F1アメリカGP決勝:ハミルトン優勝、ベッテルは2位に食らいつきチャンピオン決定は持ち越し
明暗分かれた日本グランプリから二週間、ハミルトン絶対有利な状況で迎えたアメリカ・オースティン。ハミルトンの戴冠はほぼ確定とみていい点差が開いていますが、果たしてヴェッテルが逆襲を仕掛けるのかが注目されました。
予選からメルセデス優位ながら、Q3 ではヴェッテルも意地を見せてフロントロウの一角をもぎ取ります。決勝はそのヴェッテルが好スタートを決め、ハミルトンの牽制も交わしてホールショット。このままハミルトンに一矢報いるかと思えましたが、その後ハミルトンとのギャップを広げることができず、5 周目にハミルトンにオーバーテイクを喫します。それからのヴェッテルはハミルトンについていくことができず、終盤にはタイヤが限界を迎えて緊急ピットイン、2 位フィニッシュが精一杯でした。
レース的には久しぶりにチャンピオン争いを演じる二人のガチンコ勝負が見られて満足でしたが、この状況下で実力でハミルトン&メルセデスに完敗したヴェッテル&フェラーリは厳しかったですね。決してマシンが悪かったわけではなく、ここ数戦の状況を考えればむしろベストコンディションといえる中での敗戦は、もはや引導を渡されたと言って良いでしょう。次戦メキシコではハミルトンが 5 位以上に入ればヴェッテルの成績に関わらずハミルトンの戴冠が決定。夏休み前の接戦から一気に戦況が変わり、もはや消化試合の様相を呈してきました。
今回は中団の争いが面白かったですね。得にトロロッソ、ハース、ルノーあたりはコンストラクターズポイントもマシンの速さも拮抗していて、最終戦に向けて競争が激化していきそうです。中でも日本 GP を最後にトロロッソからルノーに移籍したサインツがいきなりいい走りを見せ、オーバーテイクも交えつつの 7 位入賞。ルノーは後半戦徐々にマシンの戦闘力を高めつつありますが、今までジョリオン・パーマーが乗ってもさっぱり速くなかったのがサインツに変わった途端いきなり速い。来シーズンのトロロッソ・ホンダにサインツがいないことがつくづく残念に思えるほどです。またルノーの来季ドライバーはヒュルケンベルグとサインツというバランスの良いラインアップとなり、このままマシンが進化していけばトロロッソ・ホンダとしても侮れない相手になるに違いありません。そしてマクラーレン・ルノーがこのルノーワークスやレッドブル・ルノーと直接比較してどうなのか、というのはこの三年間マクラーレンに叩かれ続けてきたホンダ派としては見物だな、とも思います。
このアメリカ GP でコンストラクターズタイトルはメルセデスに確定しました。次のメキシコではまず間違いなくハミルトンのドライバーズタイトルも確定するでしょう。残り三戦はむしろストーブリーグ絡みの中団の争いに注目かな。
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