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ロン・デニスがマクラーレン CEO を辞任

【正式発表】マクラーレンの顔、ロン・デニスが解任。「誤った決断」とデニスが怒りの声明

ブラジル GP の週末に話題になっていた、ロン・デニスのマクラーレン・グループの会長兼 CEO 解任の件が、ブラジル後に正式に発表されました。

ロン・デニスと共同株主であるマンスール・オジェおよびバーレーン王室との確執は数年前から伝えられていましたが、それがいよいよ白日の下に晒されたことになります。いったんは F1 の現場から身を引いたロン・デニスでしたが、二年前に後継者マーティン・ウィットマーシュを解任して強引に現場復帰し、次は株式買い増しによって経営の主導権を奪い返そうと目論んでいました。そこへ株主決定としての解任、しかも契約満了を待たずして即刻解任という強硬な決定。かなりの急展開であったことが想像されます。

ロン・デニスは 1981 年に自身の F2 チーム「プロジェクト 4」と合併する形でマクラーレン入りし、その後長年にわたってチームを率いてきました。TAG ポルシェ、ホンダ、(フォードやプジョーを経て)メルセデスというエンジンサプライヤーとの提携により F1 界で輝かしい実績を積み上げてきたことは、今さら言うまでもありません。また F1 のみならずロードカーの生産や自動車関連のテクノロジー企業(多くのレースカテゴリ向けに ECU(エンジン制御コンピュータ)を供給していたりする)の立ち上げ、近年では医療分野にも進出するなど、マクラーレンを一大テクノロジー企業へと進化させた張本人でもあります。
それが、今回のクーデター。まあ、近年のロンは今の F1 の現場を知らないのにチームに余計な口出しをしすぎるとか、マクラーレン F1 になかなかタイトルスポンサーがつかないのはロンに責任があるとか、そろそろ限界説が囁かれていたことも事実。それ以前にあまりにも厳しい完璧主義のせいで F1 ムラの中に敵が多かった、という話もよく耳にします。確かにそろそろ潮時であったのかもしれません。

でも、個人的には F1 に興味を持ったときに憧れていたチームの代表者であり、一抹の寂しさも感じます。実は先日の日本 GP の週に、スポンサー企業での講演でサーキットでも滅多に目にすることができない生ロン・デニスを初めて見てきましたが、まさかあれが事実上最後の機会になるとは。

F1 チームとしては今年夏にフォルクスワーゲンから招聘したヨースト・カピートがチーム CEO に就任したばかりですが、そこへの人事的な波及があるのかどうか。レギュレーションが大幅改定される来季こそは飛躍を図りたいマクラーレン・ホンダですが、この体制変更はちょっと影響が大きいんじゃないですかね…。

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