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Sony MDR-10RNC

ここ一年ほどほぼ出張のない生活をしていましたが、今後また出張が増えてきそうな状況になってきたので、移動時間を少しでも快適に過ごすべくノイズキャンセリングヘッドホンを購入しました。

ソニー / MDR-10RNC

今さらながら、MDR-10RNC です。

BOSE の定番 QuietComfort は価格帯的にちょっと手が出ないし、ソニーもオーバーヘッドタイプのノイキャンは MDR-1R/10R 世代で止まっている、という微妙なタイミング。Bluetooth かつノイキャンな MDR-ZX770BN という製品も出ていて、これ良さそうだなと思ったんですが、店頭の展示機はヒンジ部の軋み音がひどく、これ使い込んだらこういう感じになっちゃうんだろうな、と判断して除外。上位機種 MDR-1RNCMK2 はポータブルにしてはちょっと重いし(あと音も好みではなかった)、ということで消去法で 10RNC にしました。

デザインテイストは MDR-1R/1A 系と共通ながら、1R/1A では金属製のパーツの多くが樹脂製になっていたりして、並べてみるとコストダウンの跡がけっこう見られますね。もちろん軽量化目的で樹脂を採用した側面もあるんでしょうが。
店頭展示品だとシルバー塗装が剥げているものをよく見かけるので、そのあたりはちょっと心配ではあります。

ノイズキャンセリングヘッドホンなので、ノイキャンのオン/オフスイッチと、周囲のノイズを AI で判別して最適なノイズキャンセルモードを自動選択する「AINC」ボタンがついています。ウォークマンなんかだと NC のモードは手動で切り替える必要がありますが、ボタン一つで設定できるのはお手軽。その代わりウォークマンにはあった NC の効き具合を手動調整できない、というデメリットはあります。
ヘッドホンケーブルは着脱式で、その気になればリケーブルもできるはずですが、差込口の径が小さいので MDR-1A 用の純正ケーブルは入りませんでした。まあ後述するとおり音質を突き詰めるためのヘッドホンではないので、そっち方面には手を出さないことにします。


NC 用回路や内蔵デジタルアンプ「S-Master」を駆動するために単四電池×1 が必要になります。これ一本で公称約 20 時間駆動、というのは国内旅行ならば十分、海外だと予備電池が欲しい感じでしょうか。まあ単四ならコンビニや空港でも入手できるし、eneloop のような二次電池を使ってもいいし、ツブシは効きます。

航空機用のデュアルプラグ変換アダプタが標準添付。そのために買うユーザーが多い製品だから当然といえば当然ですが、わざわざ買わなくて良いのは助かります。

ナイロン&合皮製のセミソフトケースも付属。そこそこかさばりますが、泊まりがけの荷物と一緒にするなら許容範囲かな。MDR-1A 付属のキャリングポーチよりもしっかりしているのが旅行用らしいところ。
本体はキズや塗装剥げが気になりそうな素材なので、旅行時にはこれに入れて持ち運びたいところ。(まあ移動中はかけて過ごすことが多いでしょうが)

アクセサリー用ポーチ(写真ではヘッドホンのヘッドバンド下にある丸いもの)もついていて、同梱のスマホ用マイク/リモコンつきケーブルや先述の変換アダプタ、予備電池などをまとめておくことができます。

イヤーパッドは耳輪~耳朶全体をカバーする形状にはなっているものの、MDR-1R/1A 系よりも一回り小さいため、MDR-1A のような包み込まれる装着感はなく、まあ普通。電池やノイキャン用回路を内蔵しながらノイキャンなしの MDR-1A とほぼ同等の軽さを実現しているだけあって、長時間つけていても疲れにくいと言えます(上位機種の MDR-1RNCMK2 はさらに 100g 以上重い)。

音質は、そもそもがノイズキャンセルのためにデジタル補正をかけた音を出しているわけで、決して良いとは言えません。私のベンチマークが普段使っている MDR-1A だから相手が悪いというのもありますが、ベースモデルである MDR-10R と店頭で聴き比べてみても、明らかに高音が硬く、抜けの悪い不自然な音。そもそも再生周波数帯域のスペックからして MDR-1A が 3-100,000Hz、MDR-10R が 5-40,000Hz、MDR-10RNC が 6-24,000Hz なので当然ですが、ドライバーユニットの性能差以上に NC 関連で加工された音の不自然さが気になります。とはいえ、上位機種の 1RNCMK2 の音を店頭で聴いてみたところ、10RNC 以上に不自然に加工された音に聞こえたので(それが理由で 1RNCMK2 を却下した)、相対的にはバランスのいい音。低音の量感はあるし、ノイキャンという限られた選択肢の中ではまあ悪くない製品だと思います。
なお、NC オフでパッシブタイプのヘッドホンとしても使うことはできますが、NC を切ると尚更高音成分が減って籠もったような音になってしまうので、NC オフはあくまでバッテリ切れ時の緊急用として、静かな環境下でも原則 NC オンで使うべきヘッドホンだと言えます。

結局は「NC 非対応のヘッドホンで、周囲の雑音は気にしないで聴くか」「そこそこの音質の NC ヘッドホンで、ノイズを消して聴くか」の究極の選択でしょう(第三の選択肢としてカスタム IEM もありますが…)。私は普段使いであれば前者を選びますが、長時間の移動時は静粛性を優先したいので。ノイキャンの性能に関しては、今まで使っていたウォークマン付属のインイヤータイプとは比較にならないほど、静かで快適な空間を得られます。

とはいえ、最近ウォークマンのほうでハイレゾ+NC 両対応の製品が出てきたりしているので、ヘッドホンでも来年あたりには「ノイキャンだけどいい音」が標準になりそうな気もしますが、出てきたらそのとき考えればいいか(汗。

ソニー / MDR-10RNC

コメント

  1. Sony XBA-A2 購入

    移動時間を少しでも快適に過ごすべくヘッドホンを購入された方がいるようですが、奇遇ですね、私も最近購入しました。加水分解でベトベトになってしまったイヤホンの…

  2. たっちー より:

    こんばんは。お尋ねします。1Aのケースを探していてこちらのページにたどり着いたのですが、MDR-1AとMDR-10RNCをお持ちのようで、10RNCの付属キャリングケースに1Aは入りますでしょうか?教えて頂けたら助かります。

  3. B より:

    試してみました。
    入らなくはないのですが…1A のほうがハウジングが大きいので、ちょっと無理して押し込む感じになります。
    持ち歩きは他の荷物や満員電車など、いろいろとプレッシャーがかかりがちなことを考えると、あまりオススメはできないと思いますね…。

  4. たっちー より:

    ハウジングのサイズが若干異なるのですね。1Aの音が素敵なので、大切に使っていこうと思い、ハードケースを探しています。汎用のケースを当たってみます。1Aのネタをまた楽しみにしています。参考になりました。ありがとうございました!

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