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ROAST HORSE #2

8 月に初めて行った際に感動してしまい、そのまま次回予約まで取ってきたローストホースの予約日が来たので、満を持して伺ってきました。

ローストホース

完全会員制で一般には店舗の場所や電話番号すら非公開というお店なので、会員でない私は自由に予約することすら叶いません。今回もお誘いいただいた某氏には、本当に感謝の言葉もありません。この店は本当に他の予定に優先してでも来る価値があると思います。

乾杯はビールではなくスパークリングワインから。ラ・ジョイヨーザというイタリアのカヴァで、スッキリ辛口、これからの馬肉料理を前に喉を潤すのにちょうどいい。
飲み放題メニューにスパークリングワインも含まれているので、安心して飲んだくれられます(笑。

一品目はなんと馬肉ではなく、しじみ汁。
いきなり渋いものを…と思いましたが、オーナーによると「馬肉は身体を冷やす食材なので、それを食べる前に身体を温めてもらうためにしじみ汁を選んだ」とのこと。じわっと深みのあるしじみ汁、胃に染み渡ります。


馬肉料理は今回も、握りから。
この握り、肉に何度も包丁が入れられていて、筋っぽさが全くない。とても柔らかく、でも肉らしさが味わえる握りは、魚の握りとは全く違ううまさ。いきなり本命級のこの味が出てくるところに、この店の奥の深さを感じます。

三品目にいきなりデザート…?と思わせるこれは、なんとカブの煮込み。繊維質を感じなくなるくらいに柔らかく煮込まれたカブにスプーンを入れていくと、

中にはしっかり馬肉が隠されていました。
カブと馬肉の甘みに対して、煮汁の隠し味にカラシが使われていて、えもいわれぬ取り合わせ。こんな煮込み料理は初めて食べました。

続いて馬刺しと昆布締め。
本当にここの馬刺しは今まで食べたどんな馬刺しよりもうまくて、この味を何と表現したらいいか分かりません。食べるごとに自分の語彙力が失われていく、そんな破壊力を持った料理が続きます。

馬刺しもう一皿。目の前でどんどん脂が溶けていくオビとフタエゴは前回もいただきましたが、真ん中はなんと馬肉のたたきの上に秋刀魚の刺身を載っけた(!)カナッペ的なもの。生肉と生魚を一緒に食べるというのも衝撃的ですが、これがまた全く違和感がない。目から鱗、これはうまい!

常識を覆す料理があまりにも続くため、合わせるお酒も何を選んだら良いか分からなくなってきます。もうここは店員さんのオススメに従うのが最良でしょう。
というオススメで出てきたのがこの「KINOENE APPLE」という千葉のお酒。日本酒でありながらリンゴ酸酵母を使って醸造したもので、ラベルに「らいすわいん」との記載もあるとおり、まるでワインのようなフルーティさをもつお酒。あああ、これはおいしいわ。そして和とも洋ともつかないこの店の料理によく合います。

馬肉は赤身とカイノミの刺身へと続きます。
調理法もお酒も全てが「最高の馬肉を最高の状態でいただくため」に整えられたものであることが、料理の一皿、酒の一杯から伝わってきます。

稀少中の稀少部位、馬のタン刺し。これもまたフォトジェニックな一皿。
今回集まったメンバーのほとんどがフルサイズカメラを持参していたせいか、オーナー自らが料理を運んでくるたびに「はい、新しい被写体ですよー」と言って出してくるから正直吹かざるを得ないw。

日本酒のほうは、石川県は能登の「白菊」へと進みます。

出た、馬肉のユッケ!
生卵のエスプーマ(泡立つまでかき混ぜたもの)に生の馬肉と梨の果肉を潜ませた、最高の一品。合わせる果物は旬によって変えるそうです。
これを食べるのは二回目だけど本当にうまい。生きていて良かった、とさえ思えます。

馬ロースと千住ネギの南蛮漬け。
さっきのエスプーマユッケとは対照的に、味にパンチのある一品。まったりとした口の中をガツンと目覚めさせてくれるうまさ。

そして寿司に戻って、コウネとトロたくの握り。
コウネのとろけるんだけど全くしつこさのない、潔い脂のうまみは本当に大好きです。

からの、う巻き玉子。う巻きといっても鰻じゃなくて馬ですよ奥さん!(誰
ふわっと優しい玉子焼きの中から、うまみがギュッと凝縮された時雨煮っぽい馬肉の濃い味が出てきて、これもいい。

お酒は「ゆきの美人 美郷錦」へ。
名前の通り、透明感のある上品な味わいが料理を引き立てます。

この日の野菜焼きはカボチャとシメジ。
ってこんな立派なシメジ見たことないよ!シイタケかと思った(;´Д`)。

ニラの何か(ぉ
ここまで来るともはや「その料理が何であるか」を気にする余裕はなく、「目の前の料理をいかに味わうか」しか頭にありません。

そしてとどめのローストホース。前回の大トリで出てきたイチボ肉が、今回はトリ前で出てきました。
肉の内側から溢れてくる肉汁のうまみ。ここまで食べてきた馬刺しもユッケも最高だったけど、うまみの凝縮度合いで言えばやっぱりローストホースですね。店名に掲げるだけのことはある。

付け合わせに、大根と蕪の漬け物。
サラッとした酸味が口の中をリセットして、これとローストホースだけを延々と食べていられそうな気がしてきます。

大トリは「チョウチン」と呼ばれるバラの外側を使ったローストホース。見ての通り、サシの入り方がイチボとはまた違った感じで、とろける脂身と柔らかい赤身がうまい。

ほんのり甘味を感じる生山葵との組み合わせは、まさに至福。
ここに来ると「牛や豚よりも馬って最高だな」と思えてきます。

〆は炊き込みご飯と馬の時雨煮。赤だしを添えて出てきました。
最後にこんな隠し球を取ってあるとは。もう涙が出てきそうになります。

箸休め的に芋けんぴ。既製品の芋けんぴしか食べたことがなかったので、お店で作ったホクホクの芋けんぴに目から鱗が落ちました。
こんなのまで美味しいなんてズルい。

デザートは、チーズケーキのかき氷。
前回のガトーショコラのかき氷に負けず劣らず、ふわっふわなのに濃厚味のかき氷。
もはや馬肉レストランのデザートじゃなくてこれ単体でお店開けるレベルだろ、と思っていたら、実際にトレーラーを使った期間限定店「ICE BREAKER」としてこの夏に営業していたらしいですね。これは本当に、炎天下に行列してでも食べる価値があると思います。

いやはや、今回も最初から最後まで、一点の曇りもなくうまかった。自信のあるものだけを最高の状態で提供したい、というオーナーはじめスタッフの皆さんの気持ちが形になったような店だと思います。ここは次にまた来るチャンスがあれば必ず来たい。

horse won.
ごちそうさまでした。

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