Lightroom内蔵カメラ「ZEISS ZX1」が海外で発売に – デジカメ Watch
二年前に発表されていたツァイスの Lightroom 内蔵レンズ一体型カメラ「ZX1」が海外でようやく発売されたようです。2019 年の CP+ で試作機がガラスケース展示されてから数えても一年半、長かった。価格は北米で税別 $6,000 とのことで、発表時に私が予想していた 40~50 万円という金額は当たらずとも遠からずだったけど、さらにそれを上回ってくるとは。まあ RX1 相当の高級コンパクトカメラ+最新ハイエンドスマホ相当の電気部品(512GB SSD を含む)+ツァイスのブランド料と考えれば妥当な価格という気はします。
個人的にはカメラは純粋に高画質を求めて大艦巨砲主義に走るよりは通信と融合してコミュニケーションツールの側面を備えるべきだと思っているので、ZX1 が目指す方向自体は支持したいと思っています。でも近年のソフトウェア処理技術の向上著しいスマホカメラを見ていると、もうカメラ側からのアプローチでそっちに追いつくのは無理なんじゃないかと感じているのも事実。また 60 万円のカメラだけでは市場に浸透していかないので、せいぜい 10 万円クラスのカメラに普通にこういう機能が入っていかないと意味がないとも思っています。そういう意味ではかつて存在したパナの LUMIX CM1/CM10 は割と良いセン行ってたと思うんですが、今や大手カメラメーカーがああいうアプローチの製品を出してくる余裕もなくなってしまったように見えます。今から ZX1 のような考え方を一般化させるには、iPhone や Pixel のようなスマホでモバイル版 Lightroom や Photoshop Camera アプリを使うアプローチのほうが近道なのでしょう。
またカメラやイメージセンサーとスマホ的なデバイス+アプリでは陳腐化のスピードが段違いなので、せっかく 60 万円の ZX1 を買っても二年後には iPhone の画像処理の方が高度なことができてしまう世界でもあるわけで。ZX1 が発表当時想定されていた SoC+Lightroom バージョンでそのまま出てきたのか、二年分の進化がちゃんと折り込まれたものかによっても評価は変わるでしょう。もし二年足踏みをしていただけだとしたらちょっと厳しいような。
この ZX1 が日本で発売されるかどうかもまだ明らかになっていませんが、去年わざわざ CP+ で展示したということは出すつもりがあるのでしょう。私は買うつもりはありませんが、製品が店頭に並ぶ機会があるならとりあえず触ってみたいところです。
そしてこのニュースに触れたことで定期的に湧いてくる「LUMIX CM1/CM10 買ってみようか病」が再発してきてしまいました(;´Д`)。1inch センサー+単焦点レンズ+LTE で今なら ¥4.5 万か…。
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