ここのところ大森の飲食店ネタが続いていますが、ごく一部で需要があるようなので(笑)気にせず続けていきます。
私が大森方面に行ったときに時折利用する蕎麦屋。山王口を出てすぐのところにあって、とても入りやすい感じのお店。入りやすいけど大して美味しくないチェーン系や立ち食い蕎麦とも、敷居の高そうな老舗とも違う、普段使いに良さげな雰囲気が嬉しい。店内の BGM がジャズだというところだけ、ちょっと無理している気がしないでもない(笑
店内はテーブル 4 卓ほどとあとはカウンター。地元の人っぽい、やや年配のお客さんが多めですが、昼間は家族連れもけっこう入っています。
蕎麦屋で「とりあえずビール」っていうのは素人の兵法だ。最近『食の軍師』の影響でそう考えてしまう私は、最初から日本酒で攻めます。
頼んだのは当然、富山の銘酒「立山」。気取って吟醸というわけではなく、ちょっと癖っ気のある本醸造を置いてあるあたりが憎い。富山人としては、立山は本醸造かその下の二級酒(普通種)こそ本筋なわけです。
他にも浦霞(宮城)とか手取川(石川)とか、いちいち私のツボを押さえた銘柄が揃っているのが重要なポイント。
蕎麦屋で日本酒、と来たら板わさは外せない。
これ自体はまあ普通の蒲鉾だけれど、何枚かに一枚は必ず山葵をつけすぎて鼻にツーンと来てしまい、その刺激を日本酒で流し込むところまで含めて、蕎麦屋の様式美というやつです。
ツマミ系でもう一品、甘辛にしんで日本酒を進めていきます。
このお店、蕎麦つゆも含め味付けが全体的に濃いめですが、これが飲みながらだとちょうど良い味付け。お酒がどんどん進みます。
蕎麦は鳥せいろにしてみました。蕎麦屋に来たら鴨せいろか天せいろと相場が決まっているものですが、ここの鳥せいろは大山地鶏を使っていて、プリッと弾力のある鶏肉と、焼きネギの香ばしさが良く、鴨せいろよりも好きかも。麺は二八蕎麦で、蕎麦そのものの味を楽しむようなものではないけど、しっかり締まった蕎麦でツルツル行けてしまいます。
蕎麦屋で満腹セットは無粋…と思いつつ、ついせいろを一枚おかわりしてしまうわけです(笑。
肩肘張らず、気合い入れすぎず、気楽に向き合える蕎麦が、何もない日の食事には逆にありがたい。
蕎麦湯…はちょっと薄くて、せっかくの蕎麦の余韻を楽しめる感じではないのがやや残念なところ。二八蕎麦だから仕方ないし、そういうのを求めるお店でもないんでしょうけど。まあ、あくまで食後の口直しに。
このお店、夜遅く(平日はラストオーダー 23:00)までやっているのが実は見逃せないポイントです。最近、飲んだ後の〆にラーメン、という年齢でもなくなってきたのか、むしろ蕎麦とかうどんで締めたいことのほうが多くなってきました(我ながらオヤジくさいとは思いつつ)。そういうとき、遅い時間から日本酒一合と蕎麦一枚を出してくれる店のありがたさといったら。近隣で飲んだ帰りにも使いやすい、貴重なお店だと思います。
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