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鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星 @新宿ピカデリー

先日公開されたハガレンの新劇場版を観に行ってきました。

鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星

新宿ピカデリーではアルフォンスの実寸大フィギュアと主要キャラクターのパネルが展示されるなど、イチ押しであることが伝わってきました。あと、お客さんも女性比率がかなり高く(私が観た回は過半数が女性だったんじゃないかと思われる)、本作品の女性人気の高さを初めて認識しました。

『鋼の錬金術師』の原作は既に完結しており、しかもキレイに幕を引く終わり方だったので、劇場版をやるにしても後日談は蛇足にしかならないだろうなあ、やるとしたら本編の時間軸におけるサイドストーリーになるだろうなあ、と思っていたら、その通りの内容でした。そういう作りの話だと得てして微妙な内容になりがちなものですが、今作は本編の文脈をふまえつつ、単体の作品としてなかなか完成度の高い映画に仕上がっていると感じました。
冒頭から 30 分くらいはミステリー+アクションであっという間に過ぎ去るジェットコースター的展開。走行中の列車の屋根の上でのアクション等、アクションものとして定番のシチュエーションが多い印象ですが、演出のうまさとアクションの派手さでグイグイ引き込まれていきました。スタッフのコメントでも「本編では等価交換の原則をふまえて控えめに演出する必要があったが、映画ではその制約を取っ払った」的な話がありましたが、まさにそんな感じ。
また、物語は本編と同じく錬金術と賢者の石を巡る争いの話であり、舞台となるテーブルシティについては、地図を見た時点でどういう話になるかある程度想像がついてしまったのですが、予想通りになった部分と、良い意味で裏切られた部分(でもちゃんと伏線は張られている)があり、最後まで興が醒めずに楽しめました。


残念だった部分があるとすれば、これだけ壮大なストーリーでありながら、本編から見るとサイドストーリーのひとつに過ぎない(まあ、この映画自体が後付けですから)ということの矛盾がちょっともったいないかなあ、と。本編の最終回でエドワードが西方を旅する、と言っていたのが、ここでの事件がきっかけになったのかなあ・・・と想像を膨らませて楽しむくらいはできるでしょうが。
また、二人の主人公以外の本編キャラがほとんど出てこないか、出てきてもほんのチョイ役扱いなのは、それぞれのキャラクターのファンには残念でしょうが、その分映画側をきっちり描くことができているので、個人的にはそれがこの映画の完成度を高めていると感じました。

劇場でもらった特典は単行本の 11.5 巻。11 巻の頃の話、として扱われるこの映画にちなんで、原作・荒川弘の短いコミックと映画の設定資料集、プロデューサーの対談企画などが収録されています。これがないと楽しめないものではありませんが、荒川弘が描くハガレンがまた少しでも読めるとは(完結した時点では)思っていなかったので、ちょっと嬉しい。

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