「中華なら、腹の選択肢も自由自在だ」
先ほど放送された『孤独のグルメ Season9』第 4 話の聖地巡礼レポートをさっそくお届けしていきます。
今回の目的地は東京都府中市。しかしこの店、最寄りの JR 国分寺駅からでも徒歩 20 分はかかるというなかなか難しい立地。予約の電話をした際にも「お車でいらっしゃいますか?」と訊かれるくらい(駐車スペースが限られているためと思われる)、駅から歩いてくる人は多くないのかもしれません。
それではさっそく入ってみましょう。
少人数で営業している小さなお店で、ドラマで取り上げられる前から基本的には予約したほうが良いレベルの人気店だったようですね。特に昨今は感染防止のため入店人数を制限しているようで、当分の間は予約なしでは入れない状況だと思われます。私が行ったときにも放送前にも関わらず予約なしで来て満席で諦めて帰るお客さんを複数見かけました。
ちなみにテイクアウトもやっていて、ドラマと同じ料理を味わいたいだけならばテイクアウトが手っ取り早いですが、これも前日までに予約しておく必要があるとのこと。
中華屋らしからぬ店構え。店内は明るくて爽やか、ビビッドなブルーのテーブルクロスはむしろカジュアルフレンチと言われても違和感なし。
こんな感じの中華、初めてかも。
ドラマでは磯山さやかが演じていた店員さんは愛嬌ある感じで、劇中同様気さくに話しかけながら注文を取ったり料理を運んできてくれたりします。
貝料理にたまご料理に豆腐料理…とにかくメニューがたくさんあって目移りしてしまう。
なんだなんだ、この品数の多さは。とめどないぞ…底なし中華沼だ。
ちなみにこの時点ではまだ放送前スペシャルの映像しか見ていないからゴローが食べた料理は分かっておらず、この大量のメニューの中から五郎’s セレクションを探り当てなくてはなりません。これは過去最高クラスに難易度が高い。
コースメニューもあって、これがまたお得感高し。二人以上必須ながら一人 ¥1,800 で四品、¥2,800 で六品の中華コースが楽しめるとは。単品の値段を考えると恐るべきバーゲン価格。
内容的にも王道を外さない感じで魅惑的。初めて来たならこれを頼んでおけば間違いない感じだけど、今日の俺はアラカルトで攻める。
さらに壁メニューまで。レギュラーメニューだけでも膨大なのに、そこに載っていない品々がこの壁にも大量に。
もう何を食べたらいいんだ…中華地獄にズブズブ飲み込まれて、頭が麻痺してきた。
ともあれ、まずはエビチリから。
放送開始前の予告映像を見て中華のエビチリを食べるものだとばかり思っていたからこれを頼んだわけですが、実際あの映像は前回のギリシャ料理だったという(笑
でもこのエビチリ、プリプリのエビがたくさん入っていて、ソースもうまみとピリ辛の案配がちょうど良く、すごくいい。一品目から当たりを引き当てた気分だ。
続いて、カキの辛し炒め。
でかい!しかも、カキだけじゃなくこの餡の色からしてうまそうだ。
カキ料理って、生牡蠣、牡蠣鍋、ソテーにグラタン、カキフライとたくさんあるけど、ニラと一緒に中華辛味餡ってありそうでなかったペア。よくぞこの二人を組ませた。
お~、濃厚。極めて濃厚なり。
辛し炒めというけど辛さはそれほどでもなく、濃厚なうまみで寄り切ってくるタイプ。お、カキの滋味が後から遅れて響いてきた。
トロトロの餡とプリプリのカキの食感コンビネーションもたまらない。
カキニラ、すごい。
カニ肉入りチャーハン。見た目からしてチャーハンの王道中の王道。
米の一粒一粒が独立したパラパラチャーハンに玉子の絡み具合が絶妙。そこにカニの風味と味加減がバチコーンと合って、期待を裏切らないうまさ。
この店、都心にあったら予約が取れないレベルの人気店になるんじゃないだろうか。それくらい、それぞれの料理のレベルが高い。
壁メニューから牛スネ肉のトロトロ煮込み(トマト味)。
アツアツ、トロトロのトマト風味餡の中に、餡に負けないほどトロトロに煮込まれた牛スネが!
火傷しそうになりながら頬張ると、牛肉のうまみとトマトの酸味が相まって、煮込み料理なのに爽やか。
真夏の暑い日に煮込み料理って我ながらどうよと思ったけど、これはアリ。相当うまい。
季節的に冷たい麺類を食べるに違いないと思ったので、久住さんが食べていたキャベツの冷麺(リャンメン)。
冷やし中華っぽいのが来るのか、それとも盛岡冷麺っぽいのか?と予想していたら全然違う。
どちらかというと油そばを冷たくしたようなボリュームのある冷やし麺。
タレが浸みてシナシナになったキャベツとその上のパリパリ、そしてボリュームのある麺を混ぜて食べるとうまい!食べるラー油を追加するとジャンクなうまみが増して、これなら暑くても食欲増進、夏バテ知らずでどんどん食べられそう。
冷やし麺をもう一つ、もやし入り辛い冷麺。夏は辛さが欲しくなる。
これまたさっきのキャベツとは全然違う。シャキシャキした大量のもやしとピリ辛の味付けで、疲れたときに効きそうな味。
油がガツンと効いてたキャベツの冷麺とは対照的にさっぱりタイプ、それにもやしの歯応えが食欲を引き出してくれるかのよう。
ゴローちゃんが食べたのはナスの冷麺だったから予想が外れたけど、これはこれでおいしかった。
〆は鰻の蒲焼チャーハン。隣のテーブルのお客さんが食べていたのを見て「五郎が頼むやつは絶対それだ!」という確信がありました。
鰻の蒲焼でチャーハンって、和食なのか中華なのかなんだかよく判らないけど、実際に出てきたのも鰻丼みたいなチャーハン。
これ、一体どういうことなんだ。
訳も分からずにスプーンでどんどんかき混ぜていただきます。おお…蒲焼きのいい香りが立ち上ってくる。
あ~、確かにこれ、鰻丼でチャーハンだ。自分でも何を言っているんだか意味不明だけど、鰻丼でチャーハンとしか言いようがない。
蒲焼のタレでチャーハンを作ったらこんな味になっちゃうの?という驚き。普通のチャーハンとは違う濃い味がめちゃくちゃ嬉しい。
ウナチャー、おいしさうなぎ登り。
途中まで食べたら、山椒油を投入。
鰻に山椒っていうのは納得だけど、いざ食べてみるこれがまた…鰻重の山椒とは意味が違う。
鰻重における山椒のような爽やかさは確かにありつつも、その後に追っかけてくる中華的山椒的シビレ!この刺激がさらにウナチャーの食欲をかき立てる。
これは、この季節に最高すぎるメニューだ。
こいつを知っただけでも、今日生きていて良かった。
デザートは杏仁豆腐。一見なんてことない杏仁豆腐だけど、一口食べてみると濃厚・なめらか・クリーミーの三重奏でメチャうま!
これはおかわりしたくなるレベル。五郎は三倍杏仁豆腐を食べていたけど、確かにこれなら三人前でも軽くイケるに違いない。既にたくさん食べてお腹いっぱいだからと日和ってたけど、その必要はなかったかも。
それにしても、たくさん食べた。全部うまかった。
五郎メニューが読めなくて我ながら注文がとっちらかってしまった気はするが、大満足。
充実の中華ランチだった。また来よう。
俺の知らない中華のうまさに出会うために。
ごちそうさまでした。
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