「腹が減った!今食うべき博多飯ってなんだ?」
福岡 ν ガンダムを見に行ったついでに、ドラマ『孤独のグルメ 2019 大晦日スペシャル』の聖地巡礼もしてきました。放送後ほどなくして COVID-19 が始まってしまい、行くタイミングを逸していたんですよね。でももう感染対策を施した上であれば旅行もあまり気兼ねなく行ける状況になったし、二つの目的をまとめて旅ができるならこんなに都合の良いことはないと思ってガンダムと孤独のグルメの聖地巡礼を組み合わせました。
しかし福岡、仕事で来る用事もしばらくなかったし前回もまたこどグル聖地巡礼で来てから七年ぶりか…もうそんなになるか。
この前来たときは、むちゃくちゃ暑かったんだよなあ。
というわけで、今回の目的地は天神から少し西に外れたようなところにあるこちらのお店。
「活海酒」という駄洒落のような店名。見るからに和風、漁師飯風の居酒屋然とした佇まいなのにカウンターには大量のワイングラスがぶら下がっているという変わったお店。劇中での説明によると店主はもともとフレンチ出身ということでこれにも納得ですが、ご本人は居酒屋で四十年働いてきましたというような出で立ちだったのがまた面白い。
今回はカウンター席に通されました。予約して行きましたが、ほぼずっと満席でかなりの人気店であることが窺えます。放送から二年半経ってこれだから「本物」なんだろうなあ。
ん?こんなところに生簀。
活き造りを頼むとここから取り出して捌いてもらえます。
ゴローは劇中でカワハギの活き造りを頼んでいたので予約時にカワハギを頼めるか聞いてみましたが、前日になってこの日はカワハギが提供できないとの連絡をいただきました。まあこればかりは巡り合わせだから仕方ない。ちなみに写真の生け簀にはカワハギっぽいのが一尾いるように見えますが、これは他のお客さん分なのか、それとも食用じゃない(ペット?)のか。
メニューは…たくさんありすぎて目移りしてしまう。魚介だけでもサバ、カツオ、アジ、タイ、サザエ…どれもうまそうだ。
カワハギはなくても何か活き造りにしてもらおうと思っていたけど、どれにしよう?
肉食系大集合!ハイ来ましたよ!!(←
本当に品数が多い、しかも食べ方のダイナミックレンジも広い。これは注文の組み立て甲斐がある。
ま、とりあえずビールでしょ!
30℃ 近い気温の中でずっとガンダムを撮っていたから喉が渇いてしょうがない。大ジョッキの生ビールが胃袋に吸い込まれていく。
やっぱり、夏の生ビール最高。
お通しその 1、ヤイトカツオのたたき。
鰹のたたきのはずなのに、いろいろと装飾されてそこはかとなくフレンチ。うわ、そうくる?という驚きがある。
お通しその 2、チーズせんべいとアメリカンドッグ。
フレンチ風鰹のたたきからいきなりジャンクなおつまみという振り幅。
お通しという言葉がこれほど似合わないお通し、初めてだ。
続いて、高菜の油炒め(写真が微妙に後ピンになってしまった)。
博多といえば明太子に並ぶ定番ごはんの友、高菜炒め。旨辛でおいしい!ごはんも良いけど、ビールに最高に合うやつだ。
そして…ここからは活き造りタイム。
やっぱり福岡に来たからにはサバでしょう、と思って泳ぎサバの活き造りを頼んだのですが、まず最初に提供されたのがこちら。(動画は微妙にグロ注意)
なんと、サバの心臓の踊り食い!
