お盆休みで富山に帰ってきています。
魚も米も酒もうまい冬場と違って、真夏の北陸はこれといってうまいものがないのが寂しいところですが、それでも地元の名産品にこだわらなければいろいろあるわけで。ここもそんな店のひとつです。
富山平野の中央部には、「呉羽山」と呼ばれる丘陵があり、この山によって富山の文化圏は東西に分かれています。言葉遣いも文化も、この山を境にけっこう違う。そんな呉羽山の名物・なし畑の中にあるログハウス調の建物が「たけ花」の店舗です。
テラス席からは、富山平野、天候が良ければ富山湾までを見渡すことができます。狭い平野ではありますが、ここが富山県人のホームグラウンド。
この猛暑でさえなければ、テラス席で食事するのが最も気持ちいいんでしょうけどね…。
ログハウス調の広々とした店内は、4~5 組も入ればもう満席、というゆったりとしたつくり。メインのテーブル席はまさにログハウスのリビングルームを再現したようになっていて、長机を 7~8 人で囲んで寛ぐことができます。
店内には至るところにアンティークや置物が飾られていて、なんというかおじいちゃんの家にでも遊びに来たかのような、不思議な落ち着きを感じます。
どうやら、マスターが前職を定年後に、自分の趣味のアンティークとカフェを組み合わせたお店を開くという夢を形にしたのがこのお店だそうで、商売っ気よりももてなしを重視したお店の作りにも納得です。
階段を上がった二階はアンティークショップになっています。
アンティークショップには、古今東西のあらゆるものが並べられていて、アンティーク好きでなくてもへええ、と思うことでしょう。
というわけで、お目当てのカレー。ここのカレーは「グリンカレー」しかありません。グリーンカレーと言えばタイ。ここのグリンカレーも、おそらくココナッツを使っているであろう甘みと香りを一口目に感じるものの、その後を追いかけるようにけっこう強い辛さがたたみかけてきて、二口、三口と食べ進める頃には全身の毛穴から汗が噴き出してきます。タイカレーのジワジワくる辛さとはちょっと違うけど、確かにタイカレーっぽい味。甘味と辛味が複雑に混じり合った深い味で、これだけのグリーンカレーが食べられる店はそう多くはありません。
カレーの上に乗っているのは「今朝敷地内の畑で採れた」というナスとピーマン。採れたてだけあって、どれもみずみずしくてうまい。カレーの中には繊維状にほぐされた柔らかなチキンが紛れていて、これがカレーにコクを与えています。
これで 600 円。コーヒーをつけても 800 円。東京の都心で同じレベルのタイカレーを食べようと思ったら、安くても 1.5 倍の値段は覚悟しなくてはならないと思うので、すごく得した気分になれます。
こちらはハヤシライス。このお店、食事のメニューはグリンカレーとハヤシライスしかありません。が、このハヤシライスも(私が頼んだものではありませんが、一口もらってみたところ)甘味と酸味がちょうどいいバランスで、やさしい味。これなら辛いものが苦手な子連れで来ても安心だと思います。
デザートはヨーグルトケーキ、という名の自家製ベイクドチーズケーキ。これも 150 円という安さですが、そのへんの喫茶店で食べたら 400 円くらいしてもおかしくないお味。カレーに刺激された口の中を、やさしい酸味でリセットしてくれます。これもいい。
山の上にある、下界とはちょっと違った時間が流れるカレー屋さん。日常に疲れたら、家族を連れてこの店に来てみるといいかもしれません。ちなみに、これからお盆期間中はおやすみとのことです(ぉ
ごちそうさまでした。
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