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孤独の散歩マンガ『散歩もの』

Sony Reader を新調したことだし、『孤独のグルメ』原作の電子版でも買うか、と Reader Store を覗いていたら、関連コンテンツとしてこんなものを発見しました。久住昌之・谷口ジローといえば『孤独のグルメ』の黄金コンビじゃないですか!というわけで、まとめて購入。まあ、Sony Reader の SVGA 解像度な E-Ink ではコミックを読むには物足りないので、私は Reader Store で買ったコミックは基本的にタブレットのほうで読んでいますが。

久住 昌之、谷口 ジロー / 散歩もの

タイトルは『散歩もの』。『孤独のグルメ』も中年オヤジがメシを求めて独り東京を彷徨い歩く、というコンセプトですが、本作はその「彷徨い歩く」の部分にフォーカスした、さらにシュールな作風になっています。掲載誌が「通販生活」だったというあたりが、さらにマニアック(笑

主人公の名前は「上野原譲二」。井之頭五郎と違って既婚者で、それなりの企業に勤める管理職、という設定ですが、やはり久住昌之氏本人のキャラクターが反映されているのか、どことなく近い、いやむしろさらに濃い性格(笑。「井之頭五郎」に「上野原譲二」、苗字がやけに凝っているところも似ています。


本作の主役は「街」ですが、やはりこのコンビだからか、ところどころに食事のシーンも登場します。これがまた『孤独のグルメ』っぽくてまたいい。でも、この作品の本質はやはり上野原譲二の散歩にかける異様なまでの情熱と、古いものへのこだわりでしょう。道すがら古い電球とか草履とか衝動買いするし(笑

今まで『孤独のグルメ』は山もないオチもない地味なマンガで、だがそれがいいと思っていましたが、この作品に比べればなんと盛り上がりのあることか(笑。日々のことだけど、食事って一日三回のちょっとしたイベントなんだなあ、というのを改めて感じます。だからこそ、一食たりとも無駄にせず、美味しいと思えるものを美味しいと思いながら食べたい。

「テレビや雑誌で見た場所へ出かけていく散歩は 散歩ではない」

…ドラマに感化されてこどグルの聖地巡礼なんかやってて本当にすいませんでした(ぉ

でも、こういういかにも名所って場所じゃないところをあてもなくぶらつく散歩もいいですよね。カメラを持って歩くとさらにいい。
この作品は、聖地巡礼とかやるのは却って作品に失礼な気がするので、自分なりの場所と散歩ルートを見つけてぶらぶらする、というのが本当のリスペクトなんでしょう。『孤独のグルメ』も、それを意識しながらその辺の地味なお店に足を向けてこそ真のファン、なんだと思います。

この『散歩もの』についてさらに詳しくは、『孤独のグルメ』のときにもその面白さを存分に伝えてくれた以下の blog にて。

孤独のグルメテイストな究極散歩マンガ 「散歩もの」:a Black Leaf

久住 昌之、谷口 ジロー / 散歩もの

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