魚の活き造りは今までに何度も食べたことがあるけど、心臓が単体で出てきたのは生まれて初めて。しかもドクンドクン脈打ってるし。
すごく抵抗感あったけど勇気を振り絞って食べてみました。コリッ、プチッという食感はあったけど緊張しすぎて味がよく分からなかった(汗
魚自体を活き造りにしているのに残酷も何もあったもんじゃないんですが、まだ動いてる心臓を食べるのってなんか罪悪感ありますね…。
それに続いてサバの活き造り本体がお出ましに。
博多玄界灘、活き造りの宴。
これ、劇中でも他のお客さんが注文しているくだりがありましたが、演出がすごい。
スモークがものすごい勢いでモクモクモクモクモクモク。
おじさん二人でモクモクさせて食べるのは、ちょっと恥ずかしいぞ。
でも、ちょっと楽しい。
で、サバの活き造りはいいとして、このイクラはどこから出てきたんだ?(笑
さておきこのサバ、うまい!うますぎ。
身が引き締まってプリンプリンしている。普段、サバの刺身なんて〆鯖でしか食べられないからなあ。こういうのを食べられるのがさすが博多。
サバは普通に刺身として食べてももちろんうまいけど、こうやってごま鯖にしても良し。
そういえば前来たときもごま鯖がホームランだったんだよなあ。
これは、どんどんいってしまう。
帰りに空港でごま鯖を買って帰るほどに気に入ってしまった。
こんなにうまい活き造りが出てきたら日本酒で迎え撃たなくては失礼にあたる。
というわけで、若波 純米吟醸 TYPE-FY2 というガンダムか何かのような名前の日本酒をオーダー。
日本酒らしからぬフルーティーな味と香りで、なんだか白ワインを飲んでいるような気分さえある。
そして豚足の唐揚げ(写真を撮る前に思わず少し手をつけてしまった)。
豚足を唐揚げで食べたのってこれが初めて。なのに、豚足って唐揚げにされるために存在しているに違いない!と確信できるほどのベストマッチ、これはうまい。
コラーゲンがさらに強調されて面白い。ポン酢を多めにかけてサッパリめでいただくのが良き。
九州に来たらこちらも名物、ハモの天ぷら。
揚げたてでサクサクの衣の中にふわっふわのハモ。これはめちゃくちゃ幸せなやつ。
大根おろしでニワトリ(?)が作ってあるのも面白い。
この店、あちこちに遊び心が溢れている。
ここらでちょっとワインでも…と思ってドリンクメニューを開いてのけぞりました。
ロ、ロマネコンティ!!!
こういう居酒屋の飲み物メニューに書かれているはずの文字列ではないものが(汗
しかも、価格がまたすごい。これ本当に在庫あるのか?と思ったら、
ワインセラーに本当に入ってるじゃないの(滝汗
フレンチ出身のマスターとはいえ、ここまでとは…。
まあ、私は普通にグラスワインを飲むんですけどね…。
ハモ天に白ワイン、想像してたとおりよく合う。
と思っていたら、
店内に田崎真也氏のサイン色紙を発見!日本で最も有名なソムリエじゃないですか。
どういう経緯で田崎氏がこの店に来たのか、あるいはマスターと知り合いなのか分からないけど、これならロマネコンティが在庫されていても納得です…。
〆は「ウニたっぷりクリームパスタ」。これもドラマを見てから絶対食べたいと思っていた一品。
濃厚なウニ味なのかと思ったら、確かに濃厚ではあるんだけど上品なウニ味、サラリとしたクリーム。これは確かにフレンチだ。そこに海苔の香りも素晴らしい。
うーん、これは居酒屋の味ではない…地中海が見える。
最後は先ほどのサバのアラを使った味噌汁。
サバの骨身のうまみが汁に全部出て、活き造りと併せてサバ一尾まるごと味わった感。
海の滋味。アラが宝になる。
いやはや、なんともすごい店だった。
は~、活き造りフルコース堪能。博多のサバを食べ尽くしたぞ。
心を豊かに、元気にしてくれた…いい晩御飯に感謝。
『孤独のグルメ』には一風変わった店もたくさん出てきたけど、その中でもここは特に風変わりな店。
こんな店を隠し持っている福岡、ふくよか。
博多のおいしさを一色でまるごと堪能させてくれたような感覚で、全部うまかった。
またすぐに福岡にうまいもの旅に出たくなりそうだ。
ごちそうさまでした。
コメント
[…] ちなみに鯖の心臓はBさんに譲りました。 […]