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F1 ドイツ GP 2011

今日も現時点では地上波放送前なので、例によってネタバレ防止策を入れておきます。


ドイツGP決勝 ハミルトンが今季2勝目、ヴェッテルは4位 – GPUpdate.net

前戦イギリスからフェラーリの相対的な戦闘力が向上して、混戦の様相を呈してきた今シーズン。ここドイツではマクラーレンにも上昇傾向が出てきて、三つ巴の印象がさらに強くなりました。
ヴェッテルが予選でフロントロウを穫れなかったのは昨年のシンガポール GP 以来 15 戦ぶり。そしてポディウムに上がれなかったのも昨年の韓国 GP 以来 12 戦ぶりという出来事ですが、それでも 4 位に入りランキング 2 位のウェバーとはまだ 77pt の差を保っている(実に 3 戦欠場してもまだ首位にいることになる!)という圧倒的な状況には変わりません。

ヴェッテルが苦しんだのはエンジンマップレギュレーションの変更、サーキットとマシンの相性、あとどうやらブレーキマップのマッチングがイマイチだったようですが、やはりエンジンマップの件がサーキットによっては意外と影響が大きいのかもしれません。このあたりはフェラーリやマクラーレンとの位置関係だけでなく、同じマシンに乗っていながら今年のトリッキーなエンジンマップとピレリタイヤに馴染めず最近までペースの上がらなかったウェバーが、ここ数戦で速さを取り戻し始めたことが示しています。
また、勝ったハミルトンだけでなく 2 位に終わったアロンソにも十分に勝つチャンスはあったと思われますが、両者を分けたのは完全にピットストラテジー。今年のタイヤ特性からすると、タイヤの温まりが良いクルマ(レッドブルやマクラーレン)は競っているときには早めにピットイン(アンダーカット)したほうが良く、逆にタイヤの温まりが悪いクルマ(特にフェラーリ)はできるだけタイヤ交換のタイミングを遅らせたほうが良い、というのがセオリー。それなのにライバルのタイヤ交換のタイミングに合わせてしまったことが今回のフェラーリの敗因でしょう。逆に、ピットストップのタイミングをそれぞれあと数周ずつ遅らせていたら、ハミルトンの前で抑え切れていた可能性が高い。このあたりは、臨機応変なストラテジー変更をさせたら F1 界随一のマクラーレンと、ロス・ブラウンが離脱してからどうしてもコンサバで固定的な戦略に走りがちなフェラーリとの差でしょうか。
ともあれ、マシンやサーキットとタイヤとの相性、それに伴うピット戦略で勝敗が決するという意味では、このドイツ GP は今季ここまでのレースで最も 2011 年のピレリ時代らしいレースになったと言えるのではないでしょうか。エキサイティングなレースで、私は非常に楽しめました。

また、チャンピオンシップではヴェッテルを追う 3 人(残念ながら、バトンはここ 2 戦でちょっと離されすぎてしまった)がヴェッテルの前でフィニッシュしたことで、少し差は詰まりました。が、逆に言えばこの 3 人がポイントを食い合っている状況でもあるわけで、よほどのことがない限りヴェッテル圧倒的有利な状況は変わらないでしょう。そろそろ、どのタイミングでヴェッテルの連続チャンピオンが確定するか、を考え始めたほうが良い頃かもしれません。鈴鹿までもつかなあ・・・。

中位グループでは、今回も白眉だったのは小林可夢偉。予選でトラフィックに捕まって好タイムが出せず、Q1 脱落という苦しい立ち上がりでしたが、17 番グリッド(ブエミのレギュレーション違反ペナルティにより一つ繰り上がり)からみるみる順位を上げての 9 位フィニッシュ。3 戦ぶりの入賞ではありますが、可夢偉の走りはそろそろ Q1 脱落からでも入賞を期待していいレベルになってきました。
ただ、ロケットスタートに成功して序盤でポイント圏が見えて以降はどちらかというとチームのピット戦略がイマイチで、もう少し上げられそうなポジションをなかなか上げられず、後半はむしろ「何とか 9 位」と言ったほうが相応しいほどにペースを上げることができませんでした。このピット戦略の柔軟性のなさはフェラーリにも通じるものがあり、獲れるポイントをみすみす逃してしまったようで、悔しいです。可夢偉自身はマシンの実力を超えた走りを見せてくれていると思うので、トップチームからの誘いがあるのならば、本当に来年はもっと良いチームで走らせてあげたい・・・。

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