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モアナと伝説の海 [Blu-ray]

モアナと伝説の海 [Blu-ray]

夏休みっぽい映画でも観てみようと思って BD で鑑賞。

ディズニー映画の割には劇場公開時のプロモーションのかけ方が地味だったような印象があります。いわゆる「プリンセスもの」ではないから引きが弱いってのもあるでしょうし、数年前の『アナ雪』が主題歌も含めて分かりやすすぎたからそれと比較してしまうというのもあるでしょう。私も劇場公開時には何となく足が向きませんでした。

ストーリーは小さな島の古い村に住む村長の娘・モアナが、食糧危機に瀕した島を救うために海の外へ旅に出る、という内容。もともと海に強い興味を抱いていたモアナが旅に出ることを村長である父に強硬に反対されるとか、それでもおばあちゃんは応援してくれるとか、まあいろいろあるわけですが、この世界を作った英雄(ある種の神に近い存在)であるマウイと出会い、村、ひいては闇に包まれつつある世界を救いに行きます。世界が闇に包まれた原因はかつてマウイがこの世界の女神テ・フィティの心を盗み出したためで、その心を取り戻し、テ・フィティに返せば世界は元に戻る…というもの。
ディズニー映画というと、『アナ雪』や『美女と野獣』に代表されるように空気を読まずに正義をなす勇気の象徴のような主人公と社会的マイノリティのメタファーのような対役(逆の場合もある)が最終的には人間の欲の権化である悪役を倒す、というのが王道のストーリー。ですが、今回は悪役らしい悪役は不在で、村長はかつて自分が冒した危険を娘には繰り返させないようにしたかっただけだし、そもそもの原因となったマウイの行為も「人間の敬意や感謝を受けたかっただけ」だし、モアナを動かすのも阻むのも全て他の登場人物のちょっとした善意や虚栄心によるもの。ラスボスである溶岩の魔神テ・カアが怒っていた理由もたった一つだけ(それが解決されれば鎮まる)。というように、「欲望=悪」という思想をベースにした勧善懲悪ではないシナリオがディズニーっぽくなく、主に子ども向けにしておくにはちょっともったいないレベルの作品だと感じました。

映像はディズニー・アニメーション・スタジオだから折り紙付きだし(特に空と海の表現が素晴らしかった!)、音楽に関しても自然や南国がモチーフだけに『ライオン・キング』にも似た力強さがあるし(個人的にはマウイと巨大ガニのタマトア関連の楽曲のノリが気に入った)、非常にクオリティが高い。ノーマークだったけど個人的には『アナ雪』よりも好きかもしれません。未見ならばこの夏休みの間にオススメしたい一本です。

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