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アンドロイドは電気執事の夢を見るか?

先週、ソフトバンクが発表した人型ロボット「Pepper」。表参道と銀座のソフトバンクショップにもう設置されているとのことで、私もさっそくソフトバンク銀座に見に行ってきました。

人型ロボット「Pepper」、ソフトバンクショップ店頭で接客中 – ケータイ Watch

ソフトバンク銀座

ソフトバンクショップ自体、iPhone 3GS を解約したときに来て以来だから…三年ぶりに足を踏み入れました。それも旗艦店に来たのは初めてですが、各地にある小型店とはずいぶん雰囲気が違いますね。

Pepper は、入口を入ってすぐのところにいました。

Pepper

身長は、ウチの 4 歳の次女より少し大きい程度。180cm の私が会話しようと思ったらけっこう屈み込まなくてはならないので、人間をサポートするロボットというよりは、これから育っていく子どもに接しているような目の高さになります。信頼できる人間のパートナーとして接するには、もう少し大きさがあったほうがいいのでは、と感じました。


Pepper

1F に設置されている Pepper は、スタッフの方がデモを行うようになっていて、デモ用に調整されているのか?基本的にはスタッフの方の顔や声を認識して、確実にデモができるようになっている、という印象を受けました。

人間の大人との身長差は写真のような感じになるわけで、どうしても「子どもの相手をしている」という雰囲気になります。逆に、子連れでショップに手続きをしに来た家族の、子どもの暇つぶし相手という意味ではちょうど良いのかもなあ。

Pepper

Pepper は 2F にももう 1 体。1F のほうは、私がショップに入った時点で 5 人くらいのお客さんに囲まれていて、うち半分くらいはニュースを見てきた同年代のハイテク好き男性、という雰囲気。残り半分は通りすがりのおじさんおばさん、といったところでしょうか。
一方、2F のほうは私以外にあと 1 人しかいませんでした。時間帯にもよるのかもしれませんが、発表から 1 週間後で、しかも実機が公開されているのがまだ世界で 2 店舗のみ、というタイミングとしては、あまりにも注目されていないのでは…と心配になるレベル。

Pepper

2F の Pepper はお客さんが自由に会話していいように展示されているので、話しかけてみました。
というより、Pepper のほうから人間を認識して、手近にいる人に話しかけてくるよう設定されているようです。

音声認識の精度は、最近のスマートフォンの音声認識と遜色ないレベルで、十分実用に足る感じ。ただ、自然言語での会話が成り立つかというとそうではなくて、Pepper のほうから話を振ってくる=いわゆるオープンクエスチョンではなくクローズドクエスチョンで会話の方向性をある程度絞り込み、あらかじめ用意されているパターンの中でやりとりしているんでしょう。現在の Pepper がネットワークに接続されているかどうかも不明ですが、商品発売までにネットに繋がり、Siri と同じように膨大なデータベースの中から多様なリアクションを返してくるようになれば、面白いと思います(Siri のデータベースは圧倒的なユーザー数に支えられているので、Pepper の出荷台数規模でどこまでやれるの、という気もしますが…)。

Pepper

Pepper のデモは、数分間の会話の後に必ずダンスをする、というセットになっているようで、ある程度会話をしたところで Pepper のダンスの時間になりました。ロボットとしての動きのデモ、という意味では既にホンダの ASIMO やかつてのソニーの QRIO で見てきているのでそれほど驚きもありませんが(あれらのほうが二足歩行を含む分、見応えがある)、Pepper はマニピュレータの形状が人間に近く、指先の表情が細かいので、そこは注目に値するかな。

ただ、Pepper 開発の意図は主に人間とのコミュニケーションにあるというのが公式発表なので、ハードウェアとしての出来がどうこうというよりは、会話や学習といったコミュニケーション用のソフトウェアのほうが重要なはず。その割に、デモ機はまだまだその部分が荒削りな印象で、発展途上であることが滲み出ていました。発表会でもなぜか製造パートナーである鴻海の CEO が登壇していましたし、結局まだまだハードウェアとしての容れ物ができてそれをお披露目した段階にすぎない、ということのように思います。

容れ物…器?器にすぎない?人とのコミュニケーションの履歴を蓄積して、それをもとにコミュニケーションをする…という意味合いにおいては、Pepper は人の総意の器ということでよろしいでしょうか(ぉ

Pepper

というわけで、まあ面白かったものの…現時点ではまだデモ用プログラムを入れられたハードウェアにすぎないようなので、コンパニオンロボットとしての Pepper 自体の評価は保留。来年 2 月の商品化までにどれだけ作り込めるかによるでしょう。今の状態では、これを発売してソフトバンクが何をやりたいのか、自体が見えてきません。稀有な嗅覚を持ったビジネスマンである孫正義氏が、このロボットをもあくまでビジネスの対象と見ているのか、それとも本当に「長年の夢」を形にしようとしているものなのか。そして、本当に我々が人型のコンパニオンロボットを必要としているのか?ということも、よく考えた方が良いのかもしれません。

とりあえず、興味のある人は、見に行ってみるといいと思いますよ。少なくとも平日は空いてるようなので(笑。

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