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NEX ファーストインプレッション (2)

昨日に引き続き、NEX のインプレッションを書いていきます。まずはユーザーインターフェースから。

液晶が高精細かつカラフルなアイコンが並べられているので、デジタルカメラのメニュー画面とは思えない見た目になっています。携帯電話ライクな UI を目指した、というメニュー体系はまさにそんな感じで、一見「とっつきやすそう」に見えますが、いざ使おうとすると「カメラ」ってカテゴリは何を設定するの?とか、ほぼ全ての操作をメニュー画面経由で行わなくてはならないのは咄嗟の設定変更の際に煩わしいのでは?というように、既にデジタル一眼レフをそれなりに使っているユーザーからすると「却って解りにくい」というのが正直なところ。

中央のダイヤル兼カーソルキーと上下のソフトキー(画面によって役割が変わるボタン)は、まさに携帯電話そのもの。そういう意味では「ケータイ世代」には使いやすいのかもなあ・・・と思いましたが、もしかしてこのカメラはそもそも設定を細かく変更させずにオートでキレイに撮ることを前提とした、コンデジと同じような思想で作られているのか?と感じました。一眼レフの難解さを排除して「一眼クオリティをすべての人に」という考え方には共感するのですが、一眼レフとあまりにも操作手順が違いすぎて、そこからのステップアップを阻害する要因にならないか、ちょっと心配になる部分です。

コントロールホイールは緩いクリック感のある回し心地で、上下左右方向のカーソルキーも兼ねています。これ自体の操作性は悪くないのですが、シャッターボタン付近にもう一つダイヤルが欲しいとか、ISO や露出補正くらいはダイレクトボタンが欲しいとか、実際の撮影のシチュエーションを想定すると物足りない気も。まあボタンを増やせばそれだけボディサイズが大きくなるのも事実なので痛し痒しですが、より一眼レフライクな操作性の「NEX-7」の噂がこのタイミングで出てきてしまっているので、それもちょっと気になっていたり。


撮影時の UI はこんな感じで、コントロールホイールを使って絞り値やシャッタースピードを操作します。画面上の絞り値/シャッタースピードの表現は、αの昨年モデルから採用された直感的なもの(GUI でなく数値のみの表示も可能)。
ただそれ以外の操作は全てメニューを経由しなくてはならないのはやはり煩雑ですね。下ソフトキーにアサインされている「撮影アドバイス」は中級ユーザー以上には不要なので、ISO 感度設定や露出設定などにアサイン変更できるようにしてほしい。

撮影モードの変更もメニュー画面経由で行います。これも本当はハードウェアダイヤルが欲しいんだよなあ・・・。まあ、私の場合は(一眼レフでは)ほぼ絞り優先固定で使っているので変更の頻度は高くなさそうですが、スイングパノラマはけっこう使うので、通常の一眼レフよりは切り替えることが多そうなので。

エントリーユーザーにもとっつきやすい操作性を目指したこの NEX の新 UI は、やはり和式ケータイの操作の「まどろっこしさ」も悪い意味で取り込んでしまったように思えてならず、そこがこのカメラの最も残念な部分だと思います。ここから進化/改良していくとしたら、メニュー構成の見直しは当然必要としても、上位機種では二、三のハードウェアボタン/ダイヤルの追加、下位機種ではタッチ操作への対応などが必要になりそうな気がします。まあ「完全にオートで撮らせる」という考え方で良いならこれでも過不足はないですが、それだとユーザーがステップアップする道を閉ざしてしまうことにもなります。

こちらは下位機種の NEX-3。レッドは鮮やかだけど深みを感じる赤で、割と好み。ボディはもっとプラプラした質感かと思ったけど、そんなこともなく、NEX-5 が存在していなければこれでも十分と感じたかもしれません。

こちらはホワイト。柔らかい印象のボディと金属感バリバリのレンズとのギャップがイイ。
「NEX-5 は男性向け、3 は女性向け」という位置づけになってるようですが、そこまで女の子っぽいとも思いませんでした。男性が使っても全然違和感ないし、パパママが持っても良さそう。

NEX-5 と NEX-3 の違いはボディの素材とカラー、大きさだけではなくグリップの形状の違いが最も大きな差だと思います。NEX-5 はバッテリがボディに対して垂直に入っており、グリップの突出が大きいのに対して、NEX-3 はバッテリとグリップが水平になっているので、グリップがかなり薄いです。
NEX はバランス的にボディよりもレンズ側をホールドするような構え方になるので、ズームレンズ使用時は NEX-3 の薄いグリップでもそんなに違和感ないかな、と感じましたが、パンケーキはボディ側でホールドするような形になるので NEX-3 だとやや不安感がありました。パンケーキレンズを多用するならば NEX-5 のほうが良さそうです。

他のカメラともいくつか比較してみました。
まずはα700 との比較。とても同じサイズのイメージャを搭載しているとは思えないほどコンパクトで、こうして比べてみるとちょっと衝撃を受けます。

家族で出かけるときは一眼レフだとちょっと荷物が増えすぎて(←レンズをたくさん持ちすぎなだけ)・・・でもコンデジはちょっとなあ、というシチュエーションがままあるので、こうなると本気の撮影に出かける以外の普通の休日は一眼レフを持ち歩かなくなってしまいかねないなー、と思います。

DSC-W170 との比較(結局 DSC-WX1 のレンズがイヤになってしまったので、最近 W170 を復活させている)。
ボディサイズはそんなに大きく変わりませんね。

横から見るとグリップとレンズの分で NEX-5 のほうが厚みがありますが、それでもこれだけコンパクトにまとまっているというのは驚異的。

DSC-HX5V(私のじゃないけど)との比較。これはもうほとんど同じサイズといって良いレベルです。HX5V スルーして良かった(笑。
ただこのコンパクトさを得られるのは今のところパンケーキレンズ装着時のみで、ズームレンズをつけるとそれなりの大きさになってしまうのがちょっと残念(それでも一眼レフからすれば相当コンパクトですが)。オリンパスのマイクロフォーサーズ用標準ズームのように沈胴式でよりコンパクトになるズームレンズを一本出してほしいところですが、イメージャのサイズも違うし難しいのかなあ。

インプレ記事はあとちょっとだけ続きます。

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