事は探偵ファイル
http://www.tanteifile.com/tamashii/scoop_2005/10/03_01/image/03.gif