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ツァイスの写真事業撤退の噂について

OFFICIAL statement from Zeiss: “not withdrawn from the photo lens market. But we have to face the facts…” – sonyalpharumors

一週間くらい前の話ですが、「ツァイスが写真事業から撤退したらしい」というニュースがあり、それについてツァイスに直接問い合わせた結果が海外の噂サイト SonyAlphaRumors に掲載されていました。今は基本的に噂サイトはあまり見ないようにしている私もこればかりは見に行ってしまった。

それによると、公式には撤退しておらず現在もレンズ製品の販売は継続しているが、ツァイスとしては COVID-19 に伴う市場縮小とモバイル市場の伸長に適応しなくてはならない状況にある、とのこと。

ここから読み取れるのは、製品の販売は継続しているが写真用レンズの新規開発は行っておらず、現在はモバイル(スマートフォン)市場に事業のフォーカスを移している、ということです。少なくとも写真事業については事実上の終息状態にあり既にサステイニングフェーズに入っているが、ある程度フェードアウトできるまでは公式に撤退したと断言することはないのでしょう。
まあ撤退云々以前にツァイスはここ数年レンズの新製品をリリースしていなかったし、今年の CP+ にもツァイスとしての出展がなかったからこれは予期されていたことではありました。COVID-19 の有無に関わらずカメラ市場はスマホに食われて縮小の一途にありますからね。それよりも規模の大きいスマホ向けのライセンス事業に注力するというのは企業としてはまあ分かる話ではあります。
そういえば、Adobe Lightroom 内蔵のカメラ「ZX1」は結局日本で発売されないまま生産終了してしまったそうですね。このカメラあたりがツァイスの新製品の話を聞いた最後のタイミングだったように思います。

ZEISS

でも個人的にはとても寂しい話です。私がレンズ交換式カメラに手を出したのはツァイスレンズの印象的な描写を自分でも扱ってみたいと思ったからだし、オールドレンズ趣味(最近あまりやってないけど)の入口もツァイスでした。手元にあるレンズの中ではツァイスレンズの割合が最も高いし、何よりこの blog や私の SNS アイコンはツァイスの T* マークからとっています。他にも私が Touit で撮った写真が公式の店頭サンプルとして採用されたのはいい思い出だし(作例じゃなくて描写サンプルとして撮った写真だから不本意ではあったけど)、ツァイスの創業からの歴史を綴った本も買いました。それくらい自分のフォトライフにおける重要なポジションを占めていたブランドが市場から去ってしまうのは本当に悲しい。実際には、近年のレンズは自社設計ではなく各レンズメーカー任せでツァイスは認証をしていただけ、だったとしても。
同じドイツの伝統的光学メーカーであるライカがなんだかんだと製品をリリースし続けているのとは対照的ですね。でもライカはカメラに興味ない人にも認知されているけど、ツァイスはカメラ好きでないと知らないだろうし、そういうところも地味に効いていたりするのですかね。

いずれにせよツァイスからもう新しいレンズが出てこないことが確定的になったので、私は今持っているレンズをできる限り末永く愛用することにします。あとは一時の価格高騰が落ち着いた感のあるヤシコンレンズに今あえて手を出してみる、というのも面白いかもしれません。久しぶりに中古屋に行ってみようかなあ。

